世界劇団「零れ落ちて、朝」海岸での野外版スタート、本坊由華子「ほとばしる我々の魂を、刮目せよ」
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「世界劇団『零れ落ちて、朝』-Toyooka edition-」より。(撮影:田所正臣)
世界劇団「零れ落ちて、朝」の3都市ツアーが、本日9月16日に兵庫・竹野浜海水浴場で開幕する。
本坊由華子が脚本・演出を担う「零れ落ちて、朝」は、2・3月に愛媛・京都で初演された世界劇団の最新作。本作ではグリム童話「青髭」をモチーフに、残虐な殺戮を犯したフランスの元帥ジル・ド・レイと、外科医だった本坊の実父の生き様を重ねた物語が描かれる。「豊岡演劇祭2023」フリンジ セレクション参加作品として上演される兵庫公演では、日本海を一望できる海岸を舞台に、劇場版から野外版へリクリエートした「『零れ落ちて、朝』-Toyooka edition-」が披露される。
開幕に際し本坊は「目の前に広がるのは海であり、山であり、星であり、島である。そこに我々は対峙するわけでもなく、飲まれるわけでもない。野外上演とは、『舞台人としての魂を自然に置く』ということなのかもしれない。劇場版で培った共通言語を糧に、作品の解剖を終え、オペは無事終了した。全国各地から創作スタッフが豊岡に集結し、俳優とスタッフとが海と共に混ざり合い、今まで見たことのない海が立ち上がっている。ここにあるのは、舞台人の魂である。ほとばしる我々の魂を、刮目せよ」と語りかけた。
出演者には小林冴季子、本田椋、本坊が名を連ねている。兵庫公演は9月20日まで。その後11月18・19日に宮城・せんだい演劇工房10-BOX box-1、26・27日に愛知・穂の国とよはし芸術劇場プラット アートスペースで上演される。
本坊由華子コメント
──ここにあるのは、舞台人の魂である。
本日、豊岡演劇祭にて「零れ落ちて、朝」三都市ツアーの幕が開いた。
本作品は今年の春、松山と京都で初演を迎えた世界劇団の最新作である。
グリム童話「青髭」と外科医である私の父親を重ね、第二次世界大戦中の医師の戦争犯罪「生体解剖実験」にメスを入れた。
これまでの世界劇団のどの作品よりもフィジカルのピークが高く、総合的な完成度も高い。
今回の豊岡演劇祭での上演は、日本海を一望できる海岸線での野外上演だ。
開演時間は18時。日没という闇に溶けていく時間と共に幕を開ける。
海とは、生命の根源であり、我が国の歴史と文化を語る上で欠かせない自然物だ。
この圧倒的自然物の中で、この作品がどのように変貌を遂げるのか、
舞台人として興味があった。
劇場版から野外版へリクリエートしながら、
当たり前のことではあるが、野外には野外ならではの表現があることを思い知った。
目の前に広がるのは海であり、山であり、星であり、島である。
そこに我々は対峙するわけでもなく、飲まれるわけでもない。
野外上演とは、「舞台人としての魂を自然に置く」ということなのかもしれない。
劇場版で培った共通言語を糧に、作品の解剖を終え、オペは無事終了した。
全国各地から創作スタッフが豊岡に集結し、
俳優とスタッフとが海と共に混ざり合い、今まで見たことのない海が立ち上がっている。
ここにあるのは、舞台人の魂である。
ほとばしる我々の魂を、刮目せよ。
世界劇団 本坊由華子
世界劇団「零れ落ちて、朝」3都市ツアー
2023年9月16日(土)~20日(水)
兵庫県 竹野浜海水浴場
2023年11月18日(土)・19日(日)
宮城県 せんだい演劇工房10-BOX box-1
2023年11月26日(日)・27日(月)
愛知県 穂の国とよはし芸術劇場プラット アートスペース
脚本・演出:本坊由華子
出演:小林冴季子、本田椋、本坊由華子