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少女歌劇団ミモザーヌが“ビリギャル”団長の卒団公演。「メンバーとやっと舞台に立てた嬉しさは一生忘れません」

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インタビュー

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左から)ちばひなの、さかもとりるは、いまもりまなか、すずきゆい

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『サクラ大戦』シリーズの原作などで知られる広井王子が総合演出を手掛け、10代の20名から成るレビューカンパニー・少女歌劇団ミモザーヌ。12月からの冬公演で、20歳を迎えた2代目団長のいまもりまなかが卒団する。この2年、歌劇団を牽引する一方、有村架純主演で映画化された『ビリギャル』の文庫本のカバーガールに選ばれるなど活躍してきた。ちばひなの、すずきゆい、さかもとりるはの3人と共に、最後の公演を前に語ってもらった。

苦手な人の良いところを探して大人の階段をひとつ上がりました

――いまもりさんはミモザーヌに1期生として入ったときは、高1だったんですよね。

いまもり はい。中3のときにオーディションを受けました。

――中2までダンス&ボーカルグループで活動されていたそうですが、学校ではどんな子だったんですか?

いまもり 行事が大好きでした。体育委員をやっていて、体育祭では先頭を切って応援団をやったり、リレーも毎年出ていたり。全力で突っ走っていました。

――ミモザーヌに入って団長も務めて、人間的に変わった面はありました?

いまもり 広井さんと出会って、ものごとの考え方が変わりました。生きていく中で苦手な人と出会うこともある。そこで嫌いと思うのでなく、良いところを探してみるように教えていただいたんです。そうすると性格的に合わない人でも、自分にない部分が素敵に思えるようになりました。大人の階段をひとつ上がった感じがします。

――同期のちばさん、すずきさんから見て、いまもりさんが変わったと思うところはありますか?

ちば 第一印象は怖かったんですけど(笑)、一緒にいる時間が多くなるにつれ、いい意味で子どもっぽいところが見えてきました。レッスンが終わってから、テンションがバグって、ハッチャケて暴れていたり(笑)。

すずき 団長になってからは1人1人をよく見ていて、みんなでミモザーヌを盛り上げようという想いの強さが伝わってきました。公演前に円陣を組んで掛ける言葉も、言い方やトーンも含めてめっちゃ好きで、まなかちゃんが団長でいてくれるから頑張ろうと気が引き締まります。

――いまもりさんのどんな言葉が印象に残っていますか?

すずき 覚えている言葉はないんですけど……。

いまもり ないのか(笑)。

すずき でも、いつも「自分を信じて。みんなを信じて」と言ってくれるのは響きます。

ちば 前に立って引っ張るというより、同じ目線で仲間として一緒に考えてくれます。

すずき オラーッ!という感じではないよね(笑)。

ちば それで私たちがわからなくなったときは、一歩前に出て指摘してくれたり。

――3期生のさかもとさんにとっては、どんな先輩でした?

さかもと 自分の中で迷っていることがあると、感づいて話し掛けてくれます。顔には出していないし、迷った素振りもしてないはずなのに、わかるのがすごいなと思っています。

――そこは団長として目配りをしていて?

いまもり メンバーのことをよく見るようになったのは、自分でも感じています。団長になって初めの頃は、何をしたらいいのか本当にわからなくて、頼りなかったと思います。でも、団長だからというより、まずはメンバー1人1人と向き合ってみようという想いに変わりました。

――悩んでいるとわかるものですか?

いまもり りるはは「顔に出さない」と言ってましたけど、「とらとら」の隊長をやるときとか、本番前にカチカチになっているんです(笑)。だから「大丈夫! りるは節でいけば絶対に楽しんでもらえるよ」とか声掛けはよくしています。

――いまもりさんが去年、『ビリギャル』の文庫本のカバーモデルになったときは、歌劇団内でも盛り上がりました?

すずき 「金髪、似合う!」って(笑)。

ちば 電車とかでポスターを見つけたら「まなか発見!」と写真を撮ってました(笑)。

いまもり そういう連絡が来るのが嬉しかったです。

――今も坪田塾のポスターなどで写真が使われていますが、自分を街で見ると、どんな感じがします?

いまもり 初めは誰だかわからなくて(笑)。でも、おかげでミモザーヌのこともたくさんの方に知っていただけました。私自身、ギャルになったことがなくて、金髪もかつらで初めてでしたけど、新しい自分の表情が出たのかなと思います。

水着グラビアをやったら新しい自分が見つかって

――すずきさんはミモザーヌに入ったときは中学生でした。

すずき 中3になった年ですね。私はずっとダンスをしている生活でしたけど、学校では今と同じようにイジられがちで(笑)、いつもポケーッとしていました。

――ジャズ、ワック、ヒップホップ、ヴォーグとやってきて、いろいろなコンテストの受賞歴もありますが、ダンスを始めたきっかけは?

すずき もともとバトントワリングをやっていて、一緒に習っていた地元のお姉さんのダンスのイベントを見にいったとき、カッコイイなと憧れて始めました。

――ミモザーヌでもダンスで苦労することはなかったですか?

すずき いえ、ずっと苦戦しています。それまで1人で踊ってきた分、みんなで合わせるのが大変で、「私は人のことを全然見てなかった」と思いました。それが今でも課題です。

――現在高2のちばさんは、中1からミモザーヌに。

ちば 中学では活発で、クラス委員長になって生徒会活動をしたり、そういうことが好きでした。勉強は苦手だったんですけど(笑)、友だちは多くてワチャワチャ楽しくやっていました。

――最近は水着グラビアでも活躍していますが、やりたいことだったんですか?

ちば 自分でもミモザーヌとしても、水着のイメージはなかったんですけど、私より先に、まなかとゆいといわむらゆきねが3人で雑誌に出たことがあって。それを見て、きれいだなと思って、グラビアのイメージが変わりました。それから自分もお話をいただいて、1人で成り立つのか不安でしたけど、撮影に行ったら、すごく楽しくて。新しい自分が見つけられたなと思えました。

――他のメンバーもちばさんのグラビアは見てます?

いまもり めっちゃしっかり見ました(笑)。かわいいし、きれいだし、ひなのらしい笑顔の輝きが全開で素晴らしい。これは写真を撮りたくなるし、ファンになるなと思いました。

さかもと 本当にかわいらしすぎます。私的にはミモザーヌではお姉さんに見えていたんですけど、こういうあどけない顔もするんだなとか、いろいろな表情が見られました。スタイルもかなり羨ましいです(笑)。

――ちばさんはスタイルキープには気を配っているんですか?

ちば グラビアをやるようになってから、自分磨きを研究するようになりました。筋トレをしっかりするようになって、食事にも気をつけています。

――他のメンバーがお菓子を食べていても、我慢していたり?

ちば 逆に、みんなと一緒にお菓子やごはんを食べるときに楽しめるように、普段控えています。

――さかもとさんは現在高2で、2年前に3期生になりました。

さかもと 入団した時は中3でした。今もですけど、学校でめちゃくちゃ目立ちたがりで、保健委員長をやっていました!

――保健委員長って目立ちますか?

いまもり ちょっと違うような(笑)。

さかもと 放送委員もやりたかったんですけど、運動会で保健委員として放送していました(笑)。委員長になると、発表会のときに舞台に上がって、みんなの前でしゃべれるので、そこで目立ってやろうと。でも、保健委員の仕事もちゃんとやっていました。ケガ人が出たら、一緒に保健室に連れていったり。

いまもり りるははミモザーヌに入ってきたときから、明るかったです。関東メンバーで、初めはあまり関われなかったんですけど、同期といるときの元気で楽しそうな表情は、すごく印象に残っています。

新幹線の中で勉強して夏休みは宿題を最後に追い込みました

――いまもりさんの卒団公演がだんだん近づいてきますが、5年間のミモザーヌでの活動で、特に感動的だったことは何ですか?

いまもり ひとつに絞るのは難しいですけど、コロナ禍が明けて、やっとできたお披露目公演はすごく思い出深いです。ミモザーヌに入ったときは、すぐ舞台に立てると思っていたら、1年間はみっちり基礎レッスン。公演ができる日は来ないかと思うくらいでした。そしたら、今度はコロナ禍になって、ぶっちゃけつまらないことばかりでした。

――レッスンもZOOMで受けていたそうですね。

いまもり そうなんです。対面レッスンができなくて、リモートで画面に向かって1人で踊るだけ。このまま続けていて意味があるのだろうかと、私だけでなくメンバー全員、気持ちがめちゃめちゃ落ちていました。会えないからこそ連絡は取り合って、電話もしていましたけど、みんな同じ想いだから、余計にどうしたらいいのかわからなくなって。

――あの頃は先が見えませんでしたからね。

いまもり 10代は大事な時期だと思っていたので、新しいことを始めるなら早いほうがいい。だから、もうやめようかと考えたことが何度もありました。それを乗り越えられたのは、何でも相談できるメンバーがいたおかげ。今思えば、あの期間があったからこそ、自分との向き合い方や自主練の仕方を学べましたし、やっとお披露目の舞台に立てたときはめっちゃ感動しました。ようやく見てもらえた! メンバーと一緒に公演を作れた! あの嬉しさと楽しさはたぶん一生忘れません。

ちば 終わって号泣じゃなかった?

いまもり 舞台の最後に「ミモザのように」を歌っているときからウルウルきていて、幕が下りたあとは、みんなで「本当にできて良かったね。楽しかったね……」って。

――あと、皆さん、勉強との両立も大変ではなかったですか?

すずき 私は中学も高校も公立で、普通に大学受験もしました。ミモザーヌでもやりたいこと、やらないといけないことがたくさんあって、私は関東メンバーで大阪までの移動にも時間がかかるので、新幹線でどれだけ勉強できるかが勝負だったんです。テスト前は「ヤバい! ヤバい!」と言いながらノートを広げたり、夏休みは合宿もあるので「宿題をやってない!」となって最後に追い込んだり。正直、寝ないで勉強したこともありました。

さかもと やっぱりテストと公演が重なったりすると、点数が取れなければ進級できないし、ミモザーヌを疎かにすると公演に影響が出てしまう。私も新幹線の中とか普通の電車でも、できる時間にちょっとずつ勉強してました。

いまもり 私も中・高は公立で、周りの子は土・日に遊びに行くことが多くて。誘ってはもらうんですけど、レッスンがあるから「ごめんね」と断っていました。学校で人間関係を築くのも大事なので、正直遊びたいとも思いましたけど、ミモザーヌのレッスンがそれ以上に楽しくて。友だちも応援してくれて勉強を教え合って、テスト前は徹夜もしながら、無事に高校を卒業できました。

ちば 私は勉強に関しては常にピンチです(笑)。英語は今後も使うと思うので集中して頑張ったり、微妙な科目は後回しにしたり、優先順位をつけて、より自分のためになるようにしています。

たくさん経験したことを活かして歌って踊れる女優を目指します

――いまもりさん卒団の冬公演『Love Letter~いまもりまなか卒団公演~』は、ストーリー的に夏公演の続きなんですよね。

いまもり そうなんです。夏公演では、良い子でいることを演じて悪い子に憧れを持つ少女が悩んでいましたけど、冬公演では成長して、愛について悩む物語になっています。

――Z世代の皆さんだと、ラブレターを書くような文化はないのでは?

ちば 私の周りではないです。メッセージを携帯で打って送るより、文字を書くほうが気持ちが伝わるので、感謝のお手紙を送ったりすることはありますけど。

すずき 私、今思い出したんですけど、幼稚園の頃に好きな男の子がいて。バレンタインにチョコをあげたとき、下に「すきです」と書いていたと母に聞きました。それもラブレターですよね?

いまもり かわいい(笑)。

すずき バレンタインが2月で、私は4月が誕生日で、その子がプレゼントをくれました。幼稚園児なりに気持ちを受け取ってくれたみたいで(笑)、「ありがとう」という感じでした。

――いまもりさんはひと昔前だったら、ラブレターをもらいまくりだったかと。

いまもり まったくないです。私、本当にモテなくて。実は中学生のとき、自分でラブレターを書いたことはありましたけど、バツでした(笑)。

――そんな男子がいましたか。

いまもり いたんです(笑)。でも、手紙を書くことは大事にしています。今はLINEやメールで済んでしまいますけど、小さい頃はお父さん、お母さん、お兄ちゃんの誕生日に「おめでとう。いつもありがとう」とか、短くても文字にして渡していました。最近できてないから、また書きたいです。

――ラブレターもまた書くんですか?

いまもり ラブレターはちょっとお休みにしておきます(笑)。

――卒団しても芸能活動は続けるそうですが、ミモザーヌで学んだことをどう活かしていきますか?

いまもり 本当にたくさんの経験をさせていただいて、ダンスも歌も大好きなので、ここで終わりにせず、アーティスト女優になりたいと思っています。歌って踊って、お芝居もする。ミモザーヌではフラメンコや日本舞踊も習ったので、いつかどこかで「やってみて」と言われたら、できるようにしておきます。

取材・文:斉藤貴志

<公演情報>
少女歌劇団ミモザーヌ冬公演
「Love Letter~いまもりまなか 卒団公演~」

【東京公演】
2023年12月23日(土)~24日(日)
会場:銀座博品館劇場

【大阪公演】
2024年1月6日(土)~7日(日)
会場:YES THEATER

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/showjokagekidan/

公式サイト:
https://showjokagekidan.com/

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