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カラコルムの山々、omeme tenten、daisansei、すなおが競演『FUTURE RESERVE vol.5』ライブレポート

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カラコルムの山々×omeme tenten×daisansei×すなお『FUTURE RESERVE vol.5』11月2日下北沢近道

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VINTAGE ROCKとぴあの2社で、今見たい!見てもらいたい!というアーティストをピックアップする共同企画『FUTURE RESERVE』。今回は11月2日下北沢近道にて開催されたvol.5をレポートする。

1バンド目は下北沢を拠点に活動する4人組シネマチック・ロックバンド、カラコルムの山々。

象猫像猫象……と呪文のように繰り返されるSEとともに、メンバー全員がサングラスをかけて登場。石田想太朗(Gt&Vo)以外はヘッドフォンを装着し、1曲目「猫象」へ。<むかしむかし暗い歌に 乗せて伝えられた話>と、物語が始まっていき、一気に不思議な世界観に引き込まれる。続いて、ギターから始まり手拍子ですら変拍子の「東京自転車」を演奏し「こんばんは、ようこそお越しくださいました」と石田が伝え、小川諒太(Key)の弾くメロディと木村優太(Ba)のベースラインが混ざり合い不気味さまでも感じる「盗電団」へ。曲の展開が様々で、おとぎ話に迷い込んだかのような気分になったが、力強い石田の歌声が道を照らし、ぐら(Ds)の冷静かつ芯の強い演奏が道を進めていく。

そして一度聴くと忘れられない、強い印象を与える「大仏ビーム」へ。計算された不協和音が鳴り響き、観客もただ音を受け取ることしかできずに、圧倒される。この楽曲がどうやって制作されたのか思わず気になってしまうのだが、時おり小川と木村がふっと笑顔になるのが人間味を感じることができてとてもよかった。今までの雰囲気から一転し、軽やかなリズムな「ハツラツ」へ。4人とも音楽が、楽器が好きで、それぞれの見せ場がありつつこだわりがギュッと詰まっており、一つずつ紐解きたくなるようなバンドだと思った。

MCでは『FUTURE RESERVE』に関して感謝を述べ、12月2日に下北沢で行われる『下北沢にて'23』に出演することを話し、ラストに「惑星数珠つなぎ」を披露。一つの物語をみたような、全て聴き逃したくないと思うような満足感のあるライブだった。

続いて、2022年春、東京にて結成された女性ボーカルの4人組ロックバンドomeme tenten。

「よろしくお願いします」と一言、灯(Vo&Gt)が告げ「from east」へ。花がそこに咲くような透き通る真っ直ぐな歌声で、力強く歌い上げる。続いて、たえり(Ds)のドラムビートに乗った「1.2.3.4」という灯のカウントで「円盤」へ。観客も曲に合わせて体を揺らす。<髪が伸びる>という歌詞で髪に触れたり、歌詞に思いを乗せて歌う灯の表現力と、楽曲の色がより鮮やかになるYuji(Gt)のギターソロが印象的だった。

MCでは、10月4日に1st Singleをリリースしたことと、11月26日に下北沢DaisyBarにて、『1st Single "Now & Then / ブラックホールなう" Release Party』を開催することを話し、「Now & Then」へ。イントロから疾走感のある楽曲で、メンバー全員の表情も豊かで、こちらもつられて笑顔になる。サビを彩る、たえりのコーラスもとてもよかった。

ギター弾き語りから始まり楽曲の良さをストレートに感じる「グッド・フィーリング」を聴かせ、「良い夜にしましょう」という言葉から「祈りたちよ」へ。楽しそうかつ柔らかい表情で目を合わせるたえりと善太(Ba)の演奏が楽曲を強く支える。

観客の手拍子を煽り、Yujiのグーサインが出たところでラストの楽曲「クリーミー呪って」へ。聴いていてとても気持ちの良い楽曲で、メンバー全員が歌う場面では思わず腕を上げる観客も多く、フロアの温度をぐっと上げ、楽しくキラキラした力強いパワーを与えたライブだった。

3組目は、「なんでもない毎日に捧ぐ、ささやかなドラマチック」を掲げている、daisansei。

穏やかな光が差し込むような「晴れ間を追い」でライブがスタート。安宅伸明(Vo&Gt)の柔らかくて暖かい歌声とフジカケウミ(Ba&Vo)の可愛らしく印象的な歌声が心地よく、このままずっと聴いていたいと思った。「次やります。いいですか?」と安宅がゆるりとした会話を挟み、先ほどまでギターを弾いていた脇山翔(Key&Perc)がキーボードへ移動し、フジカケがメインボーカルをつとめる「はるさめ」へ。

MCでは、安宅が物販を家に忘れてしまって、自転車と電車を使って取りに帰ったことを話し、「新曲にチャレンジする」と「とろみのつけ方」を演奏。安宅の歌う言葉がストレートに耳に入ってきて、朝食が似合うような優しい穏やかな朝が思い浮かぶ。続いて、脇山のキーボードのソロから、「ざらめ、綿飴」へ。観客全員が同じ景色を心で見ているような素敵な時間だった。

そして、11月8日に2枚目のフルアルバム『彼は紫陽花の行方』をリリースしたことと、12月16日に代官山・晴れたら空に豆まいてにて、ワンマンライブ『氷のとけるまえに』を敢行することを話し、イントロが美しい「約束は花になり」を演奏し、ラストは「お月様の曲を」と「ルートユー」へ。楽曲に関して「ひとりひとりの心にまんまるのお月様、三日月でも半月でもいいし、消えてしまっている人もいるかもしれないけど、各自のお月様が今宵綺麗に輝くことを祈ります。また、家に帰った後や次の日、来週、今日が素晴らしかったと思い出せるようなそんなお月様を浮かべられるように一生懸命演奏します」と話していたが、朝から夜を迎える、1日の流れをゆったり感じられるような、終始あたたかで穏やかな優しい気持ちになれるライブだった。

本日最後はスリーピースバンド、すなお。

「すなおです」と告げ、1曲目は「スイミングスクール」。大畑カズキ(Vo&Gt)がギターを弾くと、爽やかな風が吹く。演奏を支えるアミ(Ba)のベースラインが観客の体を揺らし、ゆーや(Ds)に関しては、ドラムはもちろんだが、サビのコーラスも素敵だった。続いて、静かに飛び跳ねながら演奏をするアミとギターソロまでも歌うように弾く大畑が印象的な「ひかり」へ。MCでは、「こんばんは、すなおです。よろしくお願いします。皆さん元気でしょうか?」と大畑が観客に話しかける。「11月といえば年末調整かな?」と話し、「ステージの上で税の話はやめよう。大体は忘れに来てるのに。失礼しました」と観客を笑わせた。

最近出した曲だという「Pine tree」を演奏し、ドラムが刻み大畑の「踊りましょう」という言葉からギターのカッティングが心地よく、思わずゆらゆらと体を揺らしたくなる「ヤマタマちゃん」へ。その後、12月6日にフルアルバム『貝殻を拾い集めるように』をリリースすることを話し、自分の告知に対して「大丈夫かな?」と心配する大畑に「伝わっていると思う」というゆーやの力強い言葉に、メンバーの関係性が見えた気がした。

また、大畑は『FUTURE RESERVE』というイベント名に対して「未来に僕らがいたらいいな」と言い、過去にぴあのイベントと近道で行われたイベントで1回ずつ発熱してしまい出演できなかったことを話し、「体調に気をつけましょうという曲です」とラストに「抱きしめて」を演奏。<できるだけ道に迷わないで 靴擦れしないような靴に毎回出会って>と祈りを込めて歌い上げたのだが、素敵な歌詞だなと思わず噛み締めた。誰かのために歌われ、演奏される曲は人の感情を動かすことを改めて気づかされ、本編は終了。終始、青い空や涼しい風などゆたかな景色が浮かびながら、バンドとしての熱さや芯の強さを感じられる、観ていて元気が出るようなライブだった。アンコールでは“はためいていて”を披露し、今夜のイベントは終了した。

Text:北純子

関連リンク

カラコルムの山々 公式サイト:
https://lit.link/KarakoramRange

omeme tenten 公式サイト:
https://linktr.ee/omeme_tenten

daisansei 公式サイト:
https://www.daisansei.jp/

すなお 公式サイト:
https://sunaoband444.base.shop/

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