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尾上菊之助、6年ぶり再演『マハーバーラタ戦記』 インド映画『RRR』からインスピレーション

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『極付印度伝 マハーバーラタ戦記』取材会より 左から)中村隼人、中村米吉、尾上菊之助、宮城聰(演出)

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歌舞伎座新開場10周年「吉例顔見世大歌舞伎」(11月2日~25日)昼の部で上演する『極付印度伝 マハーバーラタ戦記』の取材会が10月17日、都内で行われ、出演する尾上菊之助、中村米吉、中村隼人、演出を手がける宮城聰氏が出席した。

世界三大叙事詩に数えられる古代インドの神話「マハーバーラタ」を題材に、2017年に歌舞伎座で初演され、大きな話題を集めた同演目が6年ぶりの再演。神々と人間が織りなす勢力争いを軸に、自らの運命と向き合い、その使命を胸に懸命に生きる者たちの苦悩と葛藤が壮大なスケールで描かれる。

初演に続き、主人公の迦楼奈(かるな)とシヴァ神を演じる菊之助は「ずっと再演したいと思っておりました」と強い思い入れを示し、「神様と人間の壮大な物語に身を置いて、少しでも日頃の憂さを晴らして、心躍る劇場体験をしていただければ」と意気込み。「前回少なかった神と息子たちの対話を増やして、役柄の葛藤をより鮮明にしたい」と前作からの改変も明かした。

さらに「インド映画が大好き」と語り、「二幕目の婿選びは、前回はクイズ形式でしたが、今回はインド映画の舞踊を模した“踊り合戦”に作り変える」と宣言。同様のシーンが、世界的に大ヒットしたインド映画『RRR』(S・S・ラージャマウリ監督)に存在しており、大いにインスピレーションを受けている様子だ。歌舞伎座周辺にはカレー専門店も多く「カレーマップを作っていただこうかな」と笑いを誘っていた。

米吉が勤めるのは、迦楼奈と隼人演じる阿龍樹雷王子(あるじゅらおうじ)の母親である汲手姫(くんてぃひめ)。舞台の上で、“菊之助の母親”を演じることになり、「まずは『緋牡丹博徒』を見ようかと思います」と、菊之助の母で女優の富司純子の代表作を挙げ、会場を沸かせる一幕も。「冗談はさておき、(女方として)学んできたことを総動員したい」と闘志を燃やした。

一方の隼人は「初演は(尾上)松也のお兄さんが演じた役で、迦楼奈のライバル。恐れ多くも光栄」と梵天(ぼんてん)との二役に背筋を伸ばした。米吉、隼人の両名について、菊之助は「クリエイティブな発想力で、どう役になれるか工夫する姿を(共演する)作品ごとに感じていた。汲手姫は太陽神が見初める純真無垢な少女で、そのイメージにぴったり」「隼人さんは歌舞伎のみならず大活躍し、最近メキメキ頭角を現している。常にご一緒したいなと思っていた」と期待を寄せていた。

取材・文・撮影:内田涼

<公演情報>
歌舞伎座新開場10周年「吉例顔見世大歌舞伎」

<昼の部>
『極付印度伝 マハーバーラタ戦記』

脚本:青木豪
演出:宮城聰

出演:
迦楼奈(かるな)/ シヴァ神(しん):尾上菊之助
太陽神(たいようしん):坂東彌十郎
仙人久理修那(せんにんくりしゅな):中村錦之助
帝釈天(たいしゃくてん):坂東彦三郎
百合守良王子(ゆりしゅらおうじ):坂東亀蔵
風韋摩王子(びーまおうじ):中村萬太郎
汲手姫(くんてぃひめ):中村米吉
阿龍樹雷王子(あるじゅらおうじ)/ 梵天(ぼんてん):中村隼人
納倉王子(なくらおうじ):中村鷹之資
我斗風鬼写(がとうきちゃ)/ ガネーシャ:尾上丑之助
鶴妖朶王女(づるようだおうじょ)/ ラクシュミー:中村芝のぶ
沙羽出葉王子(さはでばおうじ):上村吉太朗
森鬼獏(しきんば):尾上菊市郎
森鬼飛(しきんび):上村吉弥
道不奢早無王子(どうふしゃさなおうじ):市川猿弥
亜照楽多(あでぃらた):河原崎権十郎
羅陀(らーだー):市村萬次郎
多聞天(たもんてん):市川團蔵
大黒天(だいこくてん):坂東楽善

2023年11月2日(木)~25日(土)
会場:東京・歌舞伎座

チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2336468

公式サイト:
https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/843

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