リドリー・スコットが語る仏文化とナポレオンへの情熱、新作がパリで世界初上映
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映画「ナポレオン」ワールドプレミアの様子。左からホアキン・フェニックス、ヴァネッサ・カービー。
映画「ナポレオン」のワールドプレミアがフランス現地時間11月14日にパリのサル・プレイエルで開催。ナポレオンを演じたホアキン・フェニックス、妻ジョゼフィーヌを演じたヴァネッサ・カービー、そして監督のリドリー・スコットらが参加した。
会場は、ナポレオンが率いたアウステルリッツの戦いでの大勝の記念に建てられた凱旋門にも程近い巨大なコンサートホールだ。全米映画俳優組合のストライキが集結したことで、キャスト陣も急遽参加が決定し、映画の舞台にもなったパリを訪れた。フェニックスはステラ・マッカートニーのスーツに身を包み、共演者やスタッフと久々の再会を楽しんだという。なおプレミアには、フェニックスの妻で俳優のルーニー・マーラもゲストとして参加した。
カービーは自身が演じたジョゼフィーヌへの共感を示し「離婚を公にされたときも、大きなプレッシャーの中で帝国の後継者を産むことができなかったときでさえも、ジョゼフィーヌは最後まで威厳を保ち、素晴らしい存在であり続けたと思います」とコメント。ナポレオンの盟友ポール・バラスを演じたタハール・ラヒムは「多くの経験を積むことができました。演出だけでなく、編集においても自分が何を望んでいるのかを熟知している監督を目の当たりにしているのですから。非常に感銘を受けました」と振り返った。
上映会場では軍楽隊のパフォーマンスも実施。スコットが姿を現すと、大きな拍手が送られた。彼は「皆さん、この映画を魅力的に思ってくださることでしょう。私はイギリス人ですが、もっとも有名なフランスの歴史をこの映画に収めました。正しく描けていることを願っています」と呼びかける。さらに「ナポレオンの伝説は、彼の生前と同様に今日でも注目されています。ナポレオンが1821年に亡くなってから、毎週1冊のペースで本が書かれ、それは1万400冊にも上ります。私はジョゼフ・コンラッドの小説をもとに、何年も前に構想を練り始めました。私のフランス文化への情熱が合わさり、ナポレオンへの熱は決して冷めることはありませんでした」と制作への原動力を明かした。
そしてスコットは「幸運にもホアキン・フェニックスをナポレオン、ヴァネッサ・カービーをジョゼフィーヌとして起用することができました。もちろん、ほかの素晴らしいキャストやスタッフたちにも恵まれました。皆さんにぜひ楽しんでいただけることを願っています」と締めくくり、観客やキャストと一緒に上映を見守った。
「ナポレオン」は12月1日に全国で公開。劇場公開後、Apple TV+での配信も予定している。