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自我を持つAIはメタファー、ギャレス・エドワーズやBE:FIRST・LEOがトーク

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「ザ・クリエイター/創造者」トークセッションイベントの様子。左から古田貴之、ギャレス・エドワーズ、LEO。

映画「ザ・クリエイター/創造者」のトークセッションイベントが本日10月18日に東京・六本木アカデミーヒルズで行われ、来日した監督のギャレス・エドワーズが出席。またスペシャルゲストとして、映画好きとして知られるLEO(BE:FIRST)、ロボットクリエイターの古田貴之も登場した。

「ザ・クリエイター/創造者」は人類とAIの戦いが続く世界が舞台のSFアクション。元特殊部隊のジョシュアは、高度なAI兵器を生み出した“クリエイター”暗殺のミッションを課され、暗殺に向かう。しかしそこにいたのは、純粋無垢な超進化型AIの少女・アルフィー。ジョシュアは暗殺すべきか守るべきか、自らの使命と葛藤することになる。ジョシュアをジョン・デヴィッド・ワシントンが演じ、渡辺謙、ジェンマ・チャン、アリソン・ジャネイ、マデリン・ユナ・ヴォイルズも出演した。

大きな拍手に迎えられ登場したエドワーズは「20年以上前に『子連れ狼』を観て、こういう映画を作りたいと思ったんです。日本映画はインスピレーションのもと。この作品はラブレターのようなものです。作中に登場する製品やロボットに日本のデザインが取り込まれています」と紹介する。

LEOは「予告編を観たときから楽しみでした! だからこのイベントのお話が来たときはうれしかったです」と笑みをこぼし、「この映画を観て正義とは何か?を考えさせられました。光が正義なのか? 闇は悪なのか? 今の自分がこの映画を観られて幸せです」と伝えた。続く古田は「この映画はドキュメンタリーに見えます。技術や描写が研究者から見てもとても正しい。未来の技術をそのまま描いている。サイエンスフィクションじゃなくてノンフィクション。学会推奨の教育用ビデオにしたい。恐るべしです!」と言葉に力を込め、「今研究している技術にのっとって世界が描かれていて驚きです。監督は学会で研究してましたか?」と疑問をぶつける。これを受けたエドワーズは「タイムマシンを作って、未来でこの映画を作ったんですよ」といたずらっぽく笑った。

古田が「AIが登場する映画の中には、敵か味方かといった浅い話もあるんです。でもこの作品はもっと深い。自我を持つAIと共存する過程で何が起こるのか? 敵だと思う人もいれば、味方だと思う人もいる。人種問題なんかと近いところ。深いレベルで描写している」とたたえると、LEOは「ただの映画というより人生の教科書。心に刺さりました」と続けた。

イベント中盤にはゲストや観客がエドワーズに質問を投げ掛ける場面も。LEOが「僕はアーティストとして今作るべきものを大切にしています。この映画は今観るべき映画だと思っているんですが、そういったことは意識していましたか?」と問うと、エドワーズは「意識はしていません。この映画がタイムリーであることは幸運でした。人間というのは繰り返し同じ行動を取っている。だからこの作品は5年前でも20年前でもタイムリーだったと思います。AIはあくまでも、自分とは異なるもののメタファーなんです」と説明した。

「SFの魅力、作るときのポリシーは?」という質問が飛ぶとエドワーズは「SF以外のジャンルってあるんですか? 宇宙船が出てこない映画ってありますか?」と回答し、笑いを誘う。そして「人間は一生同じ考えを持って過ごすこともできると思います。でもSFの場合は、世界をひっくり返すことができる。信じていたものが嘘になる。そういうストーリーが好きなんです」と口にした。

最後にLEOは「最高の映画で、感動をもらいました。さまざまな年代の人に観てほしい作品です。いろんな感情を持ち帰って、いろいろ考えてほしいです」と、古田は「僕らの気付かない新しい問題を問いかけてくる。これからの未来を考える大きなきっかけになる作品です。お薦めです!」と力説。本作に関するイベントに出席するのは最後だというエドワーズは「今日が旅の最終日です。感情があふれます」と話し、「『ザ・クリエイター』は感情に訴えかける作品です」とアピールした。

「ザ・クリエイター/創造者」は10月20日に全国公開。

(c) 2023 20th Century Studios