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日本での展覧会は最後?! 来年2024年2月から始まる『村上隆 もののけ 京都』記者会見レポート

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フォトセッション 壇上に舞妓と村上隆が登場

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来年2024年2月3日(土)~9月1日(日)、京都市京セラ美術館で、京都市美術館開館90周年記念展『村上隆 もののけ 京都』が開催! 現代美術の最前線で活躍し、世界中にその名を知られる村上隆にとって、日本で約8年ぶりに行われる大規模な個展だ。その記者会見が、2023年11月14日、京都の祇園甲部歌舞練場 八坂倶楽部で行われた。

芸妓さんたちによる「手打ち」

記者会見の始まりが告げられると、芸妓さんたちが拍子木を打ちながら登場! おめでたい席で披露される「手打ち」という演目が披露された。続いて、主催者を代表して京都市京セラ美術館小林副館長の挨拶の後、展覧会の概要が紹介された。

村上隆《⾦⾊の空の夏のお花畑》(参考画像) 2023年 デザインデータ 300×1000 cm Ⓒ2023 Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.

2000年から2001年にかけて村上は、展覧会『スーパーフラット(Superflat)』を日本とアメリカの各都市に巡回、同時に「スーパーフラット宣言」を発表。欧米中心のアートシーンに向けて、日本から独自の視点や価値を問いかけてきた。いまや休む間もなく、世界中の美術館で個展を行う村上と一緒に記者会見の壇上に上がったのは、同展の企画を担当する京都市京セラ美術館 事業企画推進室の高橋信也氏。

(左)京都市京セラ美術館 事業企画推進室 高橋信也氏、(右)村上隆

村上といえば、カワイイ! とかキャラクター的な作品を思い出すが、同展では出品予定作品約170点のうち、ほとんどともいえる約160点が新作。「実はもう日本では展示したくない」という村上は、この記者会見会場が開かれた祇園甲部歌舞練場で、以前に「手打ち」を見て、芸術や美を継承していく姿に落涙したそうだ。そこから村上は、江戸時代の京都で活躍した絵師たちの芸術や美を継承するような展覧会にしたい、海外から借りたいと言われるような作品を見せたいと、展覧会をすることを引き受けたという。

村上隆《琳派のお花と抽象的図像》(参考画像) 2023年 デザインデータ Φ150 cm ©2015 Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.

今年の村上は、韓国の釜山市立美術館で『MurakamiZombie』、アメリカのサンフランシスコにあるアジア美術館で『Takashi Murakami: Unfamiliar People – Swelling of Monsterized Human Ego』というタイトルの展覧会を開催している。京都出身の高橋氏から、江戸時代の京都で活躍した絵師たちの話や京都の町の歴史を聞いて、村上が決めた京都での展覧会タイトルは、『村上隆 もののけ 京都』である。

(左)京都市京セラ美術館 高橋信也氏、(右)村上隆

「もののけ」?! 例えば、村上のスタジオでスタッフ同士がけんかになるほど、制作にてこずっているという「洛中洛外図」。高さ3メートルx幅約12メートルの京都を俯瞰する大画面の中に、貴族など華やかな人たちだけではなく、町屋や農家に暮らす庶民など、数千人もの人々が描かれているそうだ。さらに、神獣をモチーフにした作品が置かれた展示室の中央には、《六角螺旋堂》と称する鐘楼がそびえ、「もののけ」がさまよう気配を祓う役割を果たすという。

ショップで販売予定のクッキーを紹介する村上隆

高橋氏が「我々が見たことがない作品ばかり」という展覧会だけでなく、他にも彼らしい挑戦をする。京都市へのふるさと納税の返礼品で村上作品のトレーディングカードを取り入れたり、特設ショップでは、作品をモチーフにした展覧会オリジナルグッズや、会場でしか手に入らない限定商品を多数計画しているという。

来年のことを言うと鬼が笑うかもしれないが、期待大の展覧会であることは間違いなし。雪が舞う冬から五山の送り火も済んだ夏の終わりまで、季節や時間が移りゆく京都を楽しむように、『村上隆 もののけ 京都』を味わう計画を立ててみてはいかがだろうか。

(おまけ)
この記者会見が終わった後、京都南座でもうひとつの記者会見があった。京の年中行事「當る⾠歳 吉例顔⾒世興⾏ 東⻄合同⼤歌舞伎」で使われる、村上隆が原画を制作した「祝幕」のお披露目である。こちらも機会があれば、ぜひ見てほしい。原画は『村上隆 もののけ 京都』でも展示される。

村上隆が原画制作した京都南座の「祝幕」

取材・文:藤田千彩

<開催情報>
京都市美術館開館90周年記念展 『村上隆 もののけ 京都』

会期:2024年2月3日(土)~2024年9月1日(日)
会場:京都市京セラ美術館[ 新館 東山キューブ ]
時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
休館日:月曜(祝日の場合)
料金:一般2,200円、大学1,500円、高校1,000円
公式サイト:
https://kyotocity-kyocera.museum/exhibition/20240203-20240630

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