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アール・デコ時代の「庭園芸術」を特集する日本で初めての展覧会『装飾の庭』9月23日より開催

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レイモン・シャルメゾン 「大壺」『貴重な庭園』1919年 東京都庭園美術館蔵

アール・デコ様式の名高い建築・朝香宮邸を美術館施設として改装し、1983年10月に開館した東京都庭園美術館。その開館40周年記念展として、アール・デコ時代の「庭園芸術」を特集する日本で初めての展覧会が、9月23日(土・祝)から12月10日(日)まで開催される。

東京・白金の御料地の一部を敷地として1933年に竣工した当時の朝香宮邸は、約1万坪の敷地に芝生の美しい西洋式の庭園や日本庭園、さらに盆栽・花卉園(かきえん))なども備え、また邸宅内の壁面にも庭園の風景画が描かれるなど、室内にいながらにして自然の中にいるかのような装飾プランが展開されていた。

実は、朝香宮邸の建築に影響を及ぼした1925年のパリのアール・デコ博覧会は、「庭園」を装飾芸術の一分野としてとらえた初の国際博覧会だった。博覧会場では、造園家のみならず建築家や装飾芸術家も、いかに庭を装飾するかに心を砕き、各パヴィリオンの周囲や街路には多様な庭が造りこまれたという。庭園を重視するその姿勢は、朝香宮邸にも反映されているのだ。

今回の展覧会は、この博覧会を中心とした両大戦間のフランスの近代庭園を巡る動向に着目して構成されている。その見どころは、古典主義やエキゾティシズム、キュビスムなど様々な要素を取り入れながら実験的かつ独創的な造園を進めた庭園芸術の展開を、絵画や彫刻、工芸、版画、写真、文献資料など、約120点の多彩な作品によってたどれることだ。これまであまり紹介されることのなかった西欧の近代的な庭園デザインの成立の過程を知る貴重な機会となるだろう。

同展ではまた、朝香宮邸の室内装飾を統轄し、自らも森林や噴水のある庭園風景を壁画として描いたフランス人装飾美術家アンリ・ラパンに焦点をあて、その壁画作品を丁寧に紹介するとともに、宮邸の装飾プランの成立に至る背景を探る試みも行われる。また、非公開のことが多い3階のウインターガーデンも今回は一般公開される。3面あるガラス面から日光が降り注ぐこの部屋は、市松模様の大理石が印象的な、邸宅内でも最もモダンな空間だ。

「庭園」をキーワードに、同館の装飾や空間への理解をより深められるこの館ならではの展覧会を、ぜひ庭園散策とともに楽しみたい。

<開催情報>
『装飾の庭 朝香宮邸のアール・デコと庭園芸術』

会期:2023年9月23日(土・祝)~12月10日(日)
会場:東京都庭園美術館
時間:時間:10:00-18:00、11月17日(金)、18日(土)、24日(金)、25日(土)、12月1日(金)、2日(土)は20:00まで(入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜(10月9日は開館)、10月10日(火)
料金:一般1,400円、大学1,120円、高中・65歳以上700円
※第3水曜は65歳以上の方は無料
※日時指定事前予約制
※2023年10月1日(日)は開館40周年記念のため入館料無料(事前予約不要)
公式サイト:
https://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/230923-1210_ArtDecoGarden.html

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