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稽古場にお坊さんたち、田村孝裕が作・演出手がけるゴツプロ!「イノレバカ」まもなく

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ゴツプロ! 第8回公演「イノレバカ」稽古の様子。

田村孝裕が作・演出を手がける、ゴツプロ!の新作「イノレバカ」が8月30日に開幕する。それに先がけ、ステージナタリーでは開幕直前の、稽古の様子を取材した。

稽古場の扉を開けると、どっと大きな笑い声があふれ出した。那須凜演じる大酒飲みのメロが、窪塚俊介演じる泉川を相手に、浴びるように酒を飲みながらしゃべり続けるシーンで、那須の豪快さとエネルギッシュさに稽古場にいる誰もが声を上げて笑っていた。その中には、田村と共にお坊さんたちの姿が。しかしその顔をよく見ると……お坊さんはゴツプロ!の面々だ。青々と剃り上げられた頭に、色とりどりの作務衣がよく似合う。彼らにまったく違和感を感じなかったのは、稽古場の中がすでにお寺のような空間になっていたからかもしれない。物語は、この太い柱に囲われた畳敷の大部屋を中心に展開していく。

物語の舞台は、田中真弓演じる志雲が住職を務める、田舎町のとある寺。そこには、元“反社”、元実業家、元ミュージシャン、元ホームレスなど、世間に恨みを持ったワケアリな人たちが集まってくる。志雲は彼らの話を静かに受け止め、その恨みを祈りで鎮めるように、と諭す。そんな志雲を、塚原大助演じる竜一、浜谷康幸演じる功、佐藤正和演じる周平、44北川演じる源太といった“弟子たち”や、寺のトレーナー・友野(古山憲太郎)は大切に思っているが、ある日、志雲が認知症であることがわかる。そして疎遠だった実の息子(泉知束)が寺にやって来るのだが、ちょうどそのとき、メロが寺に逃げ込んで来て……。

田中は志雲を、話を聞くのもするのも上手で笑顔がチャーミングな、包容力ある人物として立ち上げる。そんな志雲を慕う弟子たちもまたチャーミングで、彼らが右往左往しながら志雲のため、寺のために奮闘する姿には思わず笑みがこぼれる。一方、メロを追って寺にやってくる半グレ集団のボス・阿久津(渡邊聡)らは、“煩悩そのもの”といった荒々しさで場を掻き回すが、彼らのやり取りもまたコミカルで憎めない。

それぞれの状況は切実で複雑だが、全編を通して笑いが絶えず、ゴツプロ!らしいパワフルさで物語が進んでいく。彼らが行き着く先とは、そしてタイトルに込められた思いとは……。ゴツプロ! 「イノレバカ」は8月30日から9月10日まで、東京・本多劇場にて上演される。

ゴツプロ! 第8回公演「イノレバカ」

2023年8月30日(水)~9月10日(日)
東京都 本多劇場

作・演出:田村孝裕
出演:塚原大助、浜谷康幸、佐藤正和、泉知束、渡邊聡、44北川 / 汀紗、福嶋浩康、大久保雛、高山陽平、尾崎大陸 / 窪塚俊介、那須凜、古山憲太郎 / 田中真弓