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福岡の初タイトルか? 浦和の7年ぶり3度目の優勝か? ルヴァンカップ決勝が11/4(土)・国立でキックオフ!

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(写真左より)ウェリントン(アビスパ福岡)、アレクサンダー・ショルツ(浦和レッズ) (C)Jリーグ

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アビスパ福岡がクラブ史上初となるタイトルを獲得するのか、浦和レッズが7年ぶり3度目の優勝を果たすのか。今週末、国内三大タイトルの最初のチャンピオンが決まる。11月4日(土)・国立競技場で『2023JリーグYBCルヴァンカップ』決勝・福岡×浦和がキックオフを迎えるのだ。

決勝までの道のり、とくにグループステージの戦いぶりは対照的だった。福岡は鹿島アントラーズ、柏レイソル、アルビレックス新潟とDグループを戦って1位突破。前半戦を1勝1分1敗で終え、4月19日に行われた第4節・鹿島戦がターニングポイントとなった。1-1で引き分け濃厚と思われた試合終了間際、途中出場の中村駿の左CKを同じく途中出場のウェリントンがドンピシャヘッドをズバリ。D組首位に立った福岡は続く5月24日の新潟戦も2-1の逆転勝ちを収めると、6月18日・最終節・柏戦は12分のウェリントンの先制ゴールを守り切り、「ウノゼロ」で3連勝。D組トップのままプライムステージ進出を手繰り寄せた。

山岸祐也(アビスパ福岡) (C)Jリーグ

準々決勝では3日前の『明治安田J1リーグ』第26節でも対戦し2-0で完勝したFC東京と9月6日・10日に対戦。初戦は0-1で落としたが、勝負の第2戦では前半の内にシャドーの山岸祐也、左サイドハーフ小田逸稀がゴールを奪い合計スコアで逆転。2年連続4強入りし、次は名古屋グランパスと激突。10月11日・第1戦はハーフタイム直前の2列目の鶴野怜樹のへディンク弾、15日の第2戦は開始早々の1トップのウェエリントンの先制弾を守り抜いて1-0。2試合連続の「ウノゼロ」で初のファイナル進出を決めた。

クラブの新たな歴史の扉を開いた長谷部茂利監督は試合後、「個人的にうれしいし、これまでアビスパ福岡に関わってきた選手、スタッフ、現在関わっているみなさまにおめでとうと言いたい。とにかく選手たちに感謝して、よくやってくれた」と選手たちを労った。

ホセ・カンテ(浦和レッズ) (C)Jリーグ

一方、浦和はグループステージで苦しんだ。川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、清水エスパルスがひしめくBグループ6試合でわずか5ゴールにとどまった。分岐点は4連続ドローで迎えた第5節・川崎F戦。立ち上がりに先制点を献上するも、後半序盤にホセ・カンテが見の覚めるようなミドル弾を決めると、5試合連続引き分けがよぎった89分にカンテのヘディングがオウンゴールを誘って2-1、初勝利を挙げた。第6節・清水戦も1-1に終わって1勝5分・勝点8ながら混戦のBグループを1位突破したのだった。

苦しんだグループステージから一転、浦和はプライムステージ準々決勝ではガンバ大阪を相手に1-0、3-0と連勝。これまで出場機会が限られたアタッカー陣アレックス・シャルクとブライアン・リンセンが各2得点をマークし、3年連続でベスト4へ進出した。横浜F・マリノスとの準決勝は珍しい試合展開となった。第1戦はCFアンデルソン・ロペスのPK弾で0-1と横浜FMに先勝され、第2戦はCBアレクサンダー・ショルツが後半に2本のPKに成功して浦和が逆転したのだった。

2試合を通してPKのみの得点で決まるという稀有なゲームを終えたマチェイ・スコルジャ監督は「両チームとも力の差があまりなく、レベルの高いゲームをプレーしたので、PKで決まったという側面はあったと思う。この2試合でマリノスもいいプレーを見せていた。そして両チームとも、決勝に向けて全力を出し切って戦った」と振り返った。

長谷部茂利監督(アビスパ福岡) (C)Jリーグ

リーグ戦の戦いはと言うと、両軍ともまずまずの成績を残している。浦和は14勝12分5敗・勝点54の3位で逆転優勝に可能性を残し、福岡は13勝6分12敗・勝点45で8位に位置する。そんな中、福岡のここ最近の試合ぶりが気になる。

『ルヴァンカップ』準決勝の3日前に開催された10月8日『天皇杯 JFA 第103回全日本サッカー選手権大会』準決勝・川崎F戦で福岡はインテンシティの高いゲームを繰り広げたが、決定力の差を見せ付けられて2-4で敗退。2週間後に『明治安田J1』第30節で再び川崎Fと顔を合わせるも、2-4の返り討ちに遭った。20分に失点したが、4分後にFWドウグラス・グローリのゴールで追い付くと、66分に山岸がヘディングシュートのこぼれ球に自ら詰めて逆転。しかし、84分から川崎Fに3ゴールを畳み掛けられて、またもや2-4で屈した。

10月28日『明治安田J1』第31節・横浜FM戦も入りをよかったものの19分にゴールを決められると、強行軍の横浜FMが前半の内に3得点を叩き込み勝負を決める。相手のシュート8本に対して、福岡は12本のシュートを放つも1点が遠く、0-4の大敗に終わった。

サッカー界では「リーグ戦とカップ戦は別物」と言われているが、これだけ大量失点が続くと不安がよぎる。堅守をベースに勝点や勝利を積み上げてきて福岡ならば、なおさらだ。

だからこそ長谷部監督はロッカールームで「前年度のチャンピオンの横浜FMに対して、自分たちは何もできなかったわけではない。4点を取るチャンスはあった。フロンターレ戦もそうだが、自分たちの立ち位置を少しずつ上げて、一歩ずつ進んでいる。だから、今日は4点取られて負けてしまって、ファン・サポーターには申し訳ないが、次の試合に向けて心と体をいい状態で挑めるように持っていこう」と選手たちに切り替えの重要性を説いた。

マチェイ・スコルジャ監督(浦和レッズ) (C)Jリーグ

福岡ほどではないが、浦和も足踏み状態にある。『明治安田J1』第26節・名古屋戦から『ルヴァンカップ』準決勝第1戦に横浜FMに敗れるまで、公式戦11試合負けなしと好調を維持していたが、10月24日『AFCチャンピオンズリーグ2023-24』MD3・浦項に0-2のスコア以上の完敗。国内の戦いでフィジカル、球際で優位に立っていた浦和が完全に力負けをしたのはショッキングだった。『明治安田J1』大逆転優勝に勝点1も失えない崖っぷちで迎えた10月28日・第31節・鹿島戦はスコアレスドロー。球際も激しく、互角の好試合を披露しつつも、浦和も鹿島も決め手に欠いた。浦和はリーグ最少の22失点の堅守を誇りながら、リーグ11位タイの37得点が響き、引き分けは12試合を数えた。

スコルジャ監督も「シーズンを通して、今日のような取りこぼしが多かったと思う。とくにホームでの(第20節)FC東京戦、(第22節)横浜FM戦、(第27節)京都(サンガF.C.)戦など、1点を取っていればという試合があった。そういう試合で取りこぼしがなければ、今の時期我々の状況はまた違っていた」と振り返った。

10月31日、浦和に朗報が届いた。ニューヒーロー賞に17歳のMF早川隼平が史上最年少で選出されたのだ。7試合に出場し1得点、準決勝第2戦の同点PKとなるファウルを獲得するなど浦和の『ルヴァンカップ』決勝進出に貢献した早川は「可能性はあるかなと少し頭にあったが、言われた時は驚いたというのが一番」と率直な感想を口にした。

浦和からのニューヒーロー賞選出は最多となる6人目。2011年のFW原口元気(現シュツットガルト)、2021年のGK鈴木彩艶(現シントトロイデン)に続く、3人目のアカデミー出身となることを告げられると、早川はこう答えた。
「原口選手は話す機会がなく、テレビで見ることしかなかったが、『ワールドカップ』で結果を残した。このチームで育って、あそこまでいった選手がいるということはクラブにとってもプラスだと思うし、自分にとっても同じクラブ出身ということで身近に感じる。彩艶くんは昨年、今年と一緒にプレーし、プレー以外のところをよく見習わせてもらった。プレーも準備のところなど見習うことが多かった」

ニューヒーロー賞受賞の要因は「自分自身ここが飛び抜けているところはないと思っているので、総合的な判断を評価してもらえたのかな」と自己分析した。さらに早川は「ライン間という話はスタッフからも言われているし、サイドハーフやトップ下でプレーする上では重要なことだと思うので、そこで受けることは意識している。1トップに入る選手はそれぞれ個性が違うので、自分が裏に抜けられる場面も含めて、選手の個性を見ながらプレーすることは考えている」と続けた。

『ルヴァンカップ』決勝に向けて、意気込みを問われると、早川は「タイトルは選手でプレーしている以上、栄誉なもの。少しでも増やしていきたい。チームとしても個人としても、絶対に取るしかないという気持ち」とキッパリ。

早川隼平(浦和レッズ) (C)Jリーグ

両軍の公式戦の対戦成績を振り返ってみると、浦和が15勝6分5敗と圧倒。2004年11月の『天皇杯』4回戦から浦和が10連勝をマークしたが、ここ3試合は引き分けに終わっている。5月20日の第14節では互いに攻守で持ち味を発揮しながら、スコアレスドローで勝点1を分け合った。

果たして、福岡が「カップ戦とリーグ戦は別」を実証し、初めて歓喜の瞬間を迎えるのか、それとも浦和がリーグ戦逆転Vへ起爆剤となるタイトルを獲得するのか。『ルヴァンカップ』決勝・福岡×浦和は11月4日(土)・国立競技場にてキックオフ。当日は決勝進出クラブのクラブカラー、マスコットをモチーフにデザインした、ヤマザキビスケット社オリジナル特別パッケージのお菓子(非売品)を来場先着5万名にプレゼント。チケットは予定枚数終了。試合の模様はフジテレビ系列にて生中継。

取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)

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