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女性と同様にファッションに個性を発揮する男性たちの姿にも注目『美人画 麗しきキモノ』9月1日より開催

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楊洲周延《真美人 十四 女学生》(前期展示)

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豊かな服飾文化が花開いた江戸時代には、流行を切り取ることを得意とする浮世絵師たちが、最新モードをまとった女性たちを描いて人気を博した。そうした美人画に描かれた魅力的なキモノに焦点をあてた企画展が、東京・原宿の太田記念美術館で、9月1日(金)から10月22日(日)まで開催される。

江戸前期から昭和初期にかけての作品が前後期あわせて約130点展示される同展は、およそ250年にわたる美人画の歴史が通観できる絶好の機会だ。また、鈴木春信、喜多川歌麿、月岡芳年、伊東深水ら、時代を代表する絵師たちの美麗な優品の数々を、肉筆画も含めて鑑賞できる機会ともなっている。

特にキモノに着目した同展では、吉祥文様や、『源氏物語』などの古典文学をふまえた意匠、あるいは同時代の人気役者のゆかりの意匠など、キモノに描かれた模様についての紹介が手厚い。模様の意味について深く掘り下げていくと、画中の女性たちが模様の美しさだけでなく、それぞれの模様がもつ「物語」も身近に楽しんでいた様子がうかがえるという。歴史や物語を内包した模様をまとう女性たちの姿からは、日本文化の豊かさを感じることができるだろう。

同展はまた、キモノの「着こなし」の多彩さも見せてくれる。江戸時代には、身分や年齢、職業などによって装い方が顕著に異なっていたため、美人画においても、女性の立場によって異なるタイプの魅力が描き出されているのだ。例えば、豪華な髪飾りや趣向を凝らした衣装をまとった花魁(おいらん)や、花柄や明るい色味のコーディネートを楽しむ愛らしい町娘、簪(かんざし)や半襟などの洒落た小物使いで粋に装う芸者など、変化に富んだ装いの工夫が見られるのも楽しいところだ。

キモノの装いに長けていたのは、女性だけではない。美人画が中心の展覧会だが、今回は江戸時代の和装男子の紹介もある。着飾った美少年、こなれた着こなしを見せる通人、ワイルドな浴衣姿を見せる勇み肌の男衆など、女性と同様にファッションに個性を発揮する男性たちの姿にもぜひ注目したい。

<開催情報>
『美人画 麗しきキモノ』

会期:2023年9月1日(金)~10月22日(日)
会場:太田記念美術館
時間:10:30~17:30(入館は17:00まで)
休館日:月曜(9月18日、10月9日は開館)、9月19日(火)、9月26日(火)~29日(日)、10月10日(火)
料金:一般800円、大高600円
公式サイト:
http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/

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