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伊藤沙莉、木竜麻生、広瀬アリス、吉田羊が加藤拓也の新作「ほつれる」を推薦

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「ほつれる」ポスタービジュアル

門脇麦が主演を務める映画「ほつれる」より著名人の推薦コメントが到着。監督の加藤拓也がこれまでに手がけた映画やドラマ、舞台に出演してきた伊藤沙莉、木竜麻生、広瀬アリス、吉田羊がコメントを寄せた。

本作は夫との関係が冷え切り、知り合った男性と頻繁に会うようになった女性・綿子を主人公とした物語。しかし恋人の木村は事故で帰らぬ人となってしまい、綿子は変わらぬ日常を過ごしながら、夫や周囲の人々、そして自分自身と向き合っていく。

加藤が脚本を手がけたドラマ「ももさんと7人のパパゲーノ」で主演を務めた伊藤は「気付かなかったり 気付かないふりをしたり あとまわしにしたり そんなことで修復が難しくなる。そうとわかっていても そうなってしまう。だけど、それはとても人間らしい。辞書の『ほつれる』の意味の最後らへんにこの映画を書いてほしい。そのくらいしっくりきた」と吐露。加藤の初長編映画監督作「わたし達はおとな」で主演した木竜は「加藤さんの作品をみると、いつもそこにいるひとの内側が、じわじわとぬるい毒のように沁みてきます、それも自分や自分の隣にいるひとのことのように。言葉で形容し難い感覚を、繊細な言葉たちと演出で立ち上げ、わたしたちに手渡してくれます」と語っている。

ショートフィルム「想い出が悴んでて」で加藤とタッグを組んだ広瀬は、自身の結婚観を明かしながら「満たされない“何か”が自分でちゃんと分かった時、本当の幸せを見つけられるんだと思いました。でもそれはきっと綺麗事では、終わらないこともあったりするはずです。良くも悪くも人間の本質、欲望をシンプルに描いた作品だったと思いました」とコメント。加藤が演出した舞台「ザ・ウェルキン」に出演した吉田は「見て見ぬフリをするのも向き合うのも、どちらも体力がいる。いっそ忘れられたらいいのになぁと、記憶の片隅に追いやっていたあのことを思い出した。あちこちに横たわる饒舌な沈黙とひた走るラストが、胸に迫って印象的」と推薦している。

このほかNON STYLEの石田明、クリープハイプの尾崎世界観、映画文筆家の児玉美月、物書きのSYO、音楽家の環ROY、俳優の戸塚純貴や中田クルミ、作家の山崎ナオコーラによるコメントも到着している。またYouTubeでは、綿子が木村の事故を目撃し通報するも、その場から立ち去る緊迫感あふれるシーンが公開された。

「ほつれる」は、9月8日より東京・新宿ピカデリーほか全国ロードショー。

石田明(NON STYLE)コメント

修復できそうでできないのがほつれ。
時間が経てば経つほどどうすることもなくなるのがほつれ。
人はそのほつれを埋めるために、また新たなほつれを生んでしまう。
人間の弱さと浅はかさと情けなさが詰まりながらも愛おしく思えてしまう作品。
ちなみに僕は彼女が車を運転するシーンがすきだ。彼女の生き方全てを表しているようで…。

伊藤沙莉(俳優)コメント

気付かなかったり
気付かないふりをしたり
あとまわしにしたり
そんなことで修復が難しくなる。
そうとわかっていても
そうなってしまう。
だけど、それはとても人間らしい。
辞書の「ほつれる」の意味の
最後らへんにこの映画を書いてほしい。
そのくらいしっくりきた。

尾崎世界観(クリープハイプ)コメント

誰かがやってるテトリスの、ゲームオーバー直前の悪あがきを観てるみたい。
綿子が追い詰められていくのを他人事だと思っていたら、ブロックみたいに、今の自分にピタリとはまった。
こんなにもザラザラした物語で埋まる自分の心が怖い。

木竜麻生(俳優)コメント

静かに、ゆっくりと、でも凄い速さで揺らいでいく。
加藤さんの作品をみると、いつもそこにいるひとの内側が、
じわじわとぬるい毒のように沁みてきます、それも自分や自分の隣にいるひとのことのように。
言葉で形容し難い感覚を、繊細な言葉たちと演出で立ち上げ、わたしたちに手渡してくれます。

児玉美月(映画文筆家)コメント

加藤拓也監督は、すでに確固たる自らの映像表現を築き上げた。
この現実世界に存する人間の感情と会話が“生”のままスクリーンに投げ出されてもたらされる異化に、創造的果実が十全と実っている。

SYO(物書き)コメント

日常ですれ違う、澄ました顔とスカした態度の富裕層。
身につける服も、暮らす空間も洗練されている勝ち組。
本作はかれらの痛々しく空疎な心を解剖し、公開する。
それを見て哂う自分も大概ほつれてる。もう繕えない。

環ROY(音楽家)コメント

コミュニケーションという観念には、軋轢や衝突が内包されている。むしろ軋轢や衝突こそがコミュニケーションの核心なのかもしれない。コミュニケーションによって見出されたほつれを、断続的に改修し続けることが、密接な人間関係には不可欠だ。このことを心に刻み、覇気を持って生きていきたいと感じた。

戸塚純貴(俳優)コメント

加藤拓也が書く日常は、いつももはやしずかではない。
この映画の登場人物の誰にもなりたくはないが、どこか全員に共感はできる。
会話は軽快でも切ない、そんな現実と洞察の生々しさが憎らしい。

長井短(演劇モデル)コメント

愛するってことを自分自身に誓った時、心の中に玉結びができる。ほどけほつれてしまわないように、何度も何度も玉結びをするうちに、その玉は愛するに充分な大きさになってしまって、だからもっと玉結び。あなたを愛する分だけ大きくなってしまう玉を、私たちどうしたらいいんだろうね綿子さん。

中田クルミ(俳優)コメント

ふとした言葉や目線のひとつひとつによって、
人々の人生は簡単にほつれたり解けたりしてゆく。

生活の中にあるリアルな言葉を紡ぐ圧倒的な脚本の力、
淡々と過ぎる生活の中の最低限の音楽、
そして俳優を信じている抒情的な画の数々。
加藤拓也さんの世界に浸ることは、自分の人生との対話のような気持ちになる。

広瀬アリス(俳優)コメント

「結婚」が現実的になってきた世代としては、結婚に対して、色々な考えを知ることで選ぶ範囲がさらに縮まってしまう、と思っていました。少し余裕のある生活をしてても、優しい言葉をかけてくれても、思いやりをもって寄り添ってくれても、周りからこれ以上の幸せがなさそうに見えても、満たされない“何か”が自分でちゃんと分かった時、本当の幸せを見つけられるんだと思いました。でもそれはきっと綺麗事では、終わらないこともあったりするはずです。良くも悪くも人間の本質、欲望をシンプルに描いた作品だったと思いました。

山崎ナオコーラ(作家)コメント

その場、その場、をなんとかすり抜けて生きていって、あふれる後悔をどうしたらいいのか。人間の浅さと深さをつまびらかにする。

吉田羊(俳優)コメント

見て見ぬフリをするのも向き合うのも、どちらも体力がいる。
いっそ忘れられたらいいのになぁと、記憶の片隅に追いやっていたあのことを思い出した。あちこちに横たわる饒舌な沈黙とひた走るラストが、胸に迫って印象的。

(c)2023「ほつれる」製作委員会&COMME DES CINÉMAS