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【ライブレポート・後編】「UKFC on the Road 2023」新宿を舞台に完全復活

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[Alexandros] Photo:河本悠貴

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2022年1月に新木場STUDIO COASTが閉館をしたことを受けて、今年から新宿に舞台を移して完全復活した「UKFC on the Road 2023」後編レポート

※ライブレポート前編はこちら

Zepp Shinjuku 17:20 the dadadadys

the dadadadys Photo:河本悠貴

SEの「怪獣のバラード」が響く中、ステージに現れた小池貞利が、「海が見たい、人を愛したい、そんなUKFCにお越しのみなさま、ルールを守って楽しく楽しく遊びましょう。ただ、お行儀よくちゃつまんねえ!」と叫び、「光るまち」で、the dadadadysのライブがスタート。そのエンディングでは、小池、ギターを弾きながら、早くもフロアに背面ダイブする。

「最低と最高、両方更新します!」と叫んでから突入した「ROSSOMAN」は、歌と演奏がどんどん速く激しくなっていく。続く「(許)」では、さらに歌も演奏もどしゃめしゃになり、フロアではクラウドサーフが続出する。

続いて、tetoの頃からライブの軸になってきた「忘れた」が、小池のアコースティック・ギターで始まる。この曲ばかりはオーディエンス、じっと耳を傾けたり、口ずさんだりしているように見えた。

「忘れたくないと一度でも思えた今日に歌います!」という言葉からの「拝啓」で、フロアはまたクラウドサーフの渦に。小池、オーディエンスたちの頭の上に立ち、そのひとりにマイクを持たせて歌う。

その次の曲までの間が、ちょっとだけ空くと、「小池ー!」と、怒号が飛びまくった。そう、男の声も女の声も、「声援」とかではなく、「怒号」と形容したくなる、荒くれた呼び方である。

「まじめでふまじめ、そんなのも楽しいけど、たまにはまじめな方もやります」という言葉から歌に入ったのは「らぶりありてぃ」。天井の止まったままのミラーボールが光り、メンバーみんなのユニゾンで歌われるサビが響き、オーディエンスはヒップホップのように腕を振ってそれに応える。

ラストは「まあ、9月なんでね」という言葉からの「9月になること」。小池が何度もフロアに突入するから、だけではなく、オーディエンスがクラウドサーフしまくるから、だけでもなく、何か、果てしなく危険で、果てしなく美しいものを観た気がした。そして今、そういうものを観れるチャンスは、極めて限られている気もした。

新宿BLAZE 18:00 Age Factory

Age Factory Photo:小杉歩

ノイズのようなギターが響き、ベースとドラムが重なり、しばし爆音が続いたと思ったらフッと音が止まり、清水英介が「Age Factory」と言うと、西口直人のベースが「Party night in summer dream」のイントロを奏で始める。

──という始まり方が、もうどえらくかっこよくて、その瞬間に心をつかまれてしまった(フロアからも悲鳴のような歓声が上がっていた)、そんなAge FactoryがBLAZEの四番手。

「夏を終わらせに来ました。『UKFC』、楽しみましょう」という言葉からの2曲目は「See you in my dream」。ラウドで激しいのにお祭り騒ぎのムードは皆無で、音源より若干テンポを下げてまっすぐ突き進む、Age Factoryの音に呑まれたように、オーディエンスみんな、ステージを凝視している。盛り上がっていない、というのとは違う。フロアはみっちり埋まっているし、前方には踊っている人もいるが、それ以上に、身じろぎもせずに目と耳をステージに集中させている人が多い感じ、というか。

「俺ら楽しいです。UK、すごい好きなレーベルで、呼んでもらえてうれしいです。こうやって参加できるバンドになれたのもうれしいし。来てくれてありがとうございます。最後まで聴いて帰ってください」

という、簡潔に感謝を伝えるMCをはさんで、「夏の曲です。もうこの夏も終わっちゃうけど、まだ歌わしてよな」と、最新曲「向日葵」へ。そうは言うが、「あの夏の終りに 咲いた花のこと」という歌詞が二度出てくる曲なので、むしろジャストなのでは、という気もする。

「OVER」「Feel like shit today」と、『Pure Blue』(2021年リリースの、現時点での最新アルバム)からの2曲を経ての「TONBO」では、「歌」や「叫び」を超えた、まるで「吠え」のような清水英介の歌が、耳にグサグサ突き刺さる。

Age Factoryがラストに持ってきたのは、この日演奏した中で、もっともBPMが遅く、もっとも重く、そしてもっともせつない「nothing anymore」。「TONBO」もそうだが、清水英介の書く歌詞の無常観、たまらないものがある。

ギターのアルペジオで演奏を終え、清水英介が「ありがとうございました」と言った時、歓声や嬌声は一切飛ばなかった。ただ、大きな拍手がBLAZEを満たした。

新宿MARZ 18:00 LAYRUS LOOP

LAYRUS LOOP Photo:エド ソウタ

peanut buttersが急遽キャンセルとなり、2020年に設立された新レーベルhighlightからはこの日唯一の出演となった関西を中心に活動する3ピース、LAYRUS LOOP。JETの「Are You Gonna Be My Girl」にのって、勢いよく飛び出してきたドラムのモトザワソラを皮切りに、ギター/コーラスのムラカミマホ、ベース/ボーカルのオオトシユリヤの順にステージに登場すると、ライブは「スーパーヒーロー」からスタート。軽快なアンサンブルとポップなメロディは、彼女たちがSHISHAMO以降のポピュラリティとインディ感を併せ持ったバンドであることを伝えている。

パンキッシュなショートチューンの「なりたいスター」ではより骨太なロックバンドとしての側面を見せ、SGとマーシャルの組み合わせで男前にギターをかき鳴らすムラカミマホの姿が印象的。「新宿MARZ、まだまだ楽しむ準備できてますか?」と呼びかけての「ハイヒール」は非常にフレッシュで、このステージを心から楽しんでいることが伝わってくるのがいい。

「今日のUKFC、18時に新宿MARZを選んでくれてほんまにありがとうございます」とMCで感謝を伝えると、「なりたいスター」同様に最新EP『ジェットコースター』の収録曲である「きみの抜け殻」では、バンドのムードメーカー的な存在であるモトザワもムラカミとともにコーラスに参加してハモりを聴かせる。

日本で話題になる前に台湾のバイラルチャートにランクインして盛り上がったというエピソードがいかにも新世代らしい「ダンスフロア」を披露。〈ミラーボールが照らし出した 私だけのダンスフロア〉という歌詞通りにミラーボールが輝く中で披露された、このシティポップ的なムードを持つディスコナンバーは、デビュー時からの真部脩一とのコラボレーションの現時点の最良の成果である。

大切な人のことを思い浮かべながら聴いてください」と披露された三連バラード「そばに」では、オオトシがエモーショナルな歌声でオーディエンスをグッと引き込む。2019年に結成されたLAYRUS LOOPはコロナ禍の影響もあり、まだライブの本数自体はそんなに多くはないはず。しかし、オオトシの歌にはすでに十分な説得力があり、それがサブスクでのヒットにもつながったであろうことが、彼女の声を実際に生で聴いて確認できた。ラストは歌詞の着眼点のユニークさが光る「二百円玉」を届けて、UKFCでの初ライブが終了。まずは同世代、さらにはより幅広い世代からの支持も集めるだけの資質を持っているバンドだと思う。

Zepp Shinjuku 18:40 Helsinki Lambda Club

Helsinki Lambda Club Photo:河本悠貴

リハーサルに橋本薫を連れ込んで「シンセミア」をカバーしたthe dadadadysへのお返しと言わんばかりに、リハーサルに小池貞利を連れ込んで「高層ビルと人工衛星」を披露して、早くも大盛り上がりのZepp Shinjuku。2021年に新木場STUDIO COASTでの単独公演を成功させ、2022年にはフジロックへの出演を果たし、今年結成10周年を迎えたHelsinki Lambda Club。「UKFC on the Road 2023」は、メインステージにトリ前での出演だ。

改めてメンバーがステージに姿を現し、橋本が「さっきもめっちゃ汗かいたけど、ここから本番よろしくお願いします」と声をかけて、「スピード」から勢いよくライブがスタート。熊谷太起の癖のあるギターフレーズが何とも「らしい」ナンバーから、パンキッシュな「ミツビシ・マキアート」を畳み掛けると、the dadadadysとの相乗効果もあってかフロアはかなりの盛り上がりに。そこから一転、イントロのカッティングの時点でクラップの起こったヴルフペック譲りのミニマルファンク「PIZZASHAKE」は、最新アルバム『ヘルシンキラムダクラブへようこそ』でも提示したバンドの音楽的な多様性を改めて感じさせるとともに、稲葉航大が「みなさん自由に踊ってますか?俺の踊りを見てくれ!」と奇妙なダンスを披露して大歓声が起こる場面も。このユーモアも実にヘルシンキらしい。

MCでは橋本がthe dadadadysにリハに引っ張り出されたことに触れ、「UKFCが祭りだったことを思い出させてくれて感謝してます。何かいいこと言わなきゃとか思ってたけど、そんなことないですね。ただただ楽しんでください」と言いつつ、「UK.PROJECTも世の中も、この10年で変わったもの・変わらないものそれぞれあると思いますけど、大事にしたいものを大事にしていきたい、選んでいきたいなと思う10年目です」と誠実に想いを伝えて、「午時葵」を演奏。Zeppクラスの会場がよく似合うアンセミックなこの曲を聴きながら、UK.PROJECTのオーディションでグランプリを獲得し、初めて出演した2014年のUKFCを思い出して、感慨深い気持ちになったりもした。

意味のある結成10年目のUKFCを締め括ったのは、まだパンデミックの最中にあった2021年に発表された「収穫のシーズン」。橋本が以前「人間の業や欲を肯定も否定もしない温度感の曲」であり「作り終えた後も自分の理解が追いついていない曲」とも綴っているこの曲ではダブワイズな音響空間を作り出し、間奏のヘヴィなユニゾンからサイケデリックなセッションに突入すると、ラストはノイズに包まれてライブが終了。トリ前に相応しい、実に堂々たるステージだった。

新宿BLAZE 19:20 ART-SCHOOL

ART-SCHOOL Photo:小杉歩

ART-SCHOOLがUKFCに帰ってきた。彼らの出演は2016年以来、実に7年ぶり。その間には木下理樹の療養があり、もちろんパンデミックもあった。誰もが苦境に陥っていた。そんな中でも弾き語りやオンラインライブで続けられてきたUKFCが、今年新木場から新宿に場所を移しながらも完全復活を遂げるにあたって、この日の出演者の中ではPOLYSICSと並んでUK.PROJECTの歴史を誰よりも知るART-SCHOOLの存在は必要不可欠。昨年8月からライブ活動を再開させ、今年は東名阪のツアーも成功させた新生ART-SCHOOLは、充実のステージを見せてくれた。

お馴染みの「Girl/Boy Song」 が流れ出し、メンバー5人がステージに登場すると、6月にリリースされたニューアルバム『luminous』でもオープニングを飾っていた「Moonrise Kingdom」からライブがスタート。戸高のファズギターがうなりをあげつつ、まずは5人の呼吸とテンションを合わせるかのようにじっくり曲を届けると、中尾憲太郎があの特徴的な動きでベースを刻み出し、「BOY MEETS GIRL」から一気に演奏が熱を帯びていく。木下は冷静と情熱の間でメロディを紡ぎ、ときおり絞り出すように歌い上げるその声は確かな生命力を感じさせるものだ。

ひさびさの戸高によるボーカルナンバー「Teardrops」は新鮮さも感じつつ、ART-SCHOOLの曲として何ら違和感がない仕上がりで、藤田勇のタイトかつアグレッシブなプレイが抜群に気持ちのいい一曲でもある。そしてもう一人、新生ART-SCHOOLを象徴するのがギタリストのやぎひろみだ。彼女の所属するNITRODAYがデビュー時にNUMBER GIRLと比較されたことを思えば、中尾憲太郎の隣でジャズマスターを弾いてることだけでも何だか不思議な縁を感じるが、立ち姿のかっこよさに加え、「プール」におけるアーム使いやコーラスなど、音楽的な貢献度も非常に高い。近年は90年代風のオルタナティブなサウンドを鳴らす若手も増えつつあり、やぎの存在を通じて下の世代からART-SCHOOLが再発見される未来も期待される。

MCでは木下が「UKFCにひさしぶりに出れてうれしい限りです。各会場も盛り上がってるようで、楽しんで帰ってください。あと何かあるっけ…」とポツポツとしゃべる隣で、戸高が「これが普通です」と加え、木下が「僕はホントに楽しみにしてきたので、みなさんも楽しんで、最後まで…」と話すと、戸高が間髪入れずに「ありがとうございました」と締める、この阿吽の呼吸にはニヤニヤしてしまう。ここからライブは後半戦に突入し、ART-SCHOOL復活を宣言した「Just Kids」から、さらには「スカーレット」を畳み掛ける。木下と戸高が向かい合ってギターを弾く姿はやはりたまらないし、力強いシャウトを聴かせ、フライングVを高く掲げる木下は実に頼もしい。

名曲「FADE TO BLACK」は2019年にASIAN KUNG-FU GENERATION・ELLEGARDEN・ストレイテナーという下北時代からの盟友たちによる「NANA-IRO ELECTRIC TOUR」の全公演でカバーされたことも語り草となっているが、言うまでもなく木下の歌で、ART-SCHOOLの演奏で聴くことが最良だ。そしてこの日ラストに披露されたのは最新アルバムからの「Bug」。〈いつかこんな声が いつかこんな唄が 闇を裂いてく様に そんな事を夢見ていたんだ〉。シューゲイズサウンドに包まれて、闇の隙間から光を見つめる。まさにART-SCHOOLの真骨頂のような一曲で、メモリアルなステージが締め括られた。

鳴り止まない拍手に応えてのアンコールでは「あと10秒で」を演奏。なお、10月15日にZepp DiverCityで開催される「KINOSHITA NIGHT 2023 〜木下理樹生誕祭・SHIGONOSEKAI〜」にはPOLYSICSとともに、こちらもUK.PROJECTの歴史には欠かすことのできない、syrup16gの出演が決定している。

新宿MARZ 19:20 ペルシカリア(2回目)

ペルシカリア Photo:エド ソウタ

MARZのトリは、本日二度目の出演のペルシカリア。一度目の時は、peanut buttersの代打で出てくれと1時間前に急に言われた、とんでもない事務所に入ってしまった、というボーカル&ギター矢口結生のMCから始まったが、今回は「はじめまして ペルシカリアです、どうぞよろしくお願いします」とだけ挨拶し、「新・外苑西通り」でスタートする。心なしか、一回目の時よりも丁寧で精緻な印象。ギター2本が複雑な絡みに耳が奪われる……と思っていたら、そのままなだれこんだ「離愁」で、熱々でどしゃめしゃでラウドな音に戻る。

「本日二回目です。一回目観てくれた人も二回目来てくれた人もありがとうございます」から始まったMCをはさんでの「歓声の先」では、音のラウド化&ハードコア化が、さらに加速。

一回目も二回目も合わせて、この日唯一のバラード的な曲である「いびき」をじっくり聴かせ、MARZが一瞬センチメンタルな空気になる。

が、その曲終わりのMCタイムでは、「マネージャーが、好きなことやっていいよ、って言ったんで」「OKもらったんで」「どんなにお客さんが言ったとてね、もうUKの社内の人がいいって言ったら、それはいいってことなのであって」などと言い合うメンバーたち。

そして、超速ビート&矢口結生叫びまくりの「死ぬほどどうでもいい」を経て、出た、本日四回目の「どうしたって」。そして、本日初めての「ビビって」。あ、ちなみに、一回目も二回目もやったのは、この曲と、「死ぬほどどうでもいい」と「離愁」と「どうしたって」の4曲でした。つまりそれ以外=一回目の6曲と二回目の6曲は、どちらかだけの演奏。

インストを経ての「タイムオーバー」は……というか、どの曲も、オリジナル音源よりも速く激しくなっているが、1コーラスと2コーラスの間で矢口結生、オーディエンスに「悪くないっしょ?」と問いかける。

ラストは、UKプロジェクト以前にリリースした音源から、彼らの最初の名刺になった曲「さよならロングヘアー」。この曲のグッズTシャツを着た男子が、最前列で熱狂している(そういえば彼は一回目もまったく同じ位置にいた)。それ以外のオーディエンスも熱狂している。アウトロで矢口結生、「大トリが待ってるぜ!」と叫んでから曲を締めた。

Zepp Shinjuku 20:00 [Alexandros]

[Alexandros] Photo:河本悠貴

さあ大トリ、[Alexandros]。サウンドチェックで「ワタリドリ」をやって、オーディエンスを喜ばせてから本番。SEが響く中、川上洋平が「Make some noise! 静かにしないでください、もっと騒いで!」とアジテートし、1曲目に入るがテクニカルなトラブルによりストップ。

で、即座に復旧は無理、と判断した川上洋平、「ちょっと曲、変更しますわ。今年うちら夏フェス出まくって、機材ぶっ壊れてるんですよ。いろいろ今日はトラブルあるかもしれませんけど、それさえも楽しませますんで!」。

そして「Dracula La」でスタートしたライブは、まさにその言葉とおりの、トラブルや咄嗟の変更さえ武器にする圧倒的なものだった。

オーディエンス、川上洋平の意のままに、熱狂させられっぱなし。この「Dracula La」でも、続く「Waitress,Waitress!」でも、「Kick&Spin」でも、シンガロングやジャンプやハンドクラップやクラウドサーフが、止まらない。

Photo:河本悠貴

考えてみれば、今年も各地のフェスで、自分たちのファンとは限らない2万人や3万人を相手に、毎週末これをやり続けてきた人たちである。だから、Zepp Shinjukuくらいのキャパで、ホーム中のホームである『UKFC』であれば、余裕なんだろう。とは思うが。にしてもすごい、フロアの温度の高さ。

4曲目では「新曲やっていいですか、俺達の仲間を紹介していいですか?」と、WurtSを呼び込んで、フィーチャリングで彼が参加した「VANILLA SKY (feat. WurtS)」を披露。これも今年、各地の夏フェスで行われてきたコラボである。

Photo:河本悠貴

歌い終えた川上洋平、WurtSに「ほんとにこの夏はありがとう。各地のフェスに出演してくれたんだよね」とお礼を言う。「すべてはここにつながったんじゃないか、と思うくらい、最高の盛り上がりでした」。それから「Girl A」「we are still kids & stray cats」で、さらにフロアを熱狂の坩堝に叩き込む。

メンバーがはけ、川上洋平ひとりで歌った「Adventure」では、彼のアコースティック・ギターに合わせて、オーディエンスがリードボーカルを取る瞬間も。何度目の当たりにしてもグッとくる、この光景は。

曲の後半で戻ってきて、演奏に加わったメンバー3人と川上洋平で、ラストは「city」。無論この曲でも大きなシンガロングが。

Photo:河本悠貴

アンコールでは、曲に入る前に、川上洋平、ちょっと長めにMC。「今日は、実はトップバッターのthe telephonesからずっと観てるんですけど。最高でした」と、出番まで各アクトを観ていたことを明かす。

「13年も一緒につるんでいると、家族みたいな気持ちが芽生えてくる。それをこれから後輩たちにも感じるんだろうなと思う、本当に最高のバンドたちが集まったいい事務所だと思うので、これからもよろしくお願いします」──と挨拶し、「最高の事務所ですよ。そんな事務所に入って最初の曲をやりたいと思います」と「For Freedom」を4人でプレイ。Aメロでのオーディエンスのハンドクラップ、歌と演奏を追い越しそうな勢いである。

「この4人で『UKFC』に出るの、初めてですよね? だから我々、新人の気持ちで今日はやってました」

「メジャーには行きましたけど、マネージメントはインディーズなんで。下北沢に心はあります」

という言葉からのラスト・チューンは「閃光」だった。この日最後の大シンガロングで、2023年の、初めて新宿歌舞伎町の3つのライブハウスで行った『UKFC on the Road』は、終了した。

移動しやすいし、観やすいし、繁華街だから便利。いいじゃん! と個人的には思ったが、残念ながらBLAZEは2024年7月いっぱいでクローズになることが発表されているので、次回もこの形で行うことは不可能。来年の『UKFC on the Road』がどうなるのか、楽しみに待ちたい。

Text:金子厚武(LAYRUS LOOP、Helsinki Lambda Club、ART-SCHOOL)、兵庫慎司(the dadadadys、Age Factory、ペルシカリア(2回目)、[Alexandros])

<公演情報>
UKFC on the Road 2023

9月10日(日) 「Zepp Shinjuku」「Shinjuku BLAZE」「Shinjuku MARZ」3会場開催

『UKFC on the Road 2023』タイムテーブル

出演者:[Alexandros] / Age Factory / Are Square / ART-SCHOOL / Helsinki Lambda Club
LAYRUS LOOP / odol / peanut butters / POLYSICS / the dadadadys / the shes gone / the telephones / WurtS / ペルシカリア

※peanut butters出演キャンセル

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