市川團十郎、襲名から1年「ちょっと慣れてきた」 12月に京都・南座で吉例顔見世興行
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すべて見る歌舞伎俳優の市川團十郎白猿が10月11日(水)、都内で会見を行い、京の年中行事『吉例顔見世興行』(12月1日~24日)として、京都・南座で十三代目市川團十郎白猿襲名披露と、八代目市川新之助初舞台の公演を行う『當る辰歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎』について、思いを語った。
昼の部では、新之助の南座初舞台となる『外郎売(ういろううり)』、襲名披露狂言として團十郎とぼたんが親子共演する『男伊達花廓(おとこだてはなのよしわら』などを上演。夜の部には、襲名披露『口上』と襲名披露狂言の『助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)』といった演目が並ぶ。
團十郎は、2022年10月31日の『顔寄せ手打式』(東京・歌舞伎座)を経て、十三代市川團十郎白猿を襲名し、「市川團十郎」という大名跡が9年ぶりに復活。その後、22年11月から24年10月まで、襲名披露興行を随時行っている。襲名から約1年が経過し、「ちょっと慣れてきました」と心境を明かし、「自分の中で意識が変わってきましたが、歌舞伎の中での認識といえば、“團十郎”の重みは子どもの頃から知っておりますし、そういう意味では、まだなりきれてはいないかなと思います。徐々に、ですね」と話していた。
團十郎が南座に出演するのは8年ぶり。團十郎のまねき看板が掲げられるのは11年ぶりとなり「どこか自分ごとではないような、なつかしい感覚で楽しみですね」と期待を寄せる。『助六』では、女形の三浦屋揚巻を中村壱太郎、中村児太郎がダブルキャストで、そして、髭の意休を市川男女蔵が、いずれも初役で勤めることが決まり「次の世代に手渡すことにフォーカスし、未来への希望を念頭に白羽の矢を立てた」と配役に込めた“継承”の思いも語った。
長男・新之助の初舞台、長女・ぼたんとの親子共演が話題にあがると、思わず目を細める場面も。ぼたんについては「女の子でも歌舞伎で活躍できるという希望を持ちながらも、同時に現実を見る力も備わっている」とし、「自然と女優業に興味が沸くんじゃないでしょうか。人間関係の築き方、気の配り方や接し方で、私が勝てるところはない」とべた褒め。新之助は「特化した人物に育っている」と語り、昨年史上最年少で『外郎売』を演じたことに対し、「見事な成長を遂げていたし、彼にとって大きな成長だったと思う」と背中を押していた。
取材・撮影・文:内田涼
<公演概要>
京の年中行事
當る辰歳『吉例顔見世興行』
東西合同大歌舞伎 市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台
【昼の部】
一、「『双蝶々曲輪日記』角力場」
出演
濡髪長五郎:中村鴈治郎
放駒長吉:中村隼人
山崎屋与五郎:市川染五郎
藤屋吾妻:中村壱太郎
二、「歌舞伎十八番の内『外郎売』八代目市川新之助初舞台相勤め申し候」
改訂:野口達二
出演
外郎売実は曽我五郎:市川新之助
大磯の虎:中村扇雀
化粧坂少将:片岡孝太郎
小林朝比奈:市川男女蔵
小林妹舞鶴:中村雀右衛門
工藤祐経:中村梅玉
三、「男伊達花廓」
出演
五郎蔵:市川團十郎
禿:市川ぼたん
四、「壽三升景清 歌舞伎十八番の内『景清』」
脚本:松岡亮
演出・振付:藤間勘十郎
出演
悪七兵衛景清:市川團十郎
阿古屋:中村雀右衛門
岩永左衛門:市川右團次
花菱屋女房おさく:市村萬次郎
秩父庄司重忠:中村梅玉
【夜の部】
一、「『仮名手本忠臣蔵』衹園一力茶屋の場」
出演
大星由良之助:片岡仁左衛門
遊女おかる:片岡孝太郎
赤垣源蔵:片岡進之介
寺岡平右衛門:中村芝翫
二、「十三代目市川團十郎白猿 八代目市川新之助 襲名披露 口上」
出演:市川團十郎、市川新之助 / 片岡仁左衛門、中村梅玉 ほか
三、「歌舞伎十八番の内『助六由縁江戸桜』河東節十寸見会御連中」
出演
花川戸助六:市川團十郎
三浦屋揚巻:中村壱太郎(1~12日)、中村児太郎(14~24日)
三浦屋白玉:中村児太郎(1~12日)、中村壱太郎(14~24日)
髭の意休:市川男女蔵
朝顔仙平:中村歌昇
福山かつぎ:中村隼人
曽我満江:市川門之助
遣手お辰:市村萬次郎
くわんぺら門兵衛:中村芝翫
白酒売新兵衛:中村扇雀
通人里暁:中村鴈治郎
口上:市川染五郎
後見:市川右團次
2023年12月1日(金)~24日(日)
会場:京都府・南座
公式サイト
https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kyoto/play/782
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