ダンスとピアノでつづる戦禍を生きたピアニストの物語「ある都市の死」
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左から持田将史、小栗基裕、小曽根真。
舞台「ある都市の死」が12月6日から10日まで東京・草月ホール、12・13日に大阪・サンケイホールブリーゼにて上演される。
これはウワディスワフ・シュピルマン「戦場のピアニスト」とクリストファー・W.A. スピルマン「シュピルマンの時計」を原作に、瀬戸山美咲が上演台本・演出を手がける新作舞台。出演者にはs**t kingzの持田将史(shoji)と小栗基裕(Oguri)、そしてジャズピアニストの小曽根真が名を連ねた。
上演に向けて持田は「この作品は、シュピルマンが戦争の中で必死に生きようとした実話を基にした物語です。僕自身この作品との出会いを通して、生きる、という事を改めて考える日々を過ごしています。小曽根さんがピアノを弾くと、一音一音に物語や想いや、情景が浮かんできて、ものすごい情報を受け取っています。時に風景を見せてくれたり、語りかけてきてくれたり。音楽ってこんなにすごいものなのか、といつも感じさせてもらうばかりです。常に不安定なこの世界で、どう生きていくのか。皆さんと一緒に考える機会になったら嬉しいです」とコメント。
小栗は「歴史は全て自分たちと同じ人間によって作られてきていて、ここから作っていくのも人間であること。過去の人間たちから何を学び、そこから我々はどんな選択をして生きていくのか。難しい事だけど考える事をやめてはいけないんだと思います。小曽根さんのピアノはまるで魔法のように、一瞬でその場所の情景や感情を変える力があります。小曽根さんと音楽そのものが少しのズレもなく一つになっていて、その世界に包み込まれる感覚です。自分ももっと“ダンスそのものと一つになりたい”と思わされます。僕自身もこの作品を通して知れたことが沢山あります。いつもシットキングスとして、皆さんに『全てを忘れて楽しんで欲しい』という思いで踊っていますが、そんな『楽しい』をこの先もずっと続けて行ける世の中である事を切に願いながら、この作品を大切に演じさせていただきます」と思いを語る。
小曽根は「21世紀になった今もまだ戦争が起こっている現実への悲しさと怒りはずっと感じています。自らの『生死』を他の人間の手に委ねなくてはならない状況下では『待つ』事しかできない。そんな場所で自分の体の一部のようなピアノと再会した瞬間に、改めてまだ生き残っている幸運を信じ、生きて未来に繋げたいという思いが蘇ったのではないかと思います。そしてその気持ちが蘇った途端に感じる恐怖も。この作品は、正解ではなくその瞬間に聞こえたもの、見えたものを信じて、作っては壊す作業の連続です。そしてそのエネルギーはこの作品を手探りで創っている僕ら自身を励ましてくれています。一人一人に色んなことを感じて頂きたいと思っています。そしてその思いと向き合い、考える事こそが『生きる』という当たり前で当たり前ではない素晴らしい宝物だと感じて頂けたなら、僕は本当に幸せです」と作品に思いを込めた。
チケットの一般販売は10月22日10:00にスタートする。
舞台「ある都市の死」
2023年12月6日(水)~10日(日)
東京都 草月ホール
2023年12月12日(火)・13日(水)
大阪府 サンケイホールブリーゼ
原作:ウワディスワフ・シュピルマン「戦場のピアニスト」(佐藤泰一 訳、春秋社)、クリストファー・W.A. スピルマン「シュピルマンの時計」(小学館)
上演台本・演出:瀬戸山美咲
出演:持田将史、小栗基裕、小曽根真