池谷のぶえ・渡邊圭祐・松雪泰子ら出演「無駄な抵抗」開幕、前川知大が“進化”に期待
ステージ
ニュース

「無駄な抵抗」より。(撮影:田中亜紀)
前川知大が作・演出を手がける「無駄な抵抗」が、去る11月11日に東京・世田谷パブリックシアターで開幕した。
これは、前川と世田谷パブリックシアターが約4年ぶりにタッグを組む作品。今回は、ソポクレスの「オイディプス王」といったギリシャ悲劇を元に、“運命”と“自由意志”を扱う新作が立ち上げられる。出演者には池谷のぶえ、渡邊圭祐、安井順平、浜田信也、穂志もえか、清水葉月、盛隆二、森下創、大窪人衛、そして松雪泰子が名を連ねている。
前川は「いい初日になりました。いくつか超えなくてはならない問題を抱えていたのですが、俳優たちの集中力は素晴らしく、本番で見事にやって見せてくれました。これからステージを重ねることで、どう進化していくのか楽しみです」とコメント。池谷は「お稽古のことを語るのも野暮ですが、今回の作品ほど樹海を彷徨った作品はありません。それは時に苦しくも、豊かな時間でもありました。そして目指す光を探すために、カンパニー全員で無駄ではない抵抗をしながら創り上げた作品を、やっとお客様と共有できることに喜びを感じています。前川さんの作品を観ると、なぜか魂が救われ、浄化される感覚があります。悲劇と言われる『オイディプス王』を基にした今回の作品ですが、前川さんの魔法によって、終幕後には救いの光を感じて頂けるものになったのではないかと思っています」と話す。
また渡邊は「深い森をかき分けて前に進もうと足掻き始めた稽古序盤、進むにつれて見えてきたのはどでかい山でした。麓で果たして登頂できるのかという自分への問いに対しての答えがようやく素敵な形で返ってきた気がしています。千穐楽までにまだまだ他のルートを見つけられる可能性に溢れる今作の無限大さに、無駄な抵抗を続けて良かったですし抵抗し続けたいです。とにかく楽しく充実した時間を最後まで噛み締めて生きたいと思います。稽古場で議論を重ねた全員の抵抗が、観に来ていただいた皆様の元に明るいモノとして届くことを願います」、松雪は「無駄な抵抗、初日を迎えました。作品の世界を言葉を紡いで、繋げていくその先に体感するものは何かを模索し続け、この日を迎えました。運命とは何か。人間の自由意思とは。抵抗とは何か。最後に広がる景色に何を思うのか。劇場にて体感してください。お待ちしております」と述べた。
上演時間は約2時間で、東京公演は11月26日まで。その後、本作は12月9・10日に兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールで上演される。一部公演では終演後にポストトークが開催される。
「無駄な抵抗」
2023年11月11日(土)~26日(日)
東京都 世田谷パブリックシアター
2023年12月9日(土)・10日(日)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
作・演出: 前川知大
出演:池谷のぶえ、渡邊圭祐、安井順平、浜田信也、穂志もえか、清水葉月、盛隆二、森下創、大窪人衛、松雪泰子