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日本の中心、東京の中心、丸の内に新たな映画祭が誕生!

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ビジネスだけでなく、文化や食、ファッションなどが集まる日本の中心地、東京・丸の内で新たな映画祭「丸の内映画祭」がスタートする。丸の内は東京の中心に位置するだけでなく、海外の旅行客やゲストを出迎える東京の“玄関口”でもあり、江戸の時代から続く伝統と、世界水準の最新文化・テクノロジーが同居する唯一無二のエリアでもある。

この場所で新たに始まる映画祭は、世界で活躍する映画人と映画の未来を担う若い才能が出会い、歴史に残る名作、最新作を“新たな視点”で堪能できるプログラムが揃った。旅行で、日々の仕事で、買い物に出かけていた丸の内エリアが、映画を通じて新しい顔を見せる3日間になりそうだ。

最新作の日本公開も! 巨匠ヴェンダースを多角的にひも解く

ロードムービーの第一人者、ヴィム・ヴェンダース監督とは?

写真:Guardian/Eyevine/アフロ

本映画祭の記念すべき第1回目は、同時期に開催中の第36回東京国際映画祭で審査委員長も務める巨匠ヴィム・ヴェンダース監督を特集する。

ヴィム・ヴェンダースは1945年生まれのドイツの映画監督。1970年に長編映画デビューを果たし、主人公が旅するさまを描く“ロードムービー”を次々に手がけて国際的な評価を高めていく。1984年にアメリカを舞台にしたロードムービー『パリ、テキサス』でカンヌ国際映画祭の最高賞パルム・ドールを受賞。1987年に発表した『ベルリン・天使の詩』が各国で大ヒットを記録。日本では30週以上にもわたって上映が続いた。

その後も精力的に作品を発表し、劇映画だけでなく、『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』や『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』などドキュメンタリーも数多く発表。日本が世界に誇る巨匠・小津安二郎を敬愛しており、2022年には第33回高松宮殿下記念世界文化賞を受賞。日本との縁の深い映画作家で、最新作『PERFECT DAYS』も日本が舞台の作品で、主演の役所広司が第76回カンヌ国際映画祭で男優賞に輝いた。

『PERFECT DAYS』12月22日公開
(C)2023 MASTER MIND Ltd.
2023年5月、カンヌ国際映画祭でのヴェンダースと役所広司
Photo:AFLO

ヴェンダース監督はそのキャリアを通じて、旅や何かしらの移動を扱った作品を数多く手がけており、ロードムービーの第一人者と紹介されることが多い。つまりそれは、国から国、地域から地域、ある文化から別の文化への“越境”と“異なるものたちの出会い”を描いているということだ。私たちはみな住んでいる場所も文化も育ってきた歴史も文化も異なる。そんな人々が移動し、越境し、新たなドラマが生まれる。本映画祭でヴェンダース監督の名作たちをあらためて観ることで、彼が描いてきた旅と、そのメッセージを堪能できるはずだ。

丸の内映画祭で上映される作品はどんな作品?

今回上映されるヴェンダース作品は4作品。『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』は、2009年にこの世を去った天才舞踏家ピナ・バウシュの軌跡を描いたドキュメンタリー。劇場を飛び出し、都市を舞台に繰り広げられるダンサーたちのパフォーマンスは圧巻! 躍動する身体とそこに宿る想いが、街の風景と交差する。日本を代表する都市・丸の内で観たい1作といえるだろう。

1995年発表の『リスボン物語』は、映画誕生100年を記念して製作された作品。映画監督の友人に招かれて、ポルトガルのリスボンにやってきた録音技師が“街の音”を記録しながら、友人の行方を探す物語が描かれる。ここでもヴェンダース監督が追い続けてきた“旅のドラマ”が描かれ、さらには“映画の誕生”を祝福するかのような感動的なラストが待っている。

小津安二郎を敬愛してきたヴェンダース監督はキャリアの中で繰り返し小津作品への愛を表明しているが、『東京画』は、小津監督の描いた“東京”を求めて、1983年の東京の風景を撮ったドキュメンタリーだ。なお、本作の上映後にはドイツからヴェンダース研究者を迎え、特別講義「小津安二郎とヴィム・ヴェンダース」も行われる(入場無料)。

なお、『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』『リスボン物語』の2作品は配信もされておらず、スクリーンで堪能することができるのは本映画祭のみとなる。この貴重な機会をお見逃しなく!

ヴェンダースの世界に強く共鳴した若手監督の対談も!

さらに10月30日(月)には、ヴェンダース作品を愛し、共鳴する若手映画人が登場し、両監督の作品上映とトークが行われる。

上映されるヴェンダース作品は『夢の涯てまでも』ディレクターズカット 4Kレストア版。地球の滅亡が近づく中で、あてもなく旅立った主人公は、世界を旅しながら、その風景を映像におさめようとする。フランス、ドイツ、日本など世界各地でロケ撮影が行われた壮大な作品で、詩情豊かな映像、追跡劇、SF的な設定、そして小津作品への深い愛情が結晶化された287分の超大作だ。

そして新鋭・工藤梨穂監督の長編『裸足で鳴らしてみせろ』も上映され、工藤監督とゲスト・岸井ゆきのによる対談イベントも開催。若手監督たちはヴェンダース作品をどう観ているのか? どこに共鳴しているのか? 映画ファン必見の1日になる。

©NEUE ROAD MOVIES GmbH ,photograph by Donata Wenders

『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』
2011年/ドイツ・フランス・イギリス/104分
監督・脚本:ヴィム・ヴェンダース
出演:ピナ・バウシュ、ヴッパタール舞踏団ダンサー

10月29日(日)12:00~

ゲスト決定! ピナ・バウシュ、ヴェンダース共通の友人、作曲家・三宅純が登壇

『Pina/ ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』に主要楽曲を提供し、ヴィム・ヴェンダース監督とも親交の深い音楽家、三宅純氏によるアフタートークが決定。

(c)十文字美信

三宅純 プロフィール
1958年生まれ。作曲家、編曲家、ジャズ・トランぺッターとしても活躍。CM 、映画、ドキュメンタリー、舞台、コンテンポラリー・ダンス等多くの作品を手掛ける。国際的ダンサー、田中泯氏を撮ったヴェンダース監督の短編映画『Some Body ComesInto the Light 』の音楽も担当している。(同作は10月26日(木)に東京国際映画祭で上映)

©Wim Wenders Stiftung 2015

『リスボン物語』4Kレストア版
1995年/ドイツ・ポルトガル/104分
監督・脚本:ヴィム・ヴェンダース
出演:リュディガー・フォグラー、パトリック・ボーショー、マノエル・ド・オリヴェイラ

10月29日(日)14:30~

©Wim Wenders Stiftung 2014

『東京画』 2Kレストア版
1985年/西ドイツ・アメリカ/92分
監督:ヴィム・ヴェンダース
撮影:エドワード・ラックマン
出演:笠智衆、厚田雄春、ヴェルナー・ヘルツォーク、クリス・マルケル

10月29日(日)17:00~

©Wim Wenders Stiftung 2015

『夢の涯てまでも』 ディレクターズカット4Kレストア版
1994年/ドイツ・フランス・オーストラリア/287分
監督:ヴィム・ヴェンダース
出演:ウィリアム・ハート、ソルヴェイグ・ドマルタン、笠智衆

10月30日(月)12:00~ ※『裸足で鳴らしてみせろ』と2本立て

©PFFパートナーズ=ぴあ、ホリプロ、日活/一般社団法人PFF

『裸足で鳴らしてみせろ』
2021年/日本/128分
監督・脚本:工藤梨穂
出演:佐々木詩音、諏訪珠理、風吹ジュン

10月30日(月)12:00~ ※『夢の涯てまでも』と2本立て

ゲスト決定! 工藤梨穂(監督)×ゲスト:岸井ゆきの(俳優)対談

≪工藤監督よりコメント≫
昨年、初めて『夢の涯てまでも』を観て、自身が追い求めるようなその世界観の中で繰り広げられる彼らの旅路に心を鷲掴みにされ、私はヴェンダースのロマンに深く共感していました。拙作『裸足で鳴らしてみせろ』は『夢の涯てまでも』と全く別の世界線に存在する物語ですが、こうしてふたつの旅が交わる奇跡的な上映の機会を心から光栄に思っています。同世代の映画人をお迎えしたトークもぜひ楽しんでください。

工藤梨穂
岸井ゆきの

ドイツのヴェンダース研究家のスペシャルレクチャー! 『ある男』監督との対談も!

ドイツのバンベルク大学教授でヴィム・ヴェンダース研究家として国際的に知られているイェルン・グラーゼナップ教授が本企画のために来日。『東京画』の上映後に、ヴェンダースと小津、2 人の巨匠の関わりについて特別講義を実施する(企画:ドイツ連邦共和国大使館、ゲーテ・インスティトゥート東京)。また、特別講義の後には、『ある男』で日本アカデミー賞を受賞した石川慶監督との対談が行われることが決定!

イェルン・グラーゼナップ JÖRN GLASENAPP プロフィール
1970年生まれ。ゲッティンゲンでドイツ文学、アメリカ文学、英文学を学ぶ。1999年博士号取得、2006年教授資格取得。2010年以降、バンベルクのオットー・フリードリッヒ大学にて文学・メディア研究の教鞭をとる。映画、写真、文化理論を専門に研究。また、ヴィム・ヴェンダース監督の映画作品に関する研究を継続的に行い、ロードムービー『パリ・テキサス』や、ヴェンダース監督の初期作品などについて、様々なエッセイや本を出版している。

(c)privat

石川慶 プロフィール
1977年生まれ。ポーランド国立映画大学で演出を学ぶ。『愚行録』(17)、『蜜蜂と遠雷』(19)、『Arc アーク』(21)などで注目を浴び、昨年公開された『ある男』は、日本アカデミー賞最優秀作品賞を含む最多8冠を受賞した。

日本映画界で最も注目を集める存在、今泉力哉が創作の秘密を語る!

話題作が目白押し! 今泉力哉監督とは?

Photo:AFLO

次から次へと話題作を発表し、いま映画ファンが最も動向を注目している映画監督のひとり、それが今泉力哉監督だ。

自主制作映画の数々が目利きの映画ファンの間で好評を集め、2010年に監督デビュー。『サッドティー』や『パンとバスと2度目のハツコイ』など注目作を数多く手がけ、2019年公開の『愛がなんだ』が大ヒットを記録した。その後も松坂桃李が主演を務めた『あの頃。』や、稲垣吾郎主演作『窓辺にて』など話題作を数多く手がけている。

初期の今泉作品の多くは“ダメ恋愛”を描いていることが多いと言われてきた。二股の恋愛を続けている男や、まじめすぎるために恋愛がうまくいかない女性、居場所のない男女……重要なのは、今泉作品に登場するキャラクターたちはみんなダメだが、必ず冒頭に”愛すべき”と付けたくなることだ。人は間違うし、迷うし、誘惑に負けるときもある。不運に見舞われることもあり、他人に言えないこともある……今泉監督はそんな人物を断罪したり、物語のコマにすることなく愛情を持って描いていく。

映画が終わるときには、スクリーンの中にいる人のことが好きになっている。自分とは違う部分もあるし、許せないところもあるけど、なぜか一緒に生きていこうと思える。今泉作品が描く“キレイごとじゃない愛の風景”が多くの人を魅了しているのだろう。

丸の内映画祭で上映される作品はどんな作品?

本作で、今泉監督が自らセレクトしたのは、自作『ちひろさん』と、橋口亮輔監督が2001年に手がけた傑作『ハッシュ!』だ。

『ちひろさん』は、海辺の町を舞台に、元風俗嬢という過去を隠すことなく弁当屋で働いている女性・ちひろさん(有村架純)と、彼女の周囲の人々の姿を描いた作品。彼女と出会う人々はみな悩みを抱え、秘密を持ち、本音も言えない。しかし、彼らとちひろさんの出会いが町の人々、そしてちひろさんをも変えていく。今泉作品が描いてきた多彩で奥行きのあるキャラクター描写が光る傑作で、今、本作をスクリーンで観ることができるのは本映画祭だけという貴重な上映となる。

そして『ハッシュ!』もまた、愛さずにはいられない、登場人物たちを好きになってしまう1作だ。今泉監督は、本映画祭のオファーを受け「すぐに『ちひろさん』と橋口亮輔監督の『ハッシュ!』の2本立てにしたいと思いました。2本続けて観たら、明確に2つのシーンの類似に気づくと思います」と語る。

交際を始めたばかりのゲイのカップルと出会った孤独な女性。彼女が子ども欲しさにカップルに精子提供を求めたことから、それぞれの想いが交錯していく。登場人物3人それぞれが悩みや孤独と向き合い、そこに“家族”の問題が浮かび上がってくる。田辺誠一、高橋和也、片岡礼子のアンサンブルの妙と、細部まで丁寧に演出された演技が心に響く。

今泉監督が「観ておいてよかった」と語る傑作をぜひスクリーンで楽しんでほしい。

今泉監督のビデオトークも!

当日は、今泉監督のビデオトークも予定されている。映画祭開催時には最新作『アンダーカレント』が公開中で、早くも次回作に着手しているという今泉監督が、この日に集まった観客だけに“創作の秘密”を語る予定だ。

また、『ハッシュ!』と自作『ちひろさん』についてのコメントや、監督だけが知る両作の“類似点”なども語られる予定になっている。

©2023 Asmic Ace,Inc.  ©安田弘之(秋田書店)2014

『ちひろさん』
2023年/日本/131分
監督:今泉力哉
出演:有村架純、豊嶋花、嶋田鉄太

10月28日(土)15:00~ ※『ハッシュ!』と2本立て

『ハッシュ!』
2001年/日本/135分
監督・原作・脚本:橋口亮輔
出演:田辺誠一、高橋和也、片岡礼子

10月28日(土)15:00~ ※『ちひろさん』と2本立て

『ハッシュ!』と『ちひろさん』をつなぐ秘密。今泉力哉監督メッセージ動画が到着

この度公開された今泉監督のメッセージ動画では、「『ちひろさん』は『ハッシュ!』に影響を受けたところ、真似した部分もありまして、2 作品上映して創作の秘密を話したいと思います」と意欲を明かし、また、ヴェンダース監督については、「僕の『街の上で』という作品の中で、ヴェンダース作品について語っていまして、いつか、ヴェンダース監督に見てもらえたら、と思っています」と告白する場面も。映画祭当日のビデオトークでは、今泉監督が両作の関連性と創作秘話を深掘りして語る予定だ。

第1回丸の内映画祭
会期:10月28日(土)・29日(日)・30日(月)
会場:丸ビルホール

10月28日(土)
15:00~ 『ハッシュ!』『ちひろさん』2本立て
19:45~ 今泉力哉監督ビデオトーク

10月29日(日)
12:00~ 『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』
14:30~ 『リスボン物語』
17:00~ 『東京画』
18:45~ 「小津安二郎とヴィム・ヴェンダース」特別講義

10月30日(月)
12:00~ 『夢の涯てまでも』ディレクターズカット4Kレストア版、『裸足で鳴らしてみせろ』2本立て
19:10~ 工藤梨穂監督+岸井ゆきの対談

チケット
『ハッシュ!』『ちひろさん』2本立て 一般2200円(税込)、学生1500円(税込)
『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』 一般1600円(税込)、学生1100円(税込)
『リスボン物語』4Kレストア版 一般1600円(税込)、学生1100円(税込)
『東京画』2Kレストア版 一般1600円(税込)、学生1100円(税込)
『夢の涯てまでも』『裸足で鳴らしてみせろ』2本立てて 一般2200円(税込)、学生1500円(税込)

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