工藤梨穂監督と岸井ゆきの ヴィム・ヴェンダース監督の『夢の涯てまでも』を語る【第1回丸の内映画祭】
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左から)岸井ゆきの、工藤梨穂
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すべて見る東京・丸の内に誕生した新たな映画祭「丸の内映画祭」が、10月28日から30日の3日間、丸ビルホールで開催。記念すべき第1回の今年は、第36回東京国際映画祭のコンペティション部門審査委員長を務める巨匠ヴィム・ヴェンダース監督作品や、今泉力哉をはじめ、国内外から注目を集める日本映画監督の作品など、計7タイトルの上映とトーク・レクチャーが行われた。
最終日の30日には、『裸足で鳴らしてみせろ』の工藤梨穂監督と、『ケイコ 目を澄ませて』で第46回日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞を受賞した岸井ゆきのによるトークイベントを開催。日本映画界を担う若き映画人の2人が、同日上映されたヴェンダース監督作の『夢の涯てまでも』(ディレクターズカット 4Kレストア版)について、その魅力を語った。
地球の滅亡が近づく中で、主人公のトレヴァー(ウィリアム・ハート)は、父親が発明した装置を使って、世界中を旅して集めた映像を、盲目の母親の脳に送り込もうとしていた。フランス、ドイツ、日本など世界各地でロケが行われた壮大な作品で、詩情豊かな映像、追跡劇、SF的な設定、そして小津作品への深い愛情が結集した287分の超大作だ。
工藤監督は「美術1つ1つが世界を作っている。世界観やばっ」とヴェンダース監督のこだわりに驚きの声。本作に限らず「ロードムービーが好き」だといい、「旅の中で、何かをしたいというのがある。青春、かな?」とその理由を説明し、『天国の口、終りの楽園。』(アルフォンソ・キュアロン監督)、『イントゥ・ザ・ワイルド』(ショーン・ペン監督)も好きだと明かすと、岸井は「最高ですね」とうなずいた。
岸井は『夢の涯てまでも』について、「SFのような、でもすんなり入り込める地続きのSF」とコメント。ヴェンダース監督の最新作で、第36回東京国際映画祭のオープニングを飾った『PERFECT DAYS』も鑑賞したといい、「ヴェンダースの作品は、音が意外な方向から来ることがあって、この作品もそういうシーンがありました。歌を口ずさむシーンでは、アフレコと口の動きが合っていなくて、これもヴィム・ヴェンダースの世界なんだと思った」と独自の批評眼を披露していた。
取材・文・撮影:内田涼
<開催概要>
第1回丸の内映画祭
会期:10月28日(土)・29日(日)・30日(月)
会場:丸ビルホール
10月28日(土)
15:00~ 『ハッシュ!』『ちひろさん』2本立て
19:45~ 今泉力哉監督ビデオトーク
10月29日(日)
12:00~ 『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』
14:30~ 『リスボン物語』
17:00~ 『東京画』
18:45~ 「小津安二郎とヴィム・ヴェンダース」特別講義
10月30日(月)
12:00~ 『夢の涯てまでも』ディレクターズカット4Kレストア版、『裸足で鳴らしてみせろ』2本立て
19:10~ 工藤梨穂監督+岸井ゆきの対談
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