「第45回ぴあフィルムフェスティバル2023」ラインナップ決定、第50回に向けた連続企画も始動
映画
ニュース
左から)荒木啓子氏、山中瑶子監督、岡田詩歌監督
続きを読むフォトギャラリー(6件)
すべて見る自主映画のコンペティションを中心に、“新しい才能”を発見、紹介、育成する「第45回ぴあフィルムフェスティバル2023」のラインナップ発表会見が8月9日、会場となる東京・国立映画アーカイブで行われた。
第1回から続く自主映画を対象とした日本初の本格的なコンペティション「PFFアワード」をメインプログラムとし、招待作品部門では、今年から新たにスタートする企画(2028年の第50回に向けた5年連続企画)の第1弾「イカすぜ!70~80年代」や、27年ぶりにPFFに帰ってくるフランスの名匠、アルノー・デプレシャン監督特集など、映画祭でしか観ることのできない上映企画、映画講座を予定している。
「第45回PFFアワード2023」には557作品がエントリーし、22作品が入選。PFFディレクターの荒木啓子氏によると「例年に比べ、中編・短編が増えている」といい、「今の時代は、映画を作ることがとてもカジュアルになっている。インターネットで俳優、スタッフ、機材を見つける監督も多く、映画を撮るスタートラインが開かれている」と現状と傾向を語った。なお、最終審査員を務める5名に関しては、後日アナウンスされる予定だ。
特別プログラム「イカすぜ!70~80年代」の一環として、『あみこ』で脚光を浴びた山中瑶子監督が、強く影響を受けたアレハンドロ・ホドロフスキー監督の『ホーリー・マウンテン』(1973年製作)、アンジェイ・ズラウスキー監督の『ポゼッション』(1980年製作)の上映も。会見に出席した山中監督は、前者について「映画監督というものは、作家なのであると突きつけられた」と強い思い入れを示していた。同プログラムでは、『あみこ』と、テレビ放送用に製作した『おやすみ、また向こう岸で』も特別上映される。
また、第29回PFFスカラシップ作品『恋脳(れんのう)Experiment』がワールドプレミア上映されることになった岡田詩歌監督も来場し、「普段は一人でアート・アニメーションを制作しているので、初めての実写作品を、スタッフや俳優の皆さんと一緒に作り上げるのは、すごく新鮮で、楽しいことだった」と振り返った。岡田監督は『Journey to the 母性の目覚め』でPFFアワード2021審査員特別賞を受賞。現在、『恋脳(れんのう)Experiment』はPFFでのお披露目を目指し、最終的な仕上げの段階だという。
取材・文・撮影:内田涼
<開催情報>
「第45回ぴあフィルムフェスティバル2023」
【東京】
日程:2023年9月9日(土)~23日(土) ※月曜休館
会場:国立映画アーカイブ(東京都中央区京橋3-7-6)
【京都】
日程:2023年10月14日(土)~22日(日) ※月曜休館
会場:京都文化博物館(京都市中京区三条高倉)
【企画紹介】
<コンペティション部門>
(1) PFFアワード2023
<招待作品部門>
(2) イカすぜ!70~80年代
・大森一樹再発見
・斎藤久志再発見
・日比野幸子プロデューサー再発見
・山中瑶子『あみこ』への道
・塩田明彦監督がみつめる相米慎二の少年少女
・アルノー・デプレシャン監督『女囚701号 さそり』を語る
・驚異のデビュー作
・『陽炎座』4Kデジタル完全修復版ワールドプレミア上映
(3) アルノー・デプレシャン監督特集
(4) ピーター・バラカン氏による音楽映画シリーズ「ブラック&ブラック」
(5) 特別企画
・生誕120年 小津安二郎が愛したふたり
・20代監督の衝撃作!
(6) 第29回PFFスカラシップ作品
『恋脳(れんのう)Experiment』(岡田詩歌監督)
関連リンク
PFF公式サイト:
https://pff.jp
「第45回ぴあフィルムフェスティバル2023」公式サイト:
https://pff.jp/45th/
フォトギャラリー(6件)
すべて見る