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主力温存にNO! ベストメンバーを選出!! 森保監督「2次予選はそんなに甘くない」

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三笘薫 (C)スエイシナオヨシ

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ベストメンバーか、否か。11月8日『FIFAワールドカップ26』アジア2次予選に臨むSAMURAI BLUE(日本代表)のメンバーが発表された。力差が明白な2次予選をフルメンバーで臨む必要性や『UEFAチャンピオンズリーグ』『UEFA ヨーロッパリーグ』と自国リーグの過密日程を戦う古橋亨梧や三笘薫、久保建英らを温存する選択肢、さらに選手のケガのリスクなど、さまざまな側面を受けてどんな布陣になるか注目されたが、森保一日本代表監督はほぼフルメンバーと呼べる選手たちを選出。その心は?

「毎回その時の活動のベストメンバーと考えて選んでいる。経験してもらうためだけの場ではないと考えている。『W杯』2次予選、最終予選、本大会と目標を持ってチームが前進するために、チームとして同じ経験をしながら前進することによってよりチームの結束力が高まる、強まると考えている。条件によっていろんな選手を試しながら、いろんな選手を入れ替えながらやっていきたいと考えている。ひとつ大きな理由としてチームとして戦うことで経験を共有し、どんな試合でも成果と課題はあるので、そこを共有しながら積み上げていくことを考えている」

ベストメンバーを組むプラスとケガのリスクのマイナスについて問われると、森保監督はこのように補足した。
「どんな対戦相手と戦っても成果と課題はあるし、どんな相手と戦っても我々の成長につながると思っている。今後の目標に向かって一戦一戦試すこと、経験することで、『あの時こうだったからこうしよう』とか、より多くの選手が共有でき、選手の対応能力につながるし、チームの共有につながるとも思う。ケガのリスクはいろんなところにある。サッカーは球技の中の格闘技、普段からケガのリスクはある。ただ疲労からのケガがないように、コンディションが悪い中無理やりプレーさせてケガしないようにしたい。みなさんが2次予選をどうとらえているかわからないが、2次予選はそんなに甘くない。前回大会のミャンマー戦はホームでは10点取ったが、アウェイでは2点だけ。グラウンドも悪い中、僅差で勝っている。(2014年大会のアルベルト・)ザッケローニさんの時は2次予選で2敗したこともある。前回は全勝したが、そんな簡単ではない。シリアとDPRコリアは最終予選で戦ってもおかしくない相手。我々は油断なく、隙なく戦っていきたい」

久保建英 (C)スエイシナオヨシ

SAMURAI BLUE(日本代表)メンバーフ26名は以下の通り。

【GK】
前川黛也(ヴィッセル神戸)0試合0失点
大迫敬介(サンフレッチェ広島)6試合6失点
鈴木彩艶(シントトロイデン/ベルギー)2試合2失点

【DF】
谷口彰悟(アルラヤンSC/カタール)22試合1得点
中山雄太(ハダースフィールド・タウンFC/イングランド)19試合0得点
町田浩樹(ユニオン・サンジロワーズ/ベルギー) 3試合0得点
毎熊晟矢(セレッソ大阪)2試合0得点
冨安健洋(アーセナル/イングランド)36試合1得点
伊藤洋輝(VfBシュツットガルト/ドイツ)12試合1得点
菅原由勢(AZアルクマール/オランダ)7試合0得点

【MF/FW】
遠藤航(リバプールFC/イングランド)54試合2得点
伊東純也(スタッド・ランス/フランス)49試合13得点
浅野拓磨(VfLボーフム/ドイツ)47試合9得点
南野拓実(ASモナコ/フランス)49試合17得点
古橋亨梧(セルティック/スコットランド)21試合5得点
守田英正(スポルティングCP/ポルトガル) 26試合2得点
川辺駿(スタンダール・リエージュ/ベルギー)6試合1得点
鎌田大地(SSラツィオ/イタリア)30試合6得点
相馬勇紀(カーザ・ピアAC/ポルトガル)11試合4得点
三笘薫(ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC/イングランド)18試合7得点
前田大然(セルティック/スコットランド)13試合3得点
堂安律(SCフライブルク/ドイツ)39試合6得点
伊藤敦樹(浦和レッズ)3試合1得点
上田綺世(フェイエノールト/オランダ)17試合2得点
田中碧(フォルトゥナ・デュッセルドルフ/ドイツ)22試合6得点
久保建英(レアル・ソシエダ/スペイン) 28試合2得点
※各選手の試合数・得点数(失点数)は国際Aマッチでの数字。

試合登録メンバー23名ではなく、26名を選出した理由を聞かれると、指揮官はこう返答した。
「大きな理由としてはケガ人やアクシデント等、不測の事態が起きた時に26名で乗り切っていこうと、登録メンバー+3名で臨むことになった。コンディションを含めて選手を入れ替えながら戦うことも選択肢に入れて戦っていきたい」

堂安律 (C)スエイシナオヨシ

代表復帰となった堂安、鎌田、相馬の評価を求められと。
「コンディションが戻ってきたので。現地デュッセルドルフのJFAのオフィスで選手とコミュニケーションを取ってもらい、我々が日本でチェックしている中で、プレーのパフォーマンスが代表選手としてふさわしいということでケガの状況、再発リスクもないということで招集させてもらっている。堂安は親知らずの治療で再発リスクが少なく来られるようになった。本人も継続して試合に出ることが可能になったし、所属チームにとってもリスクが軽減されたと言える。本人がしっかりプレーできることで我々にとっても還元される。
鎌田はヒザの痛みがあってリーグ戦と『チャピオンズリーグ』の連戦の中で代表に招集することがケガにつながるリスクが高いと判断して前回は呼ばなかったが、ヒザが良くなったのと昨日の『CL』フェイエノールト戦もチェックした上で招集させてもらった。
相馬は所属チームで3-4-3のシステムの中、両ウイングでプレーすることを確認し、よりゴールへ仕掛けていく彼の良さと上下動して攻守に関わるところを確認し招集させてもらった」

前川、大迫、鈴木のGKは3名とも国際経験が少ない点を指摘されると。
「経験が浅い、経験豊富とは言えない3人だと思うが、それぞれの所属先でいいパフォーマンスを見せている3人なので、所属クラブで見せているパフォーマンスを見せて、チームが勝つために存在感を発揮してくれると思っている。最初から経験豊富なベテランにはなれない。彼らは伸び代があるので、アジアの厳しい戦いを経験してより逞しい選手になっていってほしいと思う」

森保監督のミャンマーとシリアの評価はこうだ。
「ミャンマーは前回の予選で戦った時よりも経験値を上げていいチームになっている。世界大会を経験した選手が中心になりいいチームになっている。ドイツ人監督(ミヒャエル・ファイヒテンバイナー)が来て、個々、組織で激しく厳しく戦うチームになっている。
シリアは個々の局面で激しく戦い、いい守備をしながらカウンターを仕掛けてくる。試合巧者の部分がある。球際のところで勝って攻撃につなげていく。(エクトル・)クーペル監督が選手個々により高い要求をしながら、チーム力が上がっている印象がある」

6月15日・エルサルバドル戦の日本代表先発イレブン (C)スエイシナオヨシ

日本に対して極端に引いて守るアジア特有の戦いの難しさについて質問されると、森保監督は次のように答えた。
「戦い方としては世界で勝っていくことを目標に、攻守でバリーションを持って上回ることをやっていかないといけないと思っている。アジアだからと私自身はあまり思っていなくて、力を付けていくことが大事だと思っているが、現実的に相手がより守備を固めてくる。でも世界でも強固な守備でカウンターを仕掛けてくるチームもあるし、10月に戦ったチュニジアも堅守からのカウンターのチーム。相手の守備網をこじ開けるのは10月に経験しているので、それをイメージしながらまた目の前の相手に対応していきたい」

シリアは初戦・北朝鮮戦に続き、中立地・サウジアラビアでの連戦と移動のアドバンテージを得て、日本はキックオフ時間が夜8時から2時間15分早まり、高温多湿のビハインドを受けることになったが、森保監督は動じない。
「決定事項の中でベストを尽くさないといけない。最善の結果を出すためにどうしなければいけないか。現実の中でベストを尽くす、現実の中で結果を残すこと。アジアの中で不測の事態はたくさんあったので、それをネガティブに考えるのではなく、現実の中で考える。そして勝っていくことで自分たちが大きくなれると考え、時間が変わって、気温が変わるとかいろいろ想定した中で対応をしていきたい。 シリアはホーム・ホームで移動なく戦える。我々は長距離移動がありコンディションを整えないといけない。相手は移動なく準備できるので、我々にとってより難しくなることを覚悟しないといけない。より厳しい戦いが待っていると覚悟し、それでも我々が勝って前進していかないといけない」

森保一SAMURAI BLUE(日本代表)監督

果たして、SAMURAI BLUEは幸先のいいスタートを切るのか、それとも、アジアの洗礼を受けるのか。『FIFAワールドカップ26』アジア2次予選兼『AFCアジアカップサウジアラビア2027』予選・日本代表×ミャンマー代表は11月16日(木)・パナソニック スタジアム 吹田、21日(火)・プリンス・アブドゥッラー・アル・ファイサル・スタジアム(サウジアラビア)にてシリア代表×日本代表がキックオフ。ホームゲームのチケットは予定枚数終了。ミャンマー戦はテレビ朝日系列にて生中継、シリア戦の放送は調整中。

取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)

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