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「この映画のアイデアそのものが“映画をつくること”と同じ」ロバート・ロドリゲス監督が語る最新作『ドミノ』

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映画『ドミノ』 (C)2023 Hypnotic Film Holdings LLC. All Rights Reserved.

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ロバート・ロドリゲス監督の最新作『ドミノ』は、彼が20年もの年月をかけて構想を練り完成させた作品だ。彼はなぜ、ここまで本作にこだわったのか? ロドリゲス監督に話を聞いた。

映画『ドミノ』予告編 10.27公開

彼は2002年にあるアイデアを思いつき、脚本を書いて誰かに売ろうと考えた。それは“相手を自由自在に操ることができる能力を持つ男の登場するサスペンス”だった。

「何より、自分のオリジナルのアイデアだったことが大きいです。それに、アイデアを気に入ってくれて、評価してくれる人や出資しようという人まで出てきました。そこで、このプロジェクトは時間をかけてもじっくりと育てていくべきだと思ったんです」

ついに彼はこのアイデアを自分で監督することを決め、さらに脚本を練った。主人公のロークは行方不明になった娘を追っているが、ある日、銀行強盗を追う過程で銀行の貸金庫から娘の写った写真を発見する。さらに銀行近くで謎の男を発見。彼は娘の情報を知ってそうだが、相手を話すだけで操る不思議な力を持っていることが分かる。相手の脳をハッキングする恐ろしい男をどう捕まえるのか? そしてこの男と失踪した娘の関係は?

ロドリゲス監督が本作の原題でもある“ヒプノティック=催眠”というアイデアに魅了されたのは、この考えが“映画づくり”と深い関係があるからだ。

「そもそも、相手を信じ込ませて、自由自在に操るというのは、僕たち映画監督が観客にしていることですよね(笑)。フィルムメイキングとは観客の周囲に虚構を組み立てて、観客を催眠状態に陥らせることだと思うのです。観客はそれが脚本に書いてあると分かっているのに、その世界を信じて、自らその世界に飛び込んでくれて、怖がったり笑ったりしてくれる。

この映画のアイデアそのものが“映画をつくること”と同じなんですよ。僕は映画をつくることが大好きなんですが、この映画ではそうとは言わずに、サスペンスの姿を借りて“映画づくり”についての映画をつくることができる。これが、どうしても自分でこのアイデアを監督したい理由でした」

彼は愛する題材、そしてキャリア初となるヒッチコック風のサスペンスを描くために時間をかけて脚本を書き、その過程で追求し続けてきた“家族”のモチーフも盛り込んでいる。

「脚本に20年かかりましたが、最初の12年ぐらいはそこまで家族の要素は入っていなかったんです。でも創作していくうちに家族のエピソードが増えていき、これまでの作品と同じく家族の要素をもつ作品になりました。

それが自分の信じているものだからだと思うんですよね。作り手は自分の信じるものを道具につくらないといけないと思っているし、自分が監督だけでなく脚本も手がけたからこそ後で加えることができたと思います。私には5人の子供がいるし、10人兄弟の一員ですから、何よりも家族が生活の中で大事なのです」

得意のアクション、初挑戦のサスペンス、そして映画づくりと家族への愛情……本作はロドリゲス監督にとって特別な1作になったようだ。

<作品情報>
『ドミノ』

10月27日(金) 公開

(C)2023 Hypnotic Film Holdings LLC. All Rights Reserved.

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