松田龍平&西野七瀬の共通点は?「足ツボマッサージは痛くても平気なフリをする(笑)」
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左から)西野七瀬、松田龍平 撮影:友野雄
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すべて見る母を奪ったヤクザに復讐するべく、『北斗の拳』を手に暗殺拳を学んだ少年は、長い歳月を経て、なぜか凄腕マッサージ師になっていた……!
そんなシュールギャグ漫画の傑作『ケンシロウによろしく』がバカリズム脚本でDMM TVにてドラマ化。主人公・沼倉孝一を松田龍平、沼倉のもとで働く新人マッサージ師・坂本里香を西野七瀬が演じる。
とぼけた笑い満載のナンセンスコメディ。きっとあなたも笑いのツボを押されまくるはず!
自然にヤバいやつ感を味わわせてもらいました(笑)
――沼倉役に松田さんというのは意外なキャスティングでした。
松田 この作品の前に引きこもりの役(『0.5の男』)をやってたんですけど。その間、ひたすらじゃがりこ食べながらゲームばっかりしてたから。だいぶ役が遠いなと思って。ちょっと面白かったです。
西野 私も『0.5の男』でご一緒していて。ニート役の松田さんを見ていたから意外かもと思っていました。
松田 その変化を見られる恥ずかしさはありますね(笑)。でも連続で一緒になるっていうのはすごいタイミングだよね。
西野 嬉しかったです。より距離の近い役どころというか、コンビ感のある関係性だったので、できるかなって心配もありましたけど、ご一緒していた松田さんという、安心の気持ちもありました。
――現場で見て、松田さんの沼倉はいかがでしたか。
松田 違う禍々しさがあったね(笑)。
西野 立ち姿からすごくいい姿勢でした。
松田 人の姿勢を直してるのに、自分の姿勢が悪いとあれだと思って。あと役のイメージで体を大きくしようと思って、めちゃくちゃメシを食べて、筋トレ毎日してたんですけど、1ヶ月しか時間がなかったから逆に太りましたね。
――このシュールな笑いを体現するというのは、役者さんとしても大変そうですね。
西野 ご本人は撮影中も「ギリギリです」とおっしゃっていましたけど、私から見ると全然。もう難なくやってらっしゃるように見えました。
松田 いやいや、ギリギリですよ。
西野 普段は小声の沼倉が急に大きな声を出したりするじゃないですか。そこが、個人的には好きでした。
松田 いちばん怖いパターンじゃないですか。小声の人がいきなり大声を出すのって。
西野 よく坂本は沼倉のことをヤバいやつだって心の中で言うんですけど、そのおかげで私自身も自然にヤバいやつ感を味わわせていただきました(笑)。
もうちょっと弾ける笑顔とか出していこうかな
――劇中には西野さんのサンバシーンも登場します。
西野 本物のサンバは日本人にはあまり馴染みのないテンポらしくて。現場では、もうちょっと踊りやすいようにと変えていただいていました。
松田 せっかくならガチサンバもみたかったけど。
西野 やってみたかったです。また違ったものになっていたかもしれないですね。
――お衣装もサンバのあの格好を?
西野 羽根を背負いました(笑)。なかなか自分のサンバ姿を見ることはないので、いっぱい写真も撮りました(笑)。
松田 サンバ感ないもんね。
西野 ないですね。
――松田さんから見た西野さんはどんな方なんでしょう。
松田 なんだろう。サンバ感がないのはわかるんだけど……(笑)。すごくマイペースですよね。自由な感じでいてくれるので、逆にこっちも気を遣わなくてすむというか。
西野 今回は2人のシーンが多かったので、よく話しましたよね。あと、ふたりとも寝てたり。
松田 そう。そういうところも自由で、リラックスできて良かったです。
西野 私も『0.5の男』でご一緒したときから接しやすい方だなという印象があって、それがちょっと意外でした。
松田 え、本当ですか。
西野 すごく寡黙で、共演者の方とあんまり喋らないのかなというイメージがあったんですけど、お会いしてみたらすごく気さくで。1度、「感情あるんですね」みたいなことをご本人に言ってしまって。
松田 失礼だなと(笑)。
西野 そしたら「結構ある方です」って(笑)。役の印象なんですかね。笑わない方なのかなとか、勝手にそういうイメージがあって。
松田 確かにそう思われたりしますね。やっぱりもうちょっと弾ける笑顔とか出していこうかな……。
西野 松田さんの笑顔、ちょっとぎこちない感じがすごくいい感じなんです。
――出来上がりが楽しみなシーンはありますか。
松田 指圧のシーンは気になりますね。監督の関(和亮)さんはじめ、みなさんがドラマチックに見せようといろいろ作戦を練っていて。接写ができる特殊なカメラを使って撮ったり。
西野 仕上がりが面白そうですよね。
松田 皮膚を押してるところにカメラが寄ってきて。
西野 胃カメラみたいな細いカメラが。
松田 そう。なんの撮影してるんだろって何度かなったけど(笑)。ドラマの中にどう組み込まれていくのか、完成楽しみですね。
首が寝違えたときは、現場でマッサージしてもらってました
――おふたりはプライベートでも指圧に通ったりしますか。
西野 疲れを感じたときに行きます。指圧もそうですし、あとは整体とか整骨とか体のメンテナンスは定期的に。
松田 頭皮マッサージも行くって言ってなかった?
西野 最近行きはじめました。
松田 現場で「顔と頭は皮膚でつながってるから」という話をしていて。
西野 1枚の皮になってるので、顔のマッサージだけやっても意味ないそうなんです。そういうのをいっぱい語って。
松田 俺も行こうかなって。
西野 絶対やったほうがいいですよ。オススメです。松田さん、現場でマッサージしてもらってましたよね。
松田 そう。首が寝違えちゃって。指圧の先生がいつも現場にいてくれたんですけど、マッサージ台も現場にあったから、こんないい現場はないなと(笑)。
――記憶力が蘇るツボとかストレスに効くツボとか、劇中でもいろんなツボが登場しましたが、おふたりが今押してほしいツボは?
西野 百会を押してほしいです。何でも1日に1回しか押しちゃいけないらしいですけど。
松田 そうなんだ。
西野 覚醒しちゃうから押しすぎは良くないそうです。頭をほぐしてもらうと全然違いますよね。
松田 俺、結構足ツボが好きなんで足ツボかなあ。
西野 足もいいですね。
松田 やる時は結構痛めにしてもらいますね。で、それに耐えるのが好きなんです。耐えたあと、めっちゃ楽になるから。
西野 わかります。痛ければ痛いほど終わったあとの気分がいいですよね。私は耐えたっていう達成感が。
松田 おー、そうなんですか?意外と同じマインドですね。
西野 痛いって絶対言いたくない。
松田 わかる。
西野 「痛いですよね?」とか聞かれるけど、「う〜ん。まあまあ」みたいな、なぜか平気なフリをしちゃう(笑)。
松田 (笑)。
昔から血が流れる漫画の方が好きです(笑)
――では最後の質問です。沼倉は『北斗の拳』に多大な影響を受けましたが、おふたりが影響を受けたバイブルといえば?
西野 私は『銀牙伝説WEED』ですね。小学生のときから読んでいて。仲間を集めて敵を倒すというストーリーが好きで、犬なんですけど、「漢(おとこ)」って表現するんです。そのマインドが好き。しかも野犬同士が集まってくる中で、ボルゾイとか野犬じゃありえない犬種も出てきて。そういう突拍子のないところも好きです。
――少女漫画ではないんですね。
西野 昔から少女漫画は読まなくて……。血が流れる方が好きです(笑)。
松田 すごい。ギャップだな。
西野 松田さんは何かありますか。
松田 漫画は昔から好きですね。自分のおすすめの漫画は単行本を買って部屋に飾っておきたいタイプだから、家にもたくさんありましたね。
西野 えー、見たい!
松田 本当、ラインナップ見てほしいくらい。これは間違いないよっていう面白い漫画が揃ってるから。
西野 本棚を見ると、その人の感じがなんとなくわかりますよね。
松田 幅広くいろんなタイプの漫画を読むから、この1本って挙げるのは難しいけど、最近娘に読ませたいなと思って買いなおした『バカ姉弟』っていう、双子の姉と弟のお話で、お姉ちゃんが娘に似ているんです。おでこが広くて可愛んだよね。
西野 可愛い。
松田 ふとした時に『バカ姉弟』って漫画があったなって思い出したり。そんなふうに日常や記憶のいろんな場面に染み込んでいる。それくらい漫画と共に成長しました。
取材・文:横川良明 撮影:友野雄
<番組情報>
『ケンシロウによろしく』
9月22日(金) よりDMM TVにて独占配信
原作:ジャスミン・ギュ『ケンシロウによろしく』(講談社「ヤングマガジン」連載)
脚本:バカリズム
監督:関和亮、スミス、中山佳香
出演:松田龍平、西野七瀬
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