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北宋を代表する画家・李公麟の幻の真作《五馬図巻》を公開『北宋書画精華』11月3 日より開催

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重要美術品 《五馬図巻》 (部分) 李公麟 中国・北宋時代 11世紀  東京国立博物館蔵 Image: TNM Image Archives

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2018年、中国・北宋時代を代表する画家のひとり、李公麟(り・こうりん/1049?~1106)の幻の真作《五馬図巻》(現・東京国立博物館蔵)が約80年ぶりに出現した。これを契機とし、日本に伝存する北宋時代の書画の優品を一堂に集める特別展が、東京・港区南青山の根津美術館で、11月3 日(金・祝)から12月3日(日)まで開催される。

宋時代(960-1279)は、中国書画史におけるひとつの頂点であり、その作品は後世に「古典」とされた。日本でも南宋時代(1127-1279)の作品が中世以来の唐物(からもの)の愛好者たちの間で賞翫されてきたが、その前の北宋時代(960-1127)の文物も、同時代の平安後期に早くも将来されていた。さらに近代になると、清朝崩壊にともなって流出した作品をアジアにとどめるべく当時の実業家たちが蒐集に努めたため、多くの重要作が伝わることになったという。

同展開催のきっかけとなった李公麟の《五馬図巻》は、歴代の中国皇帝が「神品」として高く評価してきた名品だ。清朝崩壊時に日本にもたらされたが、その後に行方がわからなくなり、これまではモノクロの印刷物のみで知られる幻の名品と化していた。李公麟は、線のみで対象を描く白描画に独自のスタイルを確立して高く評価された画家だが、発見された真作の《五馬図巻》は、意外にも色彩が豊かだった。これまでの「白描画の名手」という李のイメージを超えるものであり、北宋絵画史の書き換えを迫るほどのインパクトを有するそうだ。

同展では、アメリカ・ニューヨークのメトロポリタン美術館から、李公麟の白描画の基準作とされる《孝経図巻》も特別出品される。こちらは、古拙な墨線を主としながらも、山水や樹石には墨の濃淡や点描風の描写も認められ、水墨山水画が大成された北宋時代にふさわしい清新な白描画風を示す名品。李公麟の《五馬図巻》と《孝経図巻》が並ぶのは、まさに稀有な機会となる。

そのほか、関西の実業家たちが蒐集した山水画の傑作、肖像画や仏画、さらに五馬図に跋文を寄せた黄庭堅(こう ていけん)の名筆など、国宝と重要文化財を含む名品が目白押し。北宋の書画芸術の真髄に迫る日本で初めての展覧会となるため、お見逃しなく。なお、この館は広大な日本庭園の散策も楽しみだが、秋の紅葉の見ごろは例年11月後半からだという。

<開催情報>
特別展『北宋書画精華』

会期:2023年11月3日(金・祝)~12月3日(日)
会場:根津美術館
時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜(祝日の場合開館翌日休)
料金:オンライン日時指定予約一般1800円、大高1500円
公式サイト:
https://www.nezu-muse.or.jp/

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