アキ・カウリスマキの新作「枯れ葉」公開決定、廃盤だったBlu-ray BOXも再販
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「枯れ葉」場面写真 (c)Sputnik (Photo by Malla Hukkanen)
「希望のかなた」などで知られるフィンランドの映画監督、アキ・カウリスマキの最新作「Fallen Leaves(英題)」が「枯れ葉」の邦題で12月15日に公開決定。新作公開に合わせて、長らく廃盤だった過去作のBlu-ray BOX「キートス!! カウリスマキ Blu-ray BOX」が再発売される。
2017年、「希望のかなた」のプロモーション中に監督引退宣言をし、ファンを驚かせたカウリスマキ。最新作にして復帰作となる「枯れ葉」は、孤独を抱えて生きる男女が、人生最初で最後のかけがえのないパートナーを見つけようとするさまを描いた心優しいラブストーリーだ。今年の第76回カンヌ国際映画祭の審査員賞、国際映画批評家連盟の年間グランプリに輝き、米国アカデミー賞国際長編映画賞部門のフィンランド代表にも選出された。本国フィンランドでは9月15日に劇場公開され、カウリスマキ最大のヒット作「過去のない男」を凌ぐオープニング動員数を記録している。
労働者3部作「パラダイスの夕暮れ」「真夜中の虹」「マッチ工場の少女」に連なる“4作目”として発表された本作。作中にはノスタルジックなヘルシンキの風景や音楽とともに、とぼけたユーモアがちりばめられる一方、登場人物たちの横では常にロシアによるウクライナ侵攻のニュースが流れ、カウリスマキの強いメッセージ性も感じられる。「TOVE/トーベ」のアルマ・ポウスティと「アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場」のユッシ・ヴァタネンが主演を務め、カウリスマキ作品に初参加。それぞれの友人役としてヤンネ・ヒューティアイネン、ヌップ・コイブが出演したほか、カウリスマキ映画には欠かせない“俳優犬”も登場する。
カウリスマキは本作について「取るに足らないバイオレンス映画を作っては自分の評価を怪しくしてきた私ですが、無意味でバカげた犯罪である戦争の全てに嫌気がさして、ついに人類に未来をもたらすかもしれないテーマ、すなわち愛を求める心、連帯、希望、そして他人や自然といった全ての生きるものと死んだものへの敬意、そんなことを物語として描くことにしました」とコメントをつづっている。
「キートス!! カウリスマキ Blu-ray BOX」はプライスダウンして12月6日に発売。Part1には「レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ」「レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う」「コントラクト・キラー」「白い花びら」「ハムレット・ゴーズ・ビジネス」「真夜中の虹」「罪と罰 白夜のラスコーリニコフ」「マッチ工場の少女」、Part2には「カラマリ・ユニオン」「パラダイスの夕暮れ」「ラヴィ・ド・ボエーム」「トータル・バラライカ・ショー」「愛しのタチアナ」「浮き雲」「過去のない男」「街のあかり」が収録される。各4枚組、価格はそれぞれ税込1万3200円。
「枯れ葉」は東京・ユーロスペースほか全国で公開。
アキ・カウリスマキ コメント
取るに足らないバイオレンス映画を作っては自分の評価を怪しくしてきた私ですが、無意味でバカげた犯罪である戦争の全てに嫌気がさして、ついに人類に未来をもたらすかもしれないテーマ、すなわち愛を求める心、連帯、希望、そして他人や自然といった全ての生きるものと死んだものへの敬意、そんなことを物語として描くことにしました。それこそが語るに足るものだという前提で。
この映画では、我が家の神様、ブレッソン、小津、チャップリンへ、私のいささか小さな帽子を脱いでささやかな敬意を捧げてみました。しかしそれが無残にも失敗したのは全てが私の責任です。