有村架純と岡田健史が示した“純愛”の答え 『中学聖日記』が伝えた、人を本当に想うこととは
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『中学聖日記』(TBS系)最終話では、ついに聖(有村架純)と晶(岡田健史)の恋の行方が描かれる。そして、それは人を思いやるという普遍的な行為のあり方も示した。
参考:<a href=”https://www.realsound.jp/movie/2018/12/post-294426.html”>有村架純&岡田健史が振り返る『中学聖日記』 「聖と晶を応援してくれているのが本当に嬉しい」</a>
12月11日に放送された『中学聖日記』第10話で、警察に通報したのは晶の母・愛子(夏川結衣)だった。愛子は聖と晶がいまだに隠れて逢ったことに、気づいていたのだった。しびれを切らした愛子は聖と晶が出会うことを法の力で禁じる。代理弁護士、賠償金、誓約書……その物々しさはグロテスクですらある。「自分の気持ちに嘘はつかない」と誓った聖だが法律・契約という壁の前に、晶とは再び引き離される。晶に二度と会わないという誓約書にサインするか否かが『中学聖日記』最終話で聖が迫られる選択だ。
再び迷うこととなる聖。そんな迷う聖の手をとり、常にクールに導いてきた原口律(吉田羊)が倒れる。律はかつての恋人・勝太郎(町田啓太)の子を妊娠していた。その事実を聖も、勝太郎も知らなかった。弱みを見せてこなかった律も、一人で悩んでいたのだ。身ごもった体で仕事に行こうとする律を強い調子で止める聖の姿に、律は「今、産むことにした」とケロッと口にし、迷ってばかりだとこぼしていた聖に語る。「正解なんかない。わかるわけもない。だから自分自身の正解を探すの。一人で立ってその先に答えがあるって信じてる」。律は、聖より先に大きな決断をしたのだ。
一方、晶は受験が終わったら聖のことを考えるという愛子の言葉を了承し、受験勉強に励んでいたが、偶然誓約書の話を聞き、激昂。再び聖の家に駆けつける。「会いたい」と強く訴える晶からの呼びかけに聖は答えなかった。
翌日、誓約書の提出期限が来る。愛子とその代理弁護士の前に姿を現した聖は、自分を追ってきた晶の姿を見て、母・愛子の気持ちを理解し、彼を思うなら時間や距離、可能性を与えなければいけなかったと省み、誓約書にサインをする。聖は自らの思いまでも犠牲にする無償の愛を見出したのだ。そして晶もその思いに答える決意をする。律の携帯電話を借りた晶は「聖ちゃんに幸せになってほしい。だからもう会わない。でもずっと願ってる。幸せにって」と呼びかける。『中学聖日記』は自分をも犠牲にする無償の愛を「純愛」として描いた。決して結ばれることだけが恋愛の全てではなく、それでも人を想うことはできるのだと『中学聖日記』は訴えている。
しかし、この物語はバッドエンドではない。5年後、2人は再び中学生の頃のように出会う。実は聖が書いた誓約書には間違いがあった。誓約書には平成~年と日付を記入する箇所があったが、そこには「平成2018年」という文字が。その間違いに気づいていた愛子は作中では描かれていないが、おそらく晶が社会人になった時にその誓約書を晶に手渡したのだろう。聖と晶の愛に、愛子も理解を示していたのだ。人が本当に人を想う時、どのような決断ができるのか。『中学聖日記』はその答えを教えてくれた。
(文=島田怜於)