今年で監督デビュー100年、映画の天才が自作を語る『ヒッチコックの映画術』
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イラストレーション:高松啓二
映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。
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初めて監督の名前を覚えたのがヒッチコックだ。子供の頃のTVで『ヒッチコック劇場』が放映されていたからだ。シャルル・グノーの『操り人形の葬送曲』の音楽と共に特徴的な横顔イラストから本人が登場、絶対忘れないインパクトがあった。その後、自作にちょいちょい登場するサスペンスの巨匠と知り、映画も観るようになった。
今年で監督デビュー100年。本作はヒッチコックが自作を語るドキュメンタリーである。無論、亡くなっているので語りはアリステア・マクゴーワンの声である。ただし、言っていることは文献やインタビューを元にしている。
オープニングから、ドアを開ける意味、カメラや役者を回すのが好き、『フレンジー』では殺人を見せないでカメラが離れて通りまで引いていく。スローテンポで独特なユーモラス語り口のヒッチコック節が楽しい。デジタルの無い時代、あらゆる工夫をして映像効果を高める天才だったと改めて認識させられた。ちなみに書籍の『定本 映画術』(ヒッチコック、トリュフォー)とは別物。
<作品情報>
『ヒッチコックの映画術』
9月29日(金) 公開
監督:マーク・カズンズ
声優:アリステア・マクゴーワン
公式サイト:
https://synca.jp/hitchcock/