ジュマペール・ルパン…!古川雄大が歌にダンスに早替えに大奮闘するミュージカル「LUPIN」開幕
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古川雄大
「ミュージカル・ピカレスク『LUPIN ~カリオストロ伯爵夫人の秘密~』」が、昨日11月9日に東京・帝国劇場で開幕。同日昼に行われた囲み取材で、本作で帝国劇場単独初主演を飾る古川雄大が意気込みを語った。
これは小池修一郎が脚本・歌詞・演出、ドーヴ・アチアが音楽を担当する新作ミュージカル。小池の書き下ろし作品が帝国劇場で上演されるのは今回が初めてとなる。劇中ではモーリス・ルブランの小説「アルセーヌ・ルパン」シリーズを下敷きにした冒険活劇が展開。19世紀末のフランス・パリを舞台に、怪盗紳士アルセーヌ・ルパンと、テンプル騎士団に伝わる燭台の7本の枝を集めて財宝を手に入れようとするカリオストロ伯爵夫人を中心に、個性豊かなキャタクターたちが、それぞれの思惑のもと、駆け引きを繰り広げる。
本公演は一部Wキャストで上演され、9日昼のゲネプロでは、ボーマニャン役を黒羽麻璃央、カリオストロ伯爵夫人役を柚希礼音が務めた。
劇中で複数の扮装姿を披露するルパン役の古川は、白髪の博士から色男の実業家、鼻が利く新聞記者といった人物を鮮やかな早替えと七色の声色で演じ分け、演技の幅を見せる。また、ゲームを楽しむかのように人々を翻弄し、宝を手にするという行為の裏側にある、幼少期の心の傷を繊細に表現。ミステリアスな中にもルパンの人間味あふれる部分を匂い立たせた。
そんなルパンに心惹かれるクラリス役の真彩希帆は、初々しくも芯のある令嬢を好演。古川とのシーンでは、2人で旋律を歌い分けるといった遊び心ある仕掛けを、持ち前の歌唱力で見事にこなす。また、クラリスとの婚約をもくろみ、財宝を狙うボーマニャン役の黒羽は悪役として存在感を示し、シャーロック・ホームズ役の小西遼生と高校生探偵イジドール・ボートルレを演じる加藤清史郎はルパンを追う2人として物語を盛り上げた。
ルパン同様、さまざまな変装姿で登場するのは、カリオストロ伯爵夫人役の柚希。最初は敵対していたものの、ルパンと共に財宝のありかを探ることになったカリオストロ伯爵夫人の妖艶な魅力を体現し、キレのあるダンスも披露した。
劇中には、しっとりと聴かせるナンバーからアップテンポなものまで、アチアによるさまざまなタイプの楽曲がちりばめられる。また、楽曲のみならず、ルパンとクラリスの恋の行方、クスッと笑えるシーン、舞踏会や奇巌城で繰り広げられる迫力の殺陣など、ルパンのストーリーがエンタテインメント性高く立ち上げられた。
初日公演を前に古川は、「遠足に行く前日のようなワクワク感と、いよいよ始まるという緊張感に包まれています。おじいちゃんから子供まで楽しめる作風なので、帝劇に新しい風を吹かせられるのでは」とコメント。ルパン役について「何事も淡々とこなし、自由奔放に生きて恋もする、“ミス”ができないキャラクター。マントさばきやダンス、殺陣を完璧に見せなければならないので難しいです。劇中で必要となる、さまざまなことのレベルを上げる作業が大変でした」と役作りを振り返る。また、ミュージカル「1789 -バスティーユの恋人たち-」でアチアの楽曲を経験している古川は、「今回の作品も、全部の曲がキャッチーで耳に残る。色がはっきりと分かれているのはさすがだなと感じます。ただ、歌う身としてはハードルが高く(笑)、曲のパワーが背中を押してくれた」と明かした。
2007年に「ミュージカル『テニスの王子様』」で初舞台を踏み、2011年にはミュージカル「エリザベート」のルドルフ役で帝国劇場に初登場した古川。同劇場で単独初主演を飾る心境を問われると、「自分が歩んできた歴史を感じながら、1公演1公演かみ締めて演じたいと思います。が、この作品が素晴らしくあることがすべて」と言い、「初舞台の頃の自分が、今の自分を見たら『うそだろ』って言うはず。そんな当時の自分に声をかけるとしたら、『今はつらいかもしれないけど、もうちょっとがんばってみなさい』と優しくアドバイスしたい(笑)」と答えた。最後に「小池先生が帝国劇場に初めて書き下ろすという、先生にとっても挑戦のタイミングで僕自身も挑戦しながらタッグを組めるのは幸せなこと。皆さんどんな反応をしてくださるのか楽しみです。ぜひ足を運んでいただきたいですし、『LUPIN』を楽しんで、そして応援していただければと思います」とあいさつし、場を締めくくった。
東京公演は11月28日まで。その後、12月7日から20日まで愛知・御園座、29日から来年1月10日まで大阪・梅田芸術劇場 メインホール、22日から28日まで福岡・博多座、2月8日から11日まで長野・ホクト文化ホール 大ホールでも上演される。
「ミュージカル・ピカレスク『LUPIN ~カリオストロ伯爵夫人の秘密~』」
2023年11月9日(木)~28日(火)
東京都 帝国劇場
2023年12月7日(木)~20日(水)
愛知県 御園座
2023年12月29日(金)~2024年1月10日(水)
大阪府 梅田芸術劇場 メインホール
2024年1月22日(月)~28日(日)
福岡県 博多座
2024年2月8日(木)~11日(日)
長野県 ホクト文化ホール 大ホール
脚本・歌詞・演出:小池修一郎
音楽:ドーヴ・アチア
キャスト
アルセーヌ・ルパン:古川雄大
クラリス・デティーグ:真彩希帆
ボーマニャン:黒羽麻璃央(東京公演のみ)、立石俊樹
イジドール・ボートルレ:加藤清史郎
ガニマール警部:勝矢
シャーロック・ホームズ:小西遼生
カリオストロ伯爵夫人:柚希礼音(東京・愛知・大阪・福岡公演のみ)、真風涼帆
ドフロワ・デティーグ:宮川浩
レオナール:章平
(以下男女五十音順)朝隈濯朗、荒田至法、井口大地、奥山寛、島田隆誠、鈴木大菜、仙名立宗、中桐聖弥、畑中竜也、廣瀬孝輔、牧田リュウ平、丸山泰右、港幸樹、渡辺崇人 / 彩花まり、飯塚萌木、石田彩夏、伊宮理恵、鈴木サアヤ、平井琴望、真記子、政本季美、松田未莉亜、美麗、安岡千夏、山下麗奈