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怪異な説話を題材にした《長谷雄草紙》ほか同館の絵巻コレクションを大公開『秘蔵!重要文化財「長谷雄草紙」全巻公開』10月7日より開催

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重要文化財《長谷雄草紙》(部分)、鎌倉~南北朝時代(13~14世紀)、永青文庫蔵

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文京区目白台に位置する永青文庫では、10月7日(土)より『秘蔵!重要文化財「長谷雄草紙」全巻公開―永青文庫の絵巻コレクション―』展が開催される。文字通り、永青文庫が所蔵する重要文化財『長谷雄草紙(はせおぞうし)』(鎌倉~南北朝時代、13~14世紀)を、初めて全巻一挙公開する展覧会だ。

《長谷雄草紙》は、平安時代の漢学者・紀長谷雄(きのはせお)にまつわる怪異な説話を題材とした絵巻物。江戸時代に徳川将軍家の宝物として秘蔵されていたが、幕末維新期の混乱で長らく所在不明となり、昭和に入って、永青文庫の設立者・細川護立(もりたつ・1883~1970)の所蔵となった。

ストーリーは、鬼との双六争いに勝利して美女を得た長谷雄が、約束を破って100日待たずに彼女に触れてしまったために、美女は水となって流れてしまう。長谷雄は怒った鬼に襲われるが、北野天神の御利益で事なきを得た、というものだ。絵巻には、双六を振る音が線で表される。に効果線が使われるなど、今日のアニメや漫画に通じる表現が見受けられるのも興味深い。

この《長谷雄草紙》を中心に、かつて熊本藩士の大矢野家に伝来した《蒙古襲来絵詞》(国宝、宮内庁三の丸尚蔵館蔵、鎌倉時代〈13世紀〉)の模本や白描本(はくびょうぼん)、また南北朝時代に成立した稚児物語の秀作《秋夜長物語絵巻》(室町時代、16世紀)、中国の小説を原拠とした《申陽洞記絵巻》(江戸時代、17世紀)など、同館の絵巻コレクションの数々を紹介。

さらに全83冊という、奈良絵本として最大の冊数を誇る《絵入太平記》も公開される。奈良絵本とは室町時代後期から江戸時代中期にかけて制作された彩色絵入り写本のことで、永青文庫の《絵入太平記》は、軍記物語『太平記』を奈良絵本化した現存唯一の作品。挿絵も金泥や金箔を用いた、極めて豪華な逸品だ。

記念講演会や、隣接する肥後細川庭園での秋の紅葉ライトアップなど、関連企画や周辺情報の詳細は美術館ホームページで確認を。

<開催情報>
秋季展『秘蔵!重要文化財「長谷雄草紙」全巻公開―永青文庫の絵巻コレクション―』

会期:2023年10月7日(土)~12月3日(日)
会場:永青文庫
時間:10:00~16:30 (入館は16:00まで)
休館日:月曜(10月9日は開館)、10月10日(火)
料金:一般1,000円、70歳以上800円、大高500円
公式サイト:
https://www.eiseibunko.com

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