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ちょっと反抗期な15歳・寺田心、「屋根裏のラジャー」であきらめない心を教わる

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反抗期に入りかけていることを告白した寺田心。

アニメーション映画「屋根裏のラジャー」のジャパンプレミアが本日11月16日に東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズで行われ、声のキャストの寺田心、鈴木梨央、安藤サクラ、仲里依紗、山田孝之、イッセー尾形、監督を務めた百瀬義行、プロデューサーの西村義明が登壇した。

スタジオポノックが手がけた本作は、A・F・ハロルドの小説「ぼくが消えないうちに」をもとにしたファンタジー。愛を失った少女アマンダと、彼女が生み出した“誰にも見えない少年”ラジャーが想像と現実の世界を駆け巡るさまが描かれる。寺田がラジャー、鈴木がアマンダに声を当てた。

“イマジナリー”のラジャーに声を当てた寺田は、変声期のタイミングにアフレコを実施。「少しずつ変わっていく声を作品に収めることができて貴重な体験になりました」と振り返る。また「この映画を通してあきらめない心を教えてもらいました。僕とラジャーの共通点は信念。一度何かを信じたら疑わない」と述べ、「違うところは、15歳になってちょっと反抗期に入りかけているので……物事に対して斜に構えてしまうところがあります」と告白。「でもラジャーは『大丈夫。僕ならできるよ』といつでも素直でまっすぐ。ラジャーのようにありたいし、ラジャーが教えてくれた気持ちを忘れたくないです」と胸の内を明かした。

アマンダ役の鈴木は「自分より年齢が低い役だったので、自分の小さい頃の作品を観返して、子供の喜び方やピュアな気持ちを思い返しながら研究しました」と役作りに言及。アマンダの母リジー役の安藤は「なんでもスマホで調べたらすぐに視覚化できる時代。だからこそイマジネーションを題材とした作品はいろいろな世代に届くはず」と作品のメッセージに触れる。“イマジナリー”の少女エミリ役の仲は「いつも試写室で観るときは仕事モードなのに、嗚咽が漏れるくらい泣いちゃって……皆さんも帰るとき大変ですよ!」と忠告し、謎の男ミスター・バンティング役の尾形は「(本作を観たら)70歳の男も一瞬のうちに少年に戻るんですよ」と感想を伝えた。

山田はラジャーの前に現れる怪しげな猫ジンザン役で参加。「猫の王子様(『猫の恩返し』)、猫のスナックのママ(『ダーウィンが来た!』内のアニメ)、夜回りする猫(『夜廻り猫』)……今回で4回目です」と笑みをこぼし、「猫でオファーが来ると迷えない。『やります!』となっちゃうんですよ。もうアニメーションじゃなくても……なんなら猫になりたいですね!」と願望を口にする。百瀬はそんなキャスト陣に感謝の言葉を並べて「今回、絵を描くことと(アフレコなど)別の仕事が全部つながっているような感覚を味わえました」と手応えをうかがわせた。

舞台挨拶の終盤では、西村が「最後に僕の友達の話を」と切り出す。「40歳ぐらい離れた友達がいました。高畑勲という監督なんですけど。前に(高畑の)奥さんが交通事故に遭われたときに病院に行ったら『ご関係は?』と聞かれ、『友達です』と言って通してもらったことがあって。病室で奥さんと高畑さんはアハハと笑ってくれました」と懐かしそうにほほえみ、「僕はその監督の作品が小さい頃から大好きで。運よく『かぐや姫の物語』という映画を一緒に作りました。その後、ジブリを去った高畑さんと『もう1本作ろう』と約束していたんです。そしてこの原作に出会って企画している最中、高畑さんが亡くなった」と回想。「高畑勲という人がいなければ、僕はアニメーションを志していないし、百瀬監督にも出会っていないし、この作品も生まれていない。人はいずれ消えていくものですが、そこに何が残るのかを考えながら企画しました」と真剣な表情で伝える西村は、最後に「実は今日1席、僕のイマジナリーフレンドである“イマジナリー高畑勲”のために席を用意してもらいました。一番手厳しい先輩が観てくれます。皆さんもぜひ自分の“友達”と観てください」と優しく呼びかけた。

「屋根裏のラジャー」は12月15日に全国で公開。

(c) 2023 Ponoc