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渋谷区立松濤美術館を設計した白井晟一の世界を「本歌」とした展示も『杉本博司 本歌取り 東下り』展9月16日より開催

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杉本博司 《カリフォルニア・コンドル》 1994年 作家蔵 ©Hiroshi Sugimoto

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2023年9月16日(土)より、渋谷区立松濤美術館では、『杉本博司 本歌取り 東下り』展が開催される。西国・姫路で始まった杉本博司(1948-)の『杉本博司 本歌取り―日本文化の伝承と飛翔』展が、東国・東京で開催されることから、『東下り』と題された美術展だ。

そもそも「本歌取り」とは、有名な和歌の一部に、時代精神やオリジナリティを加えて新たな作品をつくる和歌の制作技法のことをいう。杉本は、日本文化の本質的営みを「本歌取り」と捉え、自身の作品に援用してきた。

サンフランシスコの自然史美術館のジオラマ写真で、中国宋時代の画家・牧谿による水墨画の世界を再構築した《カリフォルニア・コンドル》などはその代表例だが、今回は「東下り」という同展ならではの新作《富士山図屏風》の初公開も。こちらは「赤富士」の別名で知られる葛飾北斎の《冨嶽三十六景 凱風快晴》を本歌とした作品で、東国への旅の途中に誰もが目にする富士山を、赤富士が描かれたと推測される山梨県の三つ峠から写真に捉えた、雄大にして厳かな作品だ。

その他、文字の起源や意味の考察として、写真暗室で、印画紙の上に現像液や定着液に浸した筆で文字を書いたシリーズ「Brush Impression」や、同展の舞台・渋谷区立松濤美術館を設計した白井晟一(1905-1983)の世界を「本歌」とした展示も実現。

さらに、主人に猛毒だと言われた「附子」(実際は砂糖)を食べ尽くしてしまった太郎冠者と次郎冠者が言い訳のために、主人の掛け軸や茶碗を壊し、「死んで詫びようと附子を食べたが死ねない」と泣く狂言演目『附子(ぶす)』の本歌として、それまで公開される機会の少なかった、8mを超える絵巻の全9場面で構成される《法師物語絵巻》全場面を一挙公開。また、杉本が『附子』の本歌と捉えた《法師物語絵巻》中の「死に薬」の場面は、11月9日(木)、渋谷区文化総合センター大和田4Fのさくらホールにて、杉本博司独自の解釈による『死に薬~「附子」より』として上演される。(出演:野村万作、野村裕基ほか)。

この他、杉本博司のスペシャルトークや記念講演会、館内建築ツアーなど、様々なイベントが開催されるので、詳細は美術館ホームページで確認を。

<開催情報>
『杉本博司 本歌取り 東下り』

会期:2023年9月16日(土)~2023年11月12日(日) ※会期中展示替えあり
会場:渋谷区立松濤美術館
時間:10:00~18:00、金曜は20:00まで(入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜 (9月18日、10月9日は開館)、9月19日(火)、10月10日(火)
料金:一般1,000円、大学800円、 高校・60歳以上500円、中小100円
※土日祝は中小無料、金曜は渋谷区民無料
美術館公式サイト:
https://shoto-museum.jp

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