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土方歳三らと動乱の時代を過ごした異色の浮世絵師・楊洲周延の画業を展観『楊洲周延』展10月7日より開催

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【通期展示】豊原国周、楊洲周延《今様けんし 宮しま船中遊》明治2年(1869)、町田市立国際版画美術館蔵

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幕末から明治末にかけて活躍した浮世絵師・楊洲周延(ようしゅう ちかのぶ/1838-1912)の全体像に迫る展覧会が、10月7日(土)から12月10日(日)まで、東京の町田市立国際版画美術館で開催される。

天保9年、高田藩(現・新潟県上越市)江戸詰の藩士の嫡男として誕生した楊洲周延は、若き日より歌川国芳ら歌川派の絵師に師事して画技を身につけた。だが、幕末の戊辰戦争では、江戸の高田藩士が結成した神木隊(しんぼくたい)の隊員として上野戦争に参戦し、さらに旧幕府軍に加わって、土方歳三らとともに函館戦争を戦う動乱の時代を過ごす。本格的に絵師としての活動を開始したのは40歳となる明治10年頃という、異色の経歴をもつ浮世絵師だ。

刀を絵筆に持ち替えた周延は、写真や石版画といった新たな印刷技術が台頭するなか、多彩な画題に取り組み、大正元年(1912)に亡くなるまでに描いた浮世絵は約2000点にも及ぶという。明治という激動の時代を浮世絵師として生き抜き、描き尽くしたと言えるのだろう。

今回は、明治10年に起こった西南戦争の戦況を伝える「戦争錦絵」の臨場感あふれる描写で絵師としての地盤を固めた初期作品から、東京の名所絵や役者絵、天皇皇后と女官たちを描いた御所絵(ごしょえ)や時事画、そして美人画まで、周延の錦絵、版本、肉筆画が約300点並ぶ大規模な展観となる。

なかでも、周延が特に得意とした華やかな美人画が充実しているのが同展の魅力のひとつだ。美人画の大規模な揃物(そろいもの)をはじめ、文明開化による西洋化の流れのなかで描かれた洋装の美人画や、刊行数の減少により衰退しつつあった浮世絵界にあって、敢えて取り組んだ鑑賞性の高い美人画、英字が記された輸出向けと思しき錦絵、さらに江戸回顧の気運のなかで描かれた江戸城大奥の女性像や、江戸時代のファッションを時系列に描いた揃物、その一方で明治という現代を生きる女性像をとらえた揃物など、多彩な切り口の美人画が並ぶ。

個々の作品を楽しむとともに、文明開化と江戸懐古のはざまで変化する明治という時代の空気や、当時の人々の息づかいも感じることができる興味深い展覧会となるだろう。

<開催情報>
『楊洲周延 明治を描き尽くした浮世絵師』

会期:2023年10月7日(土)〜12月10日(日) ※会期中展示替えあり)
会場:町田市立国際版画美術館 企画展示室1、2)
時間: 10:00~17:00、土日祝は17:30まで(入場は閉館30分前まで))
休館日:月曜(10月9日は開館)、10月10日(火))
料金:一般900円、大高450円)
※10月7日(土)、11月3日(金・祝)は入場無料、10月25日(水)、11月22日(水)は65歳以上の方入場無料)
公式サイト:
http://hanga-museum.jp

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