日向亘・大倉空人 撮影を通して近づいた距離「互いの存在が現場での支えになった」
映画
インタビュー

左より)日向亘、大倉空人 撮影:友野雄
続きを読むフォトギャラリー(10件)
すべて見る総合エンタメアプリ「マンガPark」(白泉社)で2021年より連載がスタートし、現在人気上昇中のマンガ「君となら恋をしてみても」がドラマ化される。 ふたりの男子高校生が江の島を舞台に繰り広げるラブストーリーだ。世話焼き男子高生・山菅龍司を日向亘、龍司の高校に転校してくるちょっと甘えん坊なところがある海堂天を大倉空人が演じる。江の島のまばゆいロケーションの中で行われた撮影、撮影を経て変化したことなどについてふたりに聞いた。
原作は「読む人全員が幸せになる漫画」

――まずは原作を読んでの感想をお聞かせください。
大倉空人(以下、大倉) 本当に好きだという気持ちだけで動いていることと、その想いを受け取ってどんどん心が動かされていく2人の様子が素敵です。 話の展開も面白くて、2人だけの世界みたいなところにピュアさとかわいさと、エモさが感じられて、おもしろい作品だな、と。こんなに純粋なキャラクターはなかなかいないと思うので、貴重な漫画なんじゃないかな、と感じています。
日向亘(以下、日向) 全部言われました(笑)
大倉 それ、ずるくない?(笑)
日向 (笑)。でも本当にピュアで、絵も綺麗だと感じました。江の島で、海があって、しらす丼があって、学校があって、その中での男の子2人の恋愛ストーリー。瑞々しくて、爽やかですし、読む人皆が幸せになれる漫画だと思います。
自然と互いに助け合っていた撮影現場

――日向さんは天の、大倉さんは龍司の魅力について教えてください。
大倉 とても笑顔が素敵だな、と。これは日向くんが元々持っているものなんですが、龍司は原作の方では笑顔を見せることがあまりないんです。そこは日向くんが芝居の中で、表情やセリフの言い回し、声など……本当に素敵で自然にお芝居をされる俳優さんなので、僕も演じている時にすごく引っ張ってもらいました。日向くんが龍司として見せる笑顔に大倉空人としても、海堂天としても、心を動かされた部分がたくさんあります。 撮影中は毎日のように日向くんのお芝居に助けられて芝居をしていたので、そこはイチ日向くんファンとしても観ている方に伝わってほしいです。そのおかげで海堂天という役をやり通すことができたと思うので。
日向 いつも褒めてくれるんです。僕のモチベーションを常に上げ続けてくれます。
大倉 いやいや(笑)。
日向 空人くん演じる天もそうですが、龍司は集団で盛り上がったり、先頭に立って何かするタイプではないんです。でも根は明るいキャラクターというか……引っ張られたら、乗れる性格なので、そういうキャラクターを演じるときはどうしても自分からはいきづらくなりますよね。でも現場の空気感や、お芝居の中でもそうなんですけど、空人くん演じる天が、積極的に明るく振る舞うキャラクターなので、そこは僕もうまくお芝居で乗っかることができた部分でした。空人くんの現場全体への気配りや、現場を明るくしてくれた部分も含めて、そこは天との共通点だなと思います。お芝居の中では天に助けられたし、現場でも空人くんのその明るさに助けられました。
大倉 ありがとうございます!
――今回初共演になるかと思いますが、お互いの第一印象、撮影を通して変わったことはありますか?
大倉 身長が高いな、というのが第1印象です。身長が高いと結構迫力があるじゃないですか。それで、これだけ男前な顔立ちなので、クール系だったらどうしよう、と思っていたんですが、本読みでお会いしたときに、すごい笑顔で「お願いします!」と入ってきて。年齢的には2つ下になるんですけど、大人っぽさと、実際に喋ってみたときの無邪気さがギャップだな、と思います。撮影を通してそのギャップを垣間見られる瞬間があったので、そこは印象がガラッと変わりましたね。
日向 空人くんはアーティストさんだし、イケイケな人かな、と思っていたんです。 でもいざ会ってみたら、すごく丁寧で腰の低い方でした。年齢はふたつ違うんですけど僕に合わせてくれて、本当の龍司と天のような、同級生の二人の関係性でいられたんじゃないかな、と思います。
――撮影の合間で盛り上がった話題などはありましたか?
大倉 僕のグループ(原因は自分にある。)の話をずっとしていました。
日向 あ、そうそうそう。
大倉 日向くんの友達にEBiDANの子もいますし、げんじぶのメンバーの杢代(和人)とも仲が良いので、そこからどんどん話の輪が広がっていきました。げんじぶの夏ツアーにも来てくれて、「かっこよかったね」とメンバーを褒めてくれたりもしました。僕はメンバーが大好きなのですごく嬉しかったですし、その話で盛り上がりましたね。
――そういえば日向さん、ちょっとげんじぶの武藤潤さんに似てますね。
日向 僕も、潤くんと似てると思うんですよ!
大倉 それ、僕も言われました(笑)。「僕、潤くんに似てない?」って。
日向 ライブで見ていたときも、最初は「あれ、俺かな?」と思ったら武藤潤さんでした。 骨格が似てるんですかね? 初めて自分と似てるな、と思う人に会いました。
大倉 多分、目の形とかも潤くんに似てると思うんです。今日はライブのときの潤くんみたいです。
日向 僕が目指す先はあのかっこよさだな、と思いました。
大倉 目指さなくても十分格好いいと思うよ(笑)。
楽しんだ江の島での撮影

――物語の舞台が江の島という素敵な場所です。印象に残っていることはありますか?
大倉 まず、ロケーションが本当に綺麗でした。 海を見ながらの撮影だったというのと、他にも撮影したシーンで印象的だったのが……。
日向 多分一緒だよ。
大倉 ほんと?
日向 せぇので言う?
大倉 これで合ってなかったらイヤじゃない?
日向 いや、多分一緒だと思うよ。いくよ、せぇの。
大倉 アイス。
日向 朝日の。
大倉 ハッハッハ!
日向 すみません、違いました!(笑)
大倉 すみません!(笑) 朝日ね! よかったよね!
日向 朝日のシーンがあるんですけど、早朝2時起きで撮ったんです。スタッフさんもキャストもみんなヘトヘトで。前日も夜遅くまでの撮影だったので、大丈夫かなと思っていたのですが、景色がすごく綺麗だったんです。
大倉 救われたよね。
日向 綺麗すぎて目が醒めたよね。あんなに素敵な景色は、普段生活していてあんまり見ることがないですし、そんな最高のシチュエーションの中で撮影できたので、映像として完成したものを見るのがすごく楽しみです。
大倉 間違いない。 僕が印象的だったアイスというのは、シーンの中で食べたものなんですが、他にも休憩時間に江の島グルメ的なものを結構食べられたんです。しらす丼やたこせんべいを食べたりして、ロケーションだけではなく、江の島の食の部分でも楽しむことができたので、そういう点でも印象的でしたね。
――作中ではお祭りのシーンがありますが、夏のお祭りの思い出などあれば教えていただきたいです。
大倉 家族でお祭りに行くと、父が必ず焼きそばを食べるんです。そこから僕も屋台の焼きそばが好きになりました。屋台の焼きそばの魅力に気づいたというか、お祭りに行ったら絶対に焼きそばとじゃがバターだけは買うと決めているんです。だから今回の撮影でも食べられるかなと思っていたんですけど、焼きそばを食べるのは日向くんの方だったので、ちょっと残念でした(笑)。 地元が湘南なので、湘南のお祭りには結構行っていますし思い出はたくさんあります。
日向 お祭りのシーンではないけど、撮影中に空人くんの知り合いっぽい人たちも、何人かいたよね。
大倉 うん、いたね。
日向 現場で待機中に、「あれ?同級生いるじゃん」、みたいな(笑)
大倉 江の島の橋の上での撮影のときだったよね。
日向 歩行者の方が通られるときに中断して待っているんですが、そこで見つけてました。(笑)
大倉 団体のお客さんがいるな、と思って1人1人顔を見ていたら小学校の同級生いるやん、みたいなことがあったりして、友達探しをしているみたいで僕は楽しかったです(笑)
日向 ほんと地元だもんね。僕は、地元で大規模なお祭りがあって、小中学生のときは、家族や友達とよく一緒に行ってました。でも浴衣を着て行くったりしたことがなかったので、学生のうちにそういうことをしておけばよかったな、と思います。 賑やかなところが好きなので、そこは龍司との共通点でもありますね。お祭りのシーンも、わくわくしながら撮影していました。
――お祭りで好きな食べ物はありますか?
日向 落書きせんべいって知ってますか? 屋台で売ってるんですが、僕にとってはお祭りの定番なんです。えびせんにカラフルなざらめみたいなもので絵を描くんですけど、現場でそれを好きだと話していたら誰も知らなくて。ローカルネタなのかジェネレーションギャップなのか分からないんですが、僕は落書きせんべいが大好きです!
大倉 僕も知らなかったな。焼きそばとかじゃがバタくらいしか知らないかも。
日向 それは知らなさすぎだよ(笑)。
難しかった龍司と天の距離感

――松本花奈監督は映像の質感などにもこだわって撮られる方かと思うんですが、現場でこだわって撮っていらっしゃったな、というシーンはありますか?
日向 どのシーンにおいても妥協を許さない方だったので、監督がこれだ、と思うまでは挑戦し続けてました。すごく時間がかかったシーンがあったよね。
大倉 あった……でも全部かもしれない。
日向 全部かかったよね。
大倉 僕が思うに多分、天はモノローグの間なんです。 特に会話中にモノローグが入る部分での表情や間は何回も撮り直したイメージはあります。
日向 2人が思いを語り合ったり、どちらかが告白してそれを受けた後のシーンなどはすごく時間をかけて撮影していました。2人の分岐点となる、心が動くシーンは特にそうですね。
――時間をかけて撮影された部分でもあると思うんですけど、気持ちが変化していく演技で気をつけた部分はありますか?
大倉 僕は声ですね。天は過去があって、自分を偽るために明るく振舞っているキャラクターなので、龍司と向き合うときのセリフや本音を話すときのセリフは普段の声のトーンから少し素に戻す、低めに落とすようにしていました。なので、普段のセリフをちょっと明るめにしていたのでそこが際立ってたらいいな、と思いながらやっていました。
日向 なんだろうな……でも僕が一番気をつけたのは天との距離感の変化ですね。 順撮りではないので、どうしても「この出来事があった後はこれくらいの距離感」だとか、その前はこのぐらいで、友達としての距離感、恋人としてどの距離感なのかとか、という部分は意識しました。天は常に、こちらに寄り添おうとしているから、こっちがいかに近づくか、離すか、という部分が大事だなと思ったので、そういった部分の気持ちの変化はすごく自分の中で気をつけてたかな。
大倉 しかも龍司は撮影順が順撮りではなかったから大変だったと思います。呼び方も「天」だったり、「海堂さん」のときもあるんです。
日向 敬語をやめるようになったシーンはクランクアップ前の最後のシーンだったんです。それまではもうごちゃごちゃだったので。
大倉 最初のシーンは海堂さんなのに、次のシーンはいきなり天になったり。龍司の距離感でこっちもドキドキするかどうか、というところもあるので難しかったんじゃないかな、と思います。
日向 もう別人を演じてるんじゃないかな、というようなことはありましたね(笑)。
意外なところで再び共演があるかも!?

――龍司と天はお互いに出会ったことで自分の世界が変わる、という部分があるかと思うんですが、これまで世界が変わったり、考え方が変わるような出会いはありましたか?
大倉 考え方が変わった、という点で言うと、高校生からの友人に「もっと自由にしていいんだよ」ということを教えてもらいました。高2のときの話で、僕が勝手に感化されたっていうだけなんですけど……。もっと自分の意見を言っていいんだと、教えてくれた方がいたんです。こういう活動していてもいろんな意見を自分の口から言えるようになりましたし、完全にではないですけど、昔よりは堂々とできるし、ちゃんと自分の意見を持つようになったので、世界が変わりました。
日向 僕はなんだろうな……すごく恵まれてるなと思うのは、出会う人皆さん良い人たちばかりですし、色々なことをたくさん教えていただけているということですね。日頃から、自然と人を見て学んだことを自分でもやってみるようにしているのですが、色々な方たちから教えていただいたことが本当にたくさん身になっていると思いますし、出会いに感謝しています。
――いろんな出会いが積み重なって。
日向 そうですね。
――お2人の出会いは今後どんな影響がありそうですか?
大倉 EBiDAN THE LIVEというEBiDANの全グループが集まるライブがあったんですけど、日向くんがSHOOT(BUDDiiS)と仲良いのは知っていたので、日向くんの話をしました。
日向 そうなんだ!
大倉 撮影したんだよ、って言ったらSHOOTが「俺、仲が良くて」という話になって。それがSHOOTともっと仲良くなるきっかけになりました。
日向 あー、よかった(笑)。
大倉 そこでまた関係が深まるという点でも繋がっているな、と思います。杢代とも知り合いなのでそんな話をしたり。影響をもらっています。
日向 出会いであまり変わるっていうことはないんですけど……。
大倉 大倉 げんじぶ、げんじぶ(小声)。
日向 そうですね、げんじぶっていう素敵なグループと出会えたのは本当に良かったですね。潤くんという似てる人が見つかりましたしね。
――生まれて初めてですもんね。
日向 生まれて初めてですね、自分に似てる人って……やめてください、観測者(原因は自分にある。のファンネーム)に怒られる!(笑)
大倉 怒られないって!
日向 いや、げんじぶの曲に救われてますよ。
大倉 もしかしたら、BUDDiiSとげんじぶが対バンのときに日向くんがMCをやるかもしれない。
――すてき!
日向 そう、僕が……いやいや、MCなんてやったこともないですからね。
大倉 いや、言ったもん勝ちですから。


<プロフィール>
日向亘(ひゅうがわたる)
2004年3月18日生まれ。群馬県出身。2019年ホリプロ主催の「メンズスターオーディション」にてグランプリに選ばれ、映画・ドラマ「太陽は動かない」(’20)で俳優デビュー。これまでの主な出演作は、カンテレ「姉ちゃんの恋人」(’20)、テレビ朝日系「仮面ライダーリバイス」 (’21-’22)、TBS日曜劇場「Get Ready!」(’23)、TBS金曜ドラマ「ペンディングトレイン-8時23分、明日 君と」(’23)など。現在放送中のNHK大河ドラマ「どうする家康」で、真田信繁役を務める。10月スタートCX金曜21:00連続ドラマ「うちの弁護士は手がかかる」に岩渕亮平役でレギュラー出演予定。
大倉空人(おおくらたかと)
2002年4月12日生まれ。神奈川県出身。7人組ダンスボーカルユニット「原因は自分にある。」のメンバーとして活躍中。フジテレビ系ドラマ「モトカレマニア 」(’19)にレギュラー出演し、俳優デビュー。これまでの主な出演作ドラマは、日本テレビ系「ムチャブリ!わたしが社長になるなんて」(’22)、朝日放送「ひともんちゃくなら喜んで!」(’23)など。また、映画『ゾッキ』(’21)、『レッドブリッジ/レッドブリッジ ビギニング』(’22)にも出演し、映画『ヒッチハイク』(’23)では初主演を務める。現在放送中のテレビ東京「沼オトコと沼落ちオンナのmidnight call〜寝不足の原因は自分にある。〜」に出演中。10月スタートTBS系火曜ドラマ『マイ・セカンド・アオハル』に出演予定。
<作品情報>
ドラマ「君となら恋をしてみても」

MBSドラマ特区枠にて10月5日放送スタート
MBS(毎日放送)毎週木曜24:59〜 10月5日スタート(初回は5分押し、25:04放送予定)
テレビ神奈川 毎週木曜23:30〜 10月5日スタート
チバテレビ 毎週金曜23:00〜 10月6日スタート
とちぎテレビ 毎週木曜22:30〜 10月12日スタート
テレビ埼⽟ 毎週木曜23:30〜 10月12日スタート
群⾺テレビ 毎週木曜23:30〜 10月12日スタート
TVer / MBS動画イズムにてMBS放送後に配信スタート
原作:窪田マル「君となら恋をしてみても」(白泉社「マンガPark」連載)
監督:松本花奈
脚本:森野マッシュ
出演:日向亘 大倉空人(原因は自分にある。) ほか
(C)2023 窪田マル・白泉社/ドラマ「君となら恋をしてみても」製作委員会・MBS
取材・文/ふくだりょうこ、撮影/友野雄
■ヘアメイク
【日向さん】佐々木麻里子
【大倉さん】SUGA NAKATA(GLEAM)
■スタイリング
【日向さん】五十嵐 堂寿
【大倉さん】南まりい
■衣装協力
【日向さん】ジャケット ¥79,200(キャバン/キャバン 丸の内店 ☎︎03・3286・5105)、シャツ ¥30,800、パンツ ¥35,200(2点共にギャルリー・ヴィー/ギャルリー・ヴィー 丸の内店 ☎︎03・5224・8677)、他私物
※全て税込価格
【大倉さん】
Reebok(リーボック)
フォトギャラリー(10件)
すべて見る