赤楚衛二&白石麻衣&柳俊太郎が語るポジティブのススメ「自分に対するあきらめも大事」
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インタビュー
左から)柳俊太郎、赤楚衛二、白石麻衣 撮影:奥田耕平
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すべて見るNetflix映画『ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~』が配信中だ。
死んだような顔をして働いていたブラック企業の社員・天道輝(アキラ/赤楚衛二)。しかし、ある朝起きると街中がゾンビだらけの世界に。荒廃した街を見て、アキラは思う。
「もう、今日から会社に行かなくてもいいんじゃね!?」
絶望すぎる状況をポジティブすぎるマインドで楽しむアキラの姿に、きっと生きる上で大切なことに気づかされるはずだ。
そんな新時代のゾンビコメディの魅力から撮影の裏側でやっていた「あること」まで、出演者の赤楚衛二、白石麻衣、柳俊太郎の3人にたっぷり語ってもらった。
※柳俊太郎の柳は木へんに夘が正式表記
ゾンビ同士が自撮りしてるのが可愛らしかったです(笑)
――日本ではなかなか難しいゾンビものというジャンルを、Netflixらしいスケールで描いていて、とても楽しませてもらいました。ぜひ“ここがスゴイよ! 『ゾン100』のゾンビ”をお三方から聞かせてほしいです。
赤楚 やっぱりスケール感はすごいですよね。
白石 すごいですね。
柳 あとは動きとか。倒れるときに手をついちゃいけないとか、壁にぶつかるときも手でかばっちゃいがちだけど、そこは思いっ切り顔でぶつかるとか。そういうのは見てて単純にすごいなと。
白石 確かに。
赤楚 そういう要所要所を監督の石田(雄介)さんがこだわっていて。それが気持ち悪さにつながっていたというか。
白石 カクカクした動き方とか、監督が結構こだわりを伝えてらっしゃっていましたよね。
柳 スピードとかも繊細に指示されてた。
赤楚 ちゃんと3種類あるんですよね。めっちゃ走るゾンビと、そこそこのゾンビと、歩くゾンビと。
柳 そう。感染してからの時間経過によって差が出るって。
赤楚 まだゾンビになりたての人は筋肉があるから速くて。日にちが経つと栄養がなくなっていくから普通のゾンビになっちゃうみたいな。石田さんはそういう設定を1人1人にちゃんと決めてつくりこんでいました。あとは、サメの気持ち悪さですよね。あんな気持ち悪い足だとは思わなかった(笑)。
白石 完成したのを見てびっくりしました、気持ち悪くて。
――あのゾンビが実際に近づいてきたら感覚はどっちですか。怖い? それとも気持ち悪い?
柳 気持ち悪いですね(笑)。
赤楚 僕は怖かったです、単純に。
柳 何人もゾンビメイクしないといけないから、みなさん現場の入りがめちゃくちゃ早いんですよ。で、僕らが入る頃には結構時間が経ってるからリアルに疲れてて。その様子がちょっと面白かったです(笑)。
赤楚 待機中もゾンビ同士で自撮りしてて。それが可愛らしいんですよね(笑)。
柳 トイレとかですれ違うとドキッとするよね。うわ、びっくりしたみたいな(笑)。
白石 私、ホラーがあんまり得意じゃないので。出来上がったゾンビと初めて対面したときは、これと戦うんだってちょっとゾクッとして。あまりにリアルだったので、本番までに見慣れておかないとなって思いました(笑)。
撮影の合間に赤楚くんたちが催眠術にかかってました(笑)
――この3人の中でゾンビに襲われて最後まで生き残れるのは誰だと思いますか。みなさんで一斉に指差してください。行きます、せーのーで!
赤楚 (白石を指差す)
柳 (白石を指差す)
白石 (自ら手を挙げる)
赤楚 えー!(笑)
柳 全員一致?(笑)
白石 そうですね。序盤の方で。予期せぬところでやられそうだなって(笑)。
赤楚 でもそうですよね。絶対僕らじゃないっていうのはわかりますよね。
柳 俺らではないよな。
赤楚 たぶん精神年齢的な問題もある。白石さんがいちばんしっかりされているというか。
柳 そうだと思う。
赤楚 ちょっとお姉さんな感じでしたもんね、今回の現場だと。
白石 だって、お2人だいぶぶっ飛んでましたよ。空き時間に催眠術やってたの覚えてます?
赤楚 ……やってた!
白石 私、お仕事で睡眠術にかかったことがあるんですけど、2人がかかったことなくて。赤楚くんがYouTubeで催眠術の動画を出してくれたので、それをみんなでやったんです。私はどうしてもかからなかったからあきらめて見てるだけだったんですけど、2人して「わー! やべー!」って(笑)。
柳 あったわ!(笑)
白石 もう周りも笑っちゃって。さすがだなと思いました(笑)。
赤楚 結構現場では変なことが多かったですよね。柳くんの箸だけ3本入ってたり(笑)。
柳 あった! 箸袋を開けたら箸が3本入ってるんですよ。この現場ではなぜか俺が結構いじられキャラみたいになってて。ついに弁当までいじってきたかと(笑)。
赤楚 いろいろ持ってましたよね。
――そう思うと、意外と生き残れそうな気も。
柳 それか、めっちゃ変な死に方をするかどっちかですね。
赤楚 たぶんそっちだと思う。運がいいんじゃなくて、悪い方の運がいいみたいな。だからたぶんやられます(笑)。まあ、でも白石さんもそんな長いこと生き残れないとは思うんですけど。
白石 自分がとった行動で失敗しそうな気がする(笑)。
柳 そう? 計画的なイメージはあるけどな。
赤楚 意外とそんなことはないですもんね。
白石 えー!(笑)
赤楚 わりとふわっとしている部分もあるじゃないですか。楽しくて鼻歌めっちゃ歌うみたいな。
白石 でも鼻歌は赤楚くんもよく歌ってましたよ(笑)。
赤楚 僕も歌ってました(笑)。機嫌いいときとか、つい鼻歌が出ちゃうんですよね。だから、ちょっと同じ匂いがするなと思いました。
白石 私たちは同じタイプなのかもしれませんね。
――あの水族館までは行けなさそうですか。
赤楚 行けないですね(笑)。
白石 辿り着けなさそう(笑)。
傷ができると男としてレベルが上がったなと思う(笑)
――ゾンビの世界になってからのアキラのポジティブさが最高でしたが、みなさんが自分のことをポジティブだなと思う瞬間はどんなときですか。
柳 俺は傷ができたときですね。
赤楚&白石 ???
柳 たまに擦りむいたりするじゃない? 俺、スポーツやってて、だから結構傷があるんですけど。傷つくと、男として1個レベルが上がったみたいな。
白石 頑張った証拠みたいな?
柳 そうそうそう。そういうのがなんかちょっとあるんですよ。
赤楚 あ〜、なるほど。
柳 勲章じゃないけど、妙に誇らしい気持ちにはなる(笑)。
赤楚 僕は基本的にポジティブです。特にこの1年くらいの間で、何か嫌なことあっても落ち込まないというか、失敗しても「よし次!」みたいなマインドにはなれました。
白石 いいですね。私は自分がポジティブだと思う瞬間ってないかも。基本的にめっちゃネガティブです。失敗したときとか、家から出たくないって思うくらい落ち込むので、自分のダメなところがひとつでも出てきちゃうと、立ち直るのに時間がかかります。
柳 俺も全然寝られないとかあります。考えごとしちゃって、それで寝られなくなって。
白石 わかります。
――すっかりポジティブになった赤楚さんは、そんなヘコみ期をどう乗り越えるんですか。
赤楚 僕は全部受け入れています。たとえば泣くシーンで泣けなかったりとか、めっちゃ落ち込むじゃないですか。それには寝不足だとか、そのシーンになる前に集中力を切らしてしまったとか、理由はいっぱいあるんですけど、結局はそのシチュエーションに合わせて管理ができてない自分が今の実力なんだって割り切る。で、次同じシチュエーションでちゃんと泣けたら成長じゃんと思えるから、今、メンタルが折れることがないです。最強です。
白石 すごい。
柳 そう考えられるようになったら強いよね。
赤楚 ある種、自分に対してのあきらめみたいなところもあるかもしれないですね。
白石 勉強になります!
バンジージャンプをやったら人生変わりました
――劇中では「〜〜するくらいならゾンビに喰われたほうがマシだ!」というアキラの台詞が何度か登場します。みなさんの思う「〜〜するくらいならゾンビに喰われたほうがマシだ!」ということは?
赤楚 僕は虫にさわるぐらいだったらゾンビなったほうがマシです。
白石 虫ダメなんだ。
赤楚 本当ダメです。デッカいのとかいると「うわ〜!」ってなる。だったら、ゾンビに噛まれたほうが虫とかも苦しまなくてすむんだろうなって(笑)。
白石 優しい。虫視点なんですね(笑)。
柳 それで言ったら、俺はバンジージャンプですね。
白石 一緒! 私もバンジージャンプです。
柳 もう絶対無理。
白石 無理です。
柳 だって、あれ死んだようなものでしょ?
赤楚 それが良さなんですよ。
――確か赤楚さんはバンジージャンプをやってらっしゃいましたよね。
赤楚 はい。去年やったら人生が変わりました。
柳 そういえば行ってたね。
赤楚 最高ですよ。一度ぜひ。
白石 スカイダイビングだったらできる気がするんですよ。後ろに人がいらっしゃるから、2人なら行けるかなって、まだ気持ちの余裕があるんですけど。
柳 わかる。スカイダイビングは後ろの人がいるから自分で踏み出さなくてもいいんですよね。
白石 でも、バンジージャンプは自分が一歩踏み出さなきゃいけないんで、それは絶対できないですね。
赤楚 確かに飛び降りる前に「手を離してください」って言われる瞬間がいちばん嫌です。あと、落ちた後、上から引っ張られるとき。ずっと首が痛くて、そこは嫌ですね(笑)。
車の免許を取りに行く時間がなくて悩んでいます
――『ゾン100』は自分のやりたいことをやる素晴らしさを思い出させてくれる作品でした。とは言え、多くの人が自分のやりたいことがわからなかったり、やりたいことはあるけどできなくて悩んでいたりします。みなさんにも、そんな悩みはありますか。
白石 あります。今、車の免許を取りたいんですけど、なかなかしっかり集中して通えるだけの時間がとれなくて……。どのタイミングで取ろうってずっと悩んでいます。
赤楚 昔なら合宿という選択肢もありましたけど、さすがにもう行けないですもんね。
白石 そうなんです。本当はパッと行って取りたいけど。
赤楚 それがないと難しいなって。
白石 免許が取れたら遠出して、いろいろ買い物とか行きたいですね。
赤楚 めっちゃいいですよ。車に乗ってると運転することに集中するから、仕事を忘れられるというか。サウナとかゴルフに近いかもしれない。サウナだと暑さで仕事のことを忘れるし、ゴルフも打つことばっかり考えてるから。
白石 思考が全部そっちに集中するんだ。
赤楚 それと一緒で、運転もめっちゃスッキリしますよ。
白石 そうなんだ。すぐ取りに行きます!(笑)
柳 僕の場合、時間というよりも気力の問題でやりたいことを後回しにすることはあるかもしれない。いろいろ勉強しなきゃいけないこととかつい後回しにしちゃって結局やらないっていう。
赤楚 今、何を勉強しようとしてるんですか。
柳 フランス語とか。まあ、全然やってないんですけど(笑)。
赤楚 僕はむしろやりたいことが今まったくわからなくて。昨日も久しぶりに撮休を1日もらったんですけど、何しよう……みたいになっちゃって。
白石 わかる! 私もあります、たまに。
赤楚 ですよね。友達とかもなかなか予定は合わなくて。1人でできることって何かあるかなと思ったときに、結局昨日はムダにずっとゴロゴロしてました。
白石 そういうことはありますよね。私も起きては寝て……を繰り返して、気づいたら夕方とか普通にある(笑)。
赤楚 わかります!
白石 動きたくなくて、みたいな。
赤楚 もったいないけど、しょうがないってなりますよね。柳くんはどうですか。
柳 僕は休日はなるべく行動はするようにしています。たとえば、料理をしたりとか。そうすると、食材を買いに外まで出なきゃいけないし、有意義かどうかはわからないけど、多少はアクティブな1日になるかなと。
赤楚 料理うまいですもんね。僕もそういう趣味を見つけるといいのかな。
柳 趣味、ないの?
赤楚 強いて言うとゴルフはやりたいんですけど、撮影が立て込んでいる中の1日だけの休みをゴルフに使うというところまではまだ行かなくて。この季節は外出ても暑いし、日焼けも今はダメだしってなると、家でできることに限られてくるんですよね。
白石 確かに。撮影中はなかなか外に出づらいですよね。
赤楚 ゲームとかはハマるとすぐやりたくなっちゃうから、できればスパッとやめられる趣味がほしいです。
――筋トレとか?
赤楚 ああ、筋トレ! 2〜3ヶ月ジムに行けてないんですよね。そろそろ筋トレ始めましょうかね。じゃあ、次の休みはジムに行きます!
――そんなやりたいこと迷子の赤楚さんから、同じようにやりたいことがわからない人に向けて最後にメッセージをいただけますか。
赤楚 僕もそうだからわかるんですけど、こういうのってやりたいことがまったく浮かばない状態になると本当に難しいんですよね。でも、それこそ今、筋トレというワードが挙がったみたいに、1個シナプスができると広がっていくものだと思うので、この映画を観てみるのもひとつのきっかけになるかも。映画を観て、「これ、面白そうだな」と思うものにトライしてみるだけで、自分の毎日がガラッと変わったりする。そのきっかけづくりにしてもらえたらうれしいです。
取材・文:横川良明 撮影:奥田耕平 ヘアメイク/(赤楚さん)石川尋美(白石さん)PON(柳さん)速水昭仁(CHUUNi)、スタイリング/(赤楚さん)壽村 太一(白石さん)鬼束香奈子、(柳さん)伊藤省吾 (sitor)、衣装協力/(白石さん)ジャケット・ワンピース KANAKO SAKA、ジュエリー Pomellato
<作品情報>
Netflix映画『ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜』
Netflixにて独占配信中
(C)麻生羽呂・高田康太郎・小学館/ROBOT
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