金鶴賞で「消失的她」が作品賞、ホアン・ボー×ワン・イーボー「熱烈」は観客賞に輝く
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中国映画「ロスト・イン・ザ・スターズ」(原題「消失的她」)ポスタービジュアル
第8回ゴールドクレイン賞(金鶴賞)の授賞式が本日10月24日に東京・有楽町朝日ホールで開催。「ロスト・イン・ザ・スターズ」(原題「消失的她」)が最優秀作品賞に輝いた。
中国映画の最新作・話題作を一挙上映する東京・中国映画週間の出品作から、優れた作品やスタッフに賞が贈られるゴールドクレイン賞。授賞式は「2023東京・中国映画週間」のクロージングとして行われた。日本からはプレゼンターとして市村家橘、水田わさび、雑賀俊朗、工藤夕貴、青木崇高、滝田洋二郎、奥田誠治、本木克英、坂上直行が参加した。
イベント冒頭では今年ラインナップされた作品の映像が次々とスクリーンに登場。クロージング作品として上映されるホアン・ボー(黄渤)とワン・イーボー(王一博)の共演作「熱烈」の映像が映し出されると、ひときわ大きな歓声が。日本中国文化交流協会の副会長を務める栗原小巻は「今回上映された選りすぐりの中国映画は、どの作品も日本の観客の真心に伝わったと確信しています」と口にする。
まず最初に発表された芸術貢献賞は「昆劇映画 邯鄲記」(原題「邯鄲記」)が受賞。同作に出演しているジー・チェンホワ(計鎮華)は「伝統劇が映画化されたことは大変意味があること」「伝統と芸術をより多くの人に知ってもらうことを願っています」と期待を込める。最優秀アニメーション作品賞は「長安三萬里~思い出の李白~」(原題「長安三万里」)へ。プロデューサーであるソン・イーイー(宋依依)は「このような機会をいただけたことがうれしいです。これからも作品でいろいろなものを伝えていきたいです」と意気込む。また新鋭監督賞を獲得した「夏が来て、冬が往く」(原題「夏來冬往」)の監督ポン・ウェイ(彭偉)は「この作品に携わってくれたすべての方に感謝します。この映画は日本で引き続き上映されます。足を運んでみてください」と呼びかけた。
続いて、観客賞のプレゼンターとして映画プロデューサーの坂上が登場。「作品を買い付けるときなどは、お客さんに支持されている作品かどうかが非常に大きな指針。観客賞は大きなウェイトを占める賞だと思っています」と言い、「(イベント冒頭で)13本の映像が流れましたが、この作品の拍手と歓声が一番大きかった」と受賞作を示唆すると会場から歓声が巻き起こる。改めて受賞作が「熱烈」と発表されると、会場から大きな拍手が贈られた。日中映画祭実行委員会の副理事長・渡辺満子は「賞をキャストやスタッフの皆様にお届けすることをお約束します。ファンの皆様おめでとうございます!」と祝福し、「映画を拝見しましたが、ものすごくエキサイティングな作品。観たあとは踊りながら帰ってください」と笑みをこぼした。
最優秀主演女優賞は「ロスト・イン・ザ・スターズ」のニー・ニー(倪妮)、最優秀主演男優賞は「マニフェスト」(原題「望道」)のリウ・イェ(劉燁)の手に。残念ながら来場できなかった2人は受賞を喜ぶ動画メッセージを寄せた。ニー・ニーは「この賞を皆さんと分かち合いたいと思います」、リウ・イェは「とてもうれしく興奮しています」と語った。さらに「マニフェスト」は審査員特別賞と最優秀監督賞も獲得。監督のホウ・ヨン(侯咏)は「30数年映画を作ってきて、初めて監督賞を受賞しました。監督になろうとしたとき、上司に『トップカメラマンを辞めて、二流監督になるのか?』と言われたんです。進んできた道に間違いはなかったと確信しました」と受賞を噛み締める。
そして最優秀作品賞の栄冠は「ロスト・イン・ザ・スターズ」へ。本作は、とある不可解な事態に直面した夫婦を描いた物語。結婚記念日の旅行中に突然姿を消した妻を探す夫だったが、再び妻が現れると、その女性は自分の妻ではないと主張する。それぞれに隠し事を抱えた夫婦、さらには弁護士を巻き込んで、この奇妙な事件の謎は徐々に明らかになっていく。プロデューサーのチェン・ジョンユェン(銭重遠)は「この賞は私たちにとって、このうえない栄誉で励ましです。これからも優れた作品を作っていきたいです」と言葉に力を込めた。
なお大阪・TOHOシネマズ 梅田では10月26日から11月1日にかけて「2023大阪・中国映画週間」が開催。「ロスト・イン・ザ・スターズ」を含む計16本が上映される。
第8回ゴールドクレイン賞 受賞結果
最優秀作品賞
「ロスト・イン・ザ・スターズ」
審査員特別賞
「マニフェスト」
最優秀監督賞
ホウ・ヨン「マニフェスト」
最優秀主演男優賞
リウ・イェ「マニフェスト」
最優秀主演女優賞
ニー・ニー「ロスト・イン・ザ・スターズ」
観客賞
「熱烈」
新鋭監督賞
ポン・ウェイ「夏が来て、冬が往く」
最優秀アニメーション作品賞
「長安三萬里~思い出の李白~」
芸術貢献賞
「昆劇映画 邯鄲記」