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清原果耶が初舞台で挑む『ジャンヌ・ダルク』 シャルル役・小関裕太とともに語る意気込みとは?

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左から)清原果耶、小関裕太   撮影:You Ishii

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ジャンヌ・ダルク――15世紀のフランスで神の“声”を聞き、戦いに身を投じた少女。裁判にかけられた彼女は魔女とされ、火あぶりの刑に処されて亡くなったものの、後世名誉が回復されて1920年にはフランスの守護聖人のひとりとなっている。

そんな彼女の物語を描いた舞台が、劇団☆新感線の座付き作家である中島かずきの脚本、白井晃の演出による『ジャンヌ・ダルク』。堀北真希を主演に迎えて2010年に初演、2014年の再演では有村架純が主演。ふたりとも、本作が初舞台だった。

そして2023年、やはりこれが初舞台となる清原果耶の主演で3度目の上演が決定。短くも激しい彼女の生きざまを、私たちはまた目撃することとなる。

皆さんの抱くジャンヌを体現できるように

故郷を蹂躙されるなかで聞いた声に従い、フランスの王太子・シャルルの下に赴いて、イングランドからフランスを解放するため戦った彼女。シャルル(即位してシャルル7世となる)を演じる小関裕太は、清原について「ミステリアスさや淡さ、切なさを観る者に想像させる雰囲気をもっている。皆がジャンヌ・ダルクにイメージする “芯があって信じるものに向かっていく”姿勢が合うと思う」とコメント。この言葉に、思わず納得させられる人は多いに違いない。清原果耶という俳優の持ち味を考えると、ジャンヌはまさにはまり役となるのではないだろうか。清原自身も「皆さんの抱くジャンヌを体現できるように、がんばります」と意欲をうかがわせた。

清原も小関も、初演・再演の映像を観てさまざまなことを感じたよう。「ジャンヌの強さとはかなさが両立しているところに、すごく惹かれました。たぶん私と同じように多くの方がそれを魅力的だと思われたから、初演も再演もたくさんの方々が観に来てくださったんだろうなって思います。たくさんの人を導いていくカリスマ性みたいなものを、私も皆さんと一緒に作り出していけたらな、と」と清原は言う。

小関は映像を観た後に台本を読み、「演じる方によってジャンヌはそうとう変わるだろうと感じました。それにこの物語は “声”っていうワードがテーマになっている。神の声だけでなく、ジャンヌの声、シャルルにとっての聞きたい声、聞きたくない声、親や周りの声。そういう “声”の象徴になっているのがジャンヌで、芯の強さと共にメッセージ性を抱えた少女だと思った」のだとか。

一方、清原は同じ事務所の先輩ながら今回が初対面という小関に対して、「穏やかで、清らかで、柔らかいイメージ」を抱いていたという。その印象は、繊細な表情を見せる序盤のシャルルにぴったり。「シャルルって『怯えている王』みたいに書かれることが多いので、『シャルルっぽい』と言われるとちょっと……」と複雑な表情を見せた小関だが、そのシャルルがジャンヌの登場によって王として成長し、ついには“勝利王”と呼ばれるまでになる変化・成長の過程こそが、要と言えるのではないだろうか。きっと小関は、豊かな奥行きをもってそれを表現してくれることだろう。

清原も、初演・再演で「シャルル役の印象がまったく違っていたので(初演:伊藤英明、再演:東山紀之)、今回小関さんが演じるのが楽しみです」と、彼ならではのシャルル像に期待を寄せる。

また、ふたりを支えるキャストも大きな見どころ。りょう(ヨランド・ダラゴン)、岡田浩暉(ベッドフォード公)、福士誠治(タルボット)、深水元基(アランソン公)、山崎紘菜(マリー・ダンジュー)、坪倉由幸〈我が家〉(傭兵レイモン)など映像・舞台で多彩な活躍を見せる顔ぶれに加え、フレッシュな荒木飛羽(傭兵ケヴィン)、ベテランの風格と安定感を見せる榎木孝明(コーション司教)、神保悟志(ラ・トレムイユ卿)と、「これは期待するしかない」という俳優陣が結集した。

舞台『ジャンヌ・ダルク』主要キャスト

清原は以前映画で共演した深水との再会を喜び、小関もドラマに続いて山崎と共演。さらに小関は、初共演となる義母・ヨランド役のりょうに「すごくミステリアスで、強いビジュアルが印象的ですし、お芝居を合わせた時にどんなものが生まれるのか楽しみにしています」と期待を語った。

白井演出作品でしばしば強い印象を残すアンサンブルの迫力は今回も健在、総勢約100人というめったにない大人数の出演者によって劇場内に満ちあふれる熱量は、まさに生の演劇空間の醍醐味を味わわせてくれるだろう。

ワクワクへの挑戦をこの舞台で

俳優としてデビューする前にミュージカルのレッスンを受けていたという清原。「歌ったり踊ったりするのが好きだったので、いずれ舞台をやってみたいと思っていた」そう。演出の白井晃から、3度目の上演にあたって清原にはジャンヌが合うだろうと話がいき、「きっとご縁がつながったんだろうから、がんばりたい」と満を持しての初舞台・初主演に武者震いする。

思い切った決断にも思えるが、「自分が良いと思ったものを信じたい。(参考として)いろいろな人の意見は集めますけど、結局決めるのは自分。後悔しない道筋を選べば良いと思う」と本人はきっぱり。

その潔い決断の基となる感覚は、ふたりにとって相通じるものがあるそう。それを小関は「ワクワク」と語る。「初めての経験で大変だとしても『これを経験した後にどういうものが見えているんだろう』とワクワクできることを選びたい。最近はずっと未知への挑戦をしているような気がしますが、達成感があるから良いかな」と笑った。

そんな小関にとって、今回はミュージカル『わたしは真悟』(2016年/演出:フィリップ・ドゥクフレ、演出協力:白井)以来となる白井とのタッグで思うところがあるよう。「前回、愛ある鞭をたくさんいただいて、こてんぱんにされたんですよ。各現場で学びがあるなかで、舞台の基礎について改めて考えたし視野が広がった。すごく濃厚な時間でした。白井さんとまた一緒にひとつの作品を創る体験をしたいと思っていたので、今回ようやくタイミングが合いました」と語った。

映像を観て印象に残った場面を聞くと、清原は「ジャンヌは戦わせてもらえない、剣を振れない葛藤や悔しさがある。そういう『自分も』という意思を前面に押し出すシーンは、自身が基盤としてもっている軸、しなやかさみたいなものを感じとることができて好き」だという。

「僕は戴冠式のシーン、あと同じようなシチュエーションだけどジャンヌとシャルルが初めて会うシーンですかね。すごく神秘的で、のちのち明かされる秘密が詰まっている。実際のヨーロッパの戴冠式の様子から考えると、城と戴冠式を行う大聖堂とはすごく離れているけど、わざわざそれだけの移動をして行うほどの大切なイベント。その神秘性が素敵です」と小関も語った。

さらに見どころとして、小関は章ごとに新しい事実が明かされていくという台本の構造、そして複雑な人間模様を挙げる。「対立していたのかと思いきや実は仲間だったとか、信頼しあっていたとか、その逆だったとか。観る人によって関係性が違って、いろいろ感じられると思います。そしてジャンヌはフランス・イングランド両国に求められている存在だという、皮肉さや面白さみたいなものがストーリー展開の中でうまく描かれている」という。

初舞台に向けて基礎体力向上を図りたいという清原と、小関の意外な共通項は「今一番ほしいのが自転車」だという。ジャンヌとシャルルには全然関係ない話だけど、と笑い合うふたりは、既に息の合ったコンビぶりを見せる。このふたりを中心としたカンパニーで、「今はまだどうなるのか本当に未知数ですけど、ジャンヌに突き動かされながら一緒に全うできたら」という清原がどのようなジャンヌを見せるのか。期待は高まるばかりだ。

公演は11月28日(火)〜12月17日(日)、東京建物 Brillia HALLにて。その後、12月に大阪公演あり。

ぴあアプリでは清原果耶さんと小関裕太さんのアプリ限定カットをご覧いただけます。ぴあアプリをダウンロードすると、この記事内に掲載されています。

取材・文:金井まゆみ 撮影:You Ishii
清原果耶:ヘアメイク:(清原)牧野裕大、(小関)佐々木麻里子 スタイリスト:(清原)井阪恵、(小関)吉本知嗣

<公演情報>
舞台『ジャンヌ・ダルク』

演出:白井 晃
脚本:中島かずき(劇団☆新感線)
音楽:三宅 純
監修・原案:佐藤賢一(参考文献『ジャンヌ・ダルクまたはロメ』

出演:
清原果耶
小関裕太
福士誠治 荒木飛羽 深水元基
山崎紘菜 坪倉由幸(我が家)野坂 弘 ワタナベケイスケ 粟野史浩
りょう 神保悟志 岡田浩暉
榎木孝明

【東京公演】
2023年11月28日(火) 〜12月17日(日)
会場:東京建物 Brillia HALL

【大阪公演】
2023年12月23日(土)〜12月26日(火)
会場:オリックス劇場

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/jd2023/

公式サイト:
https://jd2023.jp/

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