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盟友・三浦大知も登場! 瞬きするのさえ惜しかったs**t kingz Dance Live in 日本武道館『THE s**t』レポート

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s**t kingz Dance Live in 日本武道館『THE s**t』10月25日(水) 日本武道館

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ダンサーとしてライブツアーや舞台公演を行う傍ら、国内外数々の人気アーティストの振付を担当し、今やダンス界の先駆者として名高いs**t kingz(シットキングス)。ダンスグループとして単独ライブを行っていく中で、いつしか叶えたい夢のひとつになっていたという武道館公演が、ついに実現した。歌わないダンスグループのライブとしても史上初であり、s**t kingz結成15年目にして初となるこの武道館ライブは、彼らがダンスパフォーマンスに特化したグループの活動域を広げるためにどんな道のりを歩み、自らの表現と向かい合ってきたのかを肌で感じる時間となった。

ステージ後方には様々な背景を映し出す巨大ビジョン、両サイドには生演奏のバンドメンバー。ステージを囲んですり鉢状に作られた客席には、チケットを即日完売させたファンたち。この武道館公演の少し前まで全国7大都市12公演のツアー『踊ピポ』をまわっていただけあって、煮え立つように真っ赤な月の映像をバックに現れたs**t kingz4人は、のっけからフルスロットルのパフォーマンスで場内のテンションを上げていく。老若男女まじった分厚い歓声に応えるように、キャッチーかつコミカルな「TRASH TALK feat.Novel Core」、shojiプロデュース楽曲「Get on the floor feat.MaL,ACHARU & DREAD MC」など、曲のテンポ感は違えど足の上げ方、肩の入れ方ひとつを見ても常に全力だ。

特に「Get~」はs**t kingz作品の中でもピカイチな激しさを誇る曲で、1拍の中に連打で盛り込んだ足裁きと4人のシンクロが見事すぎて、瞬きするのさえ惜しくなる。そんなダンスとは裏腹な笑顔を見せて叫ぶ、「今日までマジでドッキリじゃないかなと思い続けてきましたが、みんなの歓声を聞いて本当なんだなと思ってめちゃくちゃ幸せです!」(shoji)「なんか、まだ地に足着いてないよーー!ふわふわしてるよ!」(NOPPO)と嬉しさ爆発なMCで、少しほっとするほどだった。

通常のライブとは違い、色々な試みを施したというこの日の構成は、まさにs**t kingzの魅力と才能を余すことなく味わえる内容。それぞれの人となりを全面に出したMCあり、ダンスとVEの絶妙なコラボあり、そして随所に散りばめられたソロコーナーもありという大盤振る舞いだった。

中でもソロコーナーでは、それぞれの演出によるダンスで魅了する。派手なレーザー光線が交差する中、ダンスポップEDMの重いリズムと独特なステップでトランス空間を作り出すshoji。

shoji

自分のダンス遍歴を語りながらロッキンからジャズ、ヒップホップなど様々なジャンルのダンスを踊るという、想像を絶するタフさを見せるOguri。

Oguri

女性ボーカルの楽曲に合わせて体を捻り、床を自在に転がり、柔軟性を活かして大胆かつ優雅な世界観を作り上げたkazuki。

kazuki

たゆたう長い手足を可憐に操り、まるで水中にいるかのような無重力感のあるダンスで幻想的な空間を生みだしたNOPPO。

NOPPO

緻密ながらも高いシンクロ性を誇るs**t kingzの技をあえてひとりずつ味わうことで、この4人がひとつになったときの爆発力をあらためて思い知った。

4人それぞれが人生の敗北感を全身で演じる「Bright feat.渡辺大知」、人の心に住み着いてしまう憂いを擬人化したような「心躍らせてfeat.上野大樹」など、s**t kingz2作目となる“見るダンス映像アルバム”『踊救急箱』に収録された楽曲が始まるたびに、客席からは歓喜の声が沸く。映像で見ていた彼らのダンステクニックや表現を生で見られることが、なんだか贅沢な気さえしてくる。

そして、そんなライブだからこその醍醐味は、中盤に用意されたコメディコーナー「せが家」でさらに大きくなった。お父さん(Ogri)、お母さん(shoji)、息子のたかし(NOPPO)、犬のカズー(kazuki)に扮した寸劇なのだが、これがまた個性あるキャラだらけで面白い。たかしの絵日記を読み返しながら、パスタ、DVD、人形などを使って踊り、つまりこれまでの舞台公演で行ってきた演目の1シーンをダイジェストで披露していくのだ。ここではダンスだけではないコミカルなセリフまわしや表情、ミュージカルさながらのジェスチャーダンスという、舞台作品でしか見られない彼らのエンターテインメントを堪能できた。ちなみに、ここまでも踊り通しなのに犬のカブリモノを着て汗だくで踊り続けたkazuki、お母さん役のためじつはピンヒールで踊っていたshojiのプロ根性もすごかった。

後半はシュールかつアッパーな名作「Oh s**t!! feat. SKY-HI」から、まさに衝動にまかせた動きがハラハラさせる「衝動DO feat.在日ファンク」、場内一体となってタオルを回す「KID feat.LEO(ALI)」など、再び『踊救急箱』中心に煽りまくる。

そして、一度暗転。パッとライトが当たった先には、マイクを構えた盟友の三浦大知がスタンバイ。ステージ前方に上がるファイヤーボールと、MVと同様に燃え盛る洞窟の映像に彩られ、ボルテージMaxの「No End feat.三浦大知」が披露された。

もはや5人目のメンバーかと言えるほど息がピッタリのダンスと、奇数がゆえに実行できる奥行きのあるフォーメーション。その迫力と歓声で、武道館全体が揺れる。長い付き合いであり、絶大な信用のもと今こうして同じステージに立っている5人のパフォーマンスは、「まだまだこれから」という歌詞に込めた彼らの想いをリアルに感じさせた。それは、ついにここまで来た。だけど、目指す地点はまだ先にある、という覚悟だ。トークではお互いへのリスペクトと愛を炸裂させ、「これまで様々なことに挑戦してきた4人だからこそ、この武道館がある」という大地の言葉を、4人は胸を押さえながら、天を仰ぎながら噛みしめていた。

この日に感じた彼らの覚悟は、じつはもうひとつある。それは、s**t kingzの“ダンスが好きだ”という気持ちは、ダンスで人を幸せにしたいという願いにつながり、ひいては世界への祈りに通じているということ。終盤では、国内外問わずこれまで出会った人たちの写真や、そこへの想いを映したあと、チャーリー・チャップリンが映画『独裁者』の中で聞かせた演説に沿って踊るという斬新な一幕も。「希望を捨てるな」「自由のために闘え」と徐々に早口になり、感情を露わにしていくチャップリンの声にあわせ、4人の動きもどんどん過激になっていく。音楽のない、自由を説く声に合わせたダンスは、これまで経験したことのない強いメッセージ性を持って届けられた。

最後の挨拶では、これまでの道のりの厳しさと、それでも徐々に開拓できてきたことへの感謝を語り、感極まるshoji。その姿を、割れんばかりの拍手と歓声が包み込む。「皆さんの進む先に、僕たちs**t kingzはいます。皆さんの進む道で、また会いましょう」というOguriの言葉に続いて披露されたラストの「I’ll be there」は、折り重なる4人のアクションと寸分の狂いのないシンクロが爽快な一曲で、彼らが模索し続けてきた“ダンスが主役のステージ”の在り方を完璧に提示していた。

ダンス界を牽引する彼らの快挙は、もはや彼ら単体のものではなく、日本に数多いるダンサーたちにとっての夢の一歩といえる。s**t kingzにとっても、ダンスパフォーマンスグループにとっても史上初となる武道館公演、それはひとつの到達点でありながら、新たな歴史の幕開けでもあった。

Text:川上きくえ

<公演情報>
s**t kingz Dance Live in 日本武道館『THE s**t』

10月25日(水) 日本武道館

<関連情報>

■s**t kingz Dance Live in 日本武道館『THE s**t』アーカイブ配信
アーカイブ配信日時:2023年11月1日(水) 23:59まで
販売期間:2023年11月1日(水) 20:59まで
視聴チケット:5,500円(システム手数料380円別途)
https://liveship.tokyo/stkgz-nipponbudokan2023/

■shoji&Oguri
舞台『ある都市の死』
上演台本・演出:瀬戸山美咲
出演:持田将史 小栗基裕 小曽根 真
日程:東京公演:12月6日(水)~10日(日) 草月ホール
大阪公演12月12日(火)・13日(水) サンケイホールブリーゼ

公式サイト:
https://arutoshi.com

★チケット一般発売中:
https://w.pia.jp/t/arutoshinoshi/

■kazuki
「カズキのタネツアー2024」
2024年3月~6月 全国11都市開催!
公式サイト:
https://15th-stkgz.com/kazukinotanetour2024/

■NOPPO
NOPPOプロデュース公演
公式サイト:
http://15th-stkgz.com/noppo_project/

s**t kingz公式サイト:
https://shitkingz.jp/

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