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中村時蔵・梅枝親子が『鎌倉三代記』で初役共演 “三姫”演じる梅枝「命の限り燃え尽きたい」

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合同取材会より 左から中村梅枝、中村時蔵、中村芝翫

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東京・歌舞伎座の11月公演は、「吉例顔見世大歌舞伎」(11月2日初日~25日千穐楽)が開催される。夜の部では、大坂夏の陣を題材にした義太夫狂言の名作『鎌倉三代記』を上演。人形浄瑠璃で上演されたのち、歌舞伎では1818(文政1)年2月の江戸・中村座で初演された時代物の傑作だ。

『鎌倉三代記』より 佐々木高綱役:中村芝翫  ©松竹
『鎌倉三代記』より 左から、時姫役:中村梅枝、三浦之助義村役:中村時蔵  ©松竹

今回は、爽やかさと哀愁が漂う若武者・三浦之助(みうらのすけ)を中村時蔵、“三姫”と呼ばれる大役のひとつである時姫(ときひめ)を中村梅枝、知略に優れた武将・佐々木高綱(ささきたかつな)を中村芝翫が勤め、時蔵・梅枝親子が揃って初役で勤めることも話題を集めている。都内で3人が取材に応じ、意気込みを語った。

同演目については、約50年前に3日間だけ時姫を演じたことあると明かす時蔵は、「また時姫を、思っていたところ、まさか三浦之助の役が来るとはと驚きました」と初役に驚きの表情。人間国宝の中村梅玉に教えを請うといい、「忠実に守っていきたい」と強い思いを明かした。

大役に挑むことになった梅枝は、「この歳でやらせていただけるとは思っておらず、光栄で、ありがたいと同時に戦々恐々としております。命の限り燃え尽きたい」と緊張した面持ち。「若造だからこそできる時姫を追い求めていきたい。父や芝翫のお兄さんの胸を借りてお客様の心に残るものにしていきたい」と背筋を伸ばした。

取材会では「最近、父も年のせいか、足腰が弱ってまいりまして、非常に心配」(梅枝)、「憎らしいでしょ?」(時蔵)と微笑ましいやりとりも。その様子に、芝翫は「以前のうちの親子を見ているよう。私も父のことを思い出しながら、舞台に立つことが多いので、懐かしくいつも見ています」と目を細めた。

その芝翫にとって、佐々木高綱を演じるのは3度目となり、「初演は、阪神大震災があったこともあり、思い出深い作品。ドラマの深さを重視して、観ていただければ」とアピール。梅枝に対し、「昨今は本当に女形さんが少ない。お父さんのように大立者の女形になってほしい」と期待を寄せた。

【『鎌倉三代記』あらすじ】
北條時政と源頼家との戦の最中。劣勢を余儀なくされた源頼家に仕える三浦之助は、病床の母長門のもとへ、別れを告げに現れる。出迎えたのは、敵方時政の娘ながら三浦之助の許嫁・時姫。長門は気丈に息子との対面を拒み、時姫は三浦之助を恋い慕う心を打ち明けるが、三浦之助は、時姫に心を許さない。そこへ、百姓の藤三郎が時政の命により、時姫を呼び戻そうとやってくる。しつこく時姫に言い寄るも、逆に斬りつけられて井戸へと逃げ込む藤三郎。しかし、藤三郎の正体は三浦之助と共謀する佐々木高綱だった。

<公演情報>
歌舞伎座新開場10周年「吉例顔見世大歌舞伎」

<夜の部>
二、『鎌倉三代記』

出演:
三浦之助義村:中村時蔵
時姫:中村梅枝
おくる:市川高麗蔵
阿波の局:中村歌女之丞
讃岐の局:中村梅花
富田六郎:中村松江
母長門:中村東蔵
佐々木高綱:中村芝翫

2023年11月2日(木)~25日(土)
会場:東京・歌舞伎座

チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2336468

公式サイト:
https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/843

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