“テクノロジー×ヒューマンパワー”の令和版「西遊記」に片岡愛之助らが気合い
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「西遊記」製作発表会見より。
日本テレビの開局70年を記念して上演される「西遊記」の製作発表会見が本日9月27日、東京都内で行われた。
「西遊記」は三蔵法師一行が天竺への旅をする冒険劇。1978年に「日本テレビ開局25年記念番組」として制作されたテレビドラマでも知られるが、今回は日本テレビ開局70周年記念を冠した舞台版が立ち上がる。日本テレビの開局60年舞台「真田十勇士」、開局65年舞台「魔界転生」を共に手がけたマキノノゾミ(脚本)と堤幸彦(演出)が、「西遊記」でもタッグを組む。
製作発表会見にはマキノ、堤のほか、キャスト陣が登壇。マキノは作品について「テレビドラマ『西遊記』というヒット作があるので、プレッシャーがある中で書きました(笑)。中国の古い物語を原作にしているので、物語はグローバルで、むき出しの欲望がくんずほぐれつしている。でも、全体を通して大陸的な“大らかさ”があります。原作のテイストや世界観は残しつつ、国際的な作品になれば」と語った。また、LEDやフライング、特殊効果の演出が盛り込まれるそうで、堤は「テクノロジーとストーリーの面白さ、人間の肉体の面白さを追求して最後まで駆け抜けたいと思っています。出演者の役者としての魅力が爆発する、『人って良いよね』と思わせるような仕掛けを用意したい」と意気込む。
孫悟空を演じる主演の片岡愛之助は、ナレーションを務めた「魔界転生」でも堤の演出に圧倒されたと話し、「今回もLED演出はすごくなると思うのですが、アナログのヒューマンパワー、役者の魂をたくさん観ていただきたいです」と期待を寄せる。孫悟空役については「天真爛漫で粗忽者なところもありながら、優しさとお師匠さんへの思いがある。そんな“令和版”の孫悟空の物語を紡ぎたい」とコメントした。
孫悟空と旅を供にする三蔵法師役の小池徹平は、「堤さんに舞台装置の様子などをホワイトボードで説明していただいて、さらにワクワク感が増しました。今回は男性として三蔵法師を演じさせていただくのですが、その楽しさが出せれば。とはいえ堤さんは無茶振りがすごいので(笑)、本番も気が抜けないなと思っています」と述べた。
「皆さん唯一違和感を感じるのが、僕の役ではないでしょうか?」と来場者に問いかけるのは猪八戒役の戸次重幸。「猪八戒は恰幅の良い役者が演じるイメージですが、この舞台では“痩せ型の猪八戒”になってしまいました。でも、令和版の新しい猪八戒をやるつもりでおりますので、安心して観ていただければ」と話し、テレビドラマで猪八戒役を演じた西田敏行へのリスペクトから「どこかで福島弁を出したい」と野望をのぞかせた。
沙悟浄役の加藤和樹は「僕にとって今までにない役。トライアルな作品になるなと思い、台本について堤さんに質問しようとしたら『今日は質問は受け付けない』と(笑)。これは稽古に入ってからのお楽しみなのだと、怖いやら楽しみやらで複雑な思いです」と明かした。
玉竜を演じる村井良大は舞台「真田十勇士」「魔界転生」にも出演。「今回も出演させていただき光栄です。玉竜は三蔵法師一行にいる、三蔵法師に仕える馬。なので今回は小池徹平さんをおぶる形になるかもしれず(笑)、70ステージ近くあるので、腰に気を付けなければと。今後、『西遊記』には玉竜がいるのが定番だと思ってもらえるようにがんばります」と気合いを見せた。
鉄扇公主役の中山美穂は「お稽古をのぞかせていただき、あまりのすごさに圧倒されました。鉄扇公主の描かれていない背景を自分の中で作り上げて、それを表現するのではなく、にじみ出るように演じられればと思います」と決意を述べ、「魔界転生」にも出演した牛魔王役の松平健は、「かなりハードだった前回の立回り以上に大変になりそうです。牛魔王は純粋で優しい力持ち。孫悟空と三蔵法師と巡り合ったことで自分の夢をかなえます。鉄扇公主にゾッコンなのですが、最後にどこまで狂えるか。それが自分の見せ場になるのではないかな」と語った。
公演は11月3日から5日まで大阪・オリックス劇場、10日から23日まで福岡・博多座、12月27日から来年1月2日まで愛知・御園座、6日から28日まで東京・明治座にて行われる。大阪公演のチケットは発売中。福岡公演は9月30日、愛知・東京公演は10月7日に一般販売が開始される。なお、12月16・17日には北海道・カナモトホール(札幌市民ホール)にて「札幌上映会&スペシャルトーク」が開催され、上映会後に小池、戸次、松平によるスペシャルトークが行われる。チケットは10月21日に発売。
「西遊記」
2023年11月3日(金・祝)~5日(日)
大阪府 オリックス劇場
2023年11月10日(金)~23日(木・祝)
福岡県 博多座
2023年12月27日(水)~2024年1月2日(火)
愛知県 御園座
2024年1月6日(土)~28日(日)
東京都 明治座
脚本:マキノノゾミ
演出:堤幸彦
キャスト
孫悟空:片岡愛之助
三蔵法師:小池徹平
猪八戒:戸次重幸
沙悟浄:加藤和樹
玉竜:村井良大
紅孩児:藤岡真威人
鎮元子:田村心
高伯欽:曽田陵介
虎力大仙:小宮璃央
高翠蘭:柳美稀
鹿力大仙:押田岳
羊力大仙:桜庭大翔
銀角:山口馬木也
金角:藤本隆宏
鉄扇公主:中山美穂
牛魔王:松平健
太白金星:野添義弘
巴山虎:横山一敏
狐角老女:真砂京之介
伊尾木希実、岩見柾孝、内田大地、大石敦士、金井迪大、川合立統、川上そら、川田光太、菅野充、佐藤丈、三本木大輔、白崎誠也、鈴木翔流、高橋邦春、平野兼椰、本多剛幸、松岡凜、山野聡士