サリー・ホーキンスが英国王室の歴史を覆した実在のシングルマザーを好演『ロスト・キング 500年越しの運命』
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イラストレーション:高松啓二
映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。
【水先案内人 高松啓二のおススメ】
Now is the winter・・・。シェークスピア『リチャード三世』のセリフである。『グッバイガール』でリチャード・ドレイファスが何度も言うので覚えてしまった。
リチャード三世は演劇の影響で冷酷で醜い王として知られている。それに疑問を思ったのが普通のシングルマザー、フィリッパ・ラングレー。実話である。彼女もリチャード三世と同じ病気を持っていたのでシンパシーを感じていた。最初は軽い気持ちで歴史を調べるが、どんどんとのめり込み、長年謎だったリチャード三世の墓を発掘するまでになる。そして彼女の功績で王としての名誉は回復されるが、大学側の権威に黙殺されてしまう。
ところどころでリチャード三世本人が現れ、彼女に言葉少なめに訴え、時を超えたロマンス作にもなっている。オープニングタイトルがヒッチコックの『北北西に進路をとれ』のソール・バス風デザインにはニヤリとさせられた。歴女の想いは歴史を変える。好きって素晴らしい!
<作品情報>
『ロスト・キング 500年越しの運命』
9月22日(金) 公開
監督:スティーブン・フリアーズ
脚本:スティーブ・クーガン、ジェフ・ポープ
出演:サリー・ホーキンス、スティーヴ・クーガン、ハリー・ロイド、マーク・アディ
公式サイト:
https://culture-pub.jp/lostking/