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南山城に伝わる数々の仏像を通じてその歴史や文化の奥深さを辿る特別展『京都・南山城の仏像』9月16日より開催

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国宝《阿弥陀如来坐像》(九体阿弥陀のうち) 平安時代・12世紀 京都・浄瑠璃寺[木津川市]

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京都府の最南部にある南山城(みなみやましろ)は、奈良時代や平安時代に創建された古刹が点在し、独自の仏教文化が花開いた地域。2022年度、その古刹のひとつである浄瑠璃寺に安置されている「九体阿弥陀(くたいあみだ/9段階の極楽浄土に関わる9体の阿弥陀如来像)」が、明治期以来およそ110年ぶりの大規模な修理を終えた。その修理完成を記念して、南山城に伝わる国宝、重要文化財をはじめとする貴重な仏像を紹介する特別展が、上野の東京国立博物館で、9月16日(土)から11月12日(日)まで開催される。

奈良と接する南山城は、日本仏教史上、特筆すべき重要な場所だったという。奈良の平城京の造営時には、南山城を流れる木津川流域の豊かな木材が、東大寺や法隆寺建立の資材となった。奈良時代の後半には、聖武天皇がこの地に「恭仁京(くにきょう)」を造営。その後は、数々の寺院が創建され、また平安時代には中央貴族や大寺院の荘園も増えていく。平安中期には、極楽往生を願う貴族たちの間で、九体阿弥陀の造像が流行し、南山城にもいくつもの阿弥陀堂が建てられたという。

今回修理が完成した浄瑠璃寺の九体阿弥陀は、平安時代の九体阿弥陀の唯一現存する作例としても貴重なもので、国宝に指定されている。修理を終えた美しいお姿を拝観できるのは大きな喜びだ。

同展のもうひとつの見どころは、平安時代の仏像の変遷が一堂に見られること。古刹の点在する南山城は仏教彫刻の宝庫であり、とりわけ奈良の大寺院や中央貴族と結びつきを強めた平安時代には、優れた仏像が数多くつくられたためだ。同展ではまた、極楽寺の《阿弥陀如来立像》のように、鎌倉時代の仏像も登場する。作者は、快慶の弟子の行快(ぎょうかい)とされ、大寺院や鎌倉幕府に重用されていた慶派仏師が南山城でも活躍していたことが見てとれるという。

出品作を通じておよそ400年に及ぶ仏教彫刻の変遷を概観できる同展はまた、南山城の地が人々の信仰の場であり続けてきたことを強く感じさせてくれる展覧会となるだろう。

<開催情報>
浄瑠璃寺九体阿弥陀修理完成記念 特別展『京都・南山城の仏像』

会期:2023年9月16日(土)~2023年11月12日(日)
会場:東京国立博物館 本館 特別5室
時間:9:30~17:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜(9月18日、10月9日は開館)、9月19日(火)、10月10日(火)
料金:一般 1,500円、大学800円、高校500円
公式サイト:
https://yamashiro-tokyo.exhn.jp

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