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「この役をやらせてもらえないと、次に進めない」 舞台『剥愛』上演へ

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左から)山田佳奈、さとうほなみ   撮影:源賀津己

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脚本家・演出家の山田佳奈が主宰する劇団・□字ックによる新作公演『剥愛』が2023年11月10日(金)からシアタートラムで上演される。

山田による3年ぶりの書き下ろしで、片田舎の集落にある剥製師の工房が舞台となっており、正義の在り方が多面的であり、他者の正義を糾弾するという現在の社会に垣間見える問題を反映し、愛情のゆがみ、欲望、人が過ちを犯していくまでを丁寧に描く作品だという。

本作の着想を得た経緯について、山田は言う。
「ビジュアル撮影のときに、ユニークさをプラスしたくて剥製を借りたことがありました。鶏の剥製を修復しているところも見せてもらって、剥製師の人が『僕たちの仕事は命をもう1回与える仕事なんです』と話していて。それが衝撃的で、自分のメモリーに引っ掛かってしまった。それ以来、剥製師の物語を書きたいとずっと温めてきました」。

今回、主人公の千田菜月役を演じるのは、4人組バンド「ゲスの極み乙女」のドラマーで、俳優としても活動の幅を広げている、さとうほなみ。
さとうは「プロットの段階からぐっとエグられて、しばらく立ち上がれませんでした。なつきの考えていることや境遇に共感することも多かったし、この役をやらせてもらえないと、私は次に進めないとすら思った」と出演に対して強い思いを持っていた。

そんなさとうについて、山田は「いつかご一緒できたらと思っていた」と明かし、「私は生きてきた過程や今の生き方にフラストレーションを抱えている人を描きたがってしまう。今回の菜月もそう。それに呼応する人がいいなと思っていたら、さとうさんと有難いかたちでご縁が繋がって。タイミングがよかったです」。

アーティストでありながら、俳優としてのキャリアを積むさとうだが、本人は「ただ自分がやりたいことをやっているだけ」で、棲み分けをしているわけではないらしい。

「ライブもお芝居もやらなくてはいけないことは決まっているんだけど、そのときの感情で動けたらなと思っています」と言い、「舞台は相手がいて、そこで生まれるものがある。それが楽しいですよね」とも。

観客へのメッセージとして、さとうは、「私自身久しぶりの会話劇で、すごく楽しみです。自分がモロにエグられている作品なので、お客さんにも何かを感じ取ってもらえたら」と言い、山田は、「自分の生活や生きづらさと強制的に向き合わされるのが舞台だと思うんです。お金を払ってまで辛い思いをしたくないと考える方もいるかもしれませんが......私はこれからも作品を作る意義を考えながら、しっかりしたものを届けていきたいです」と語った。

東京公演は2023年11月19日(日)まで。その後、愛知(穂の国とよはし芸術劇場 PLAT アートスペース)、大阪(扇町ミュージアムキューブCUBE01)で上演される。

取材・文:五月女菜穂  撮影:源賀津己

<公演情報>
□字ック第十五回本公演『剥愛』

脚本・演出:山田佳奈

出演:
さとうほなみ 瀬戸さおり 山中聡 岩男海史 柿丸美智恵 吉見一豊

【東京公演】
2023年11月10日(金)~ 2023年11月19日(日)
会場:シアタートラム

【愛知公演】
2023年11月22日(水)・23日(木・祝)
会場:穂の国とよはし芸術劇場 PLAT アートスペース

【大阪公演】
2023年11月25日(土)・26日(日)
会場:扇町ミュージアムキューブCUBE01

チケット情報
https://w.pia.jp/t/roji9-hakuai/

公式サイト
http://www.roji649.com/

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