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メディアを横断し制作を続ける白井美穂の初期作品から最新作までを展観『白井美穂 森の空き地』12月16日開催

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《Across the River》2005年 作家蔵

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国内外で活躍する現代美術家・白井美穂(しらい みお/1962-)の、美術館では初めてとなる個展『白井美穂  森の空き地』が、都立府中の森公園内にある府中市美術館で、12月16日(土)から2024年2月25日(日)まで開催される。

京都に生まれ、幼少期に東京に転居した白井は、東京藝術大学美術学部で学んだのち、1980年代末から大規模なインスタレーションの発表を始めた。当時はバブル経済が終焉に向かった時期で、社会的慣習や風俗を巧みに引用・流用し、家具や結界などの既製品を用いて制作した大胆なインスタレーションは大きな注目を浴びた。艶やかな黒色や反射する硬質の物質の使用が特徴的で、また写真の使われ方も印象深いものだった。

1993年にアジアン・カルチュラル・カウンシル(ACC)の助成を得てニューヨークに渡った白井は、2006年まで同地を拠点に活動する。帰国後は東京西部に戻り、映像や絵画、立体作品、インスタレーションなど、メディアを横断する作品を制作。2000年代半ば以降の作品では、ピンクや水色といった明るい色や、布や糸などの柔らかい素材が用いられ、また絵画が中心的役割を果たすようになっている。物語や錬金術書の挿絵などに想を得たイメージに、宇宙や生命の循環への思索が織り込まれているのもひとつの特徴だ。

同展は、洗練された造形と、深い思考を背景として複雑に意味を重ねて提示する手法が際立つ白井の35年に及ぶ創作活動を紹介するもの。1990年代前半に発表された初期の貴重な立体作品を約30年ぶりに再構成して最新作と合わせて展示するとともに、2000年代から華麗に展開してきた絵画を中心に、映像やオブジェを交えた展示構成を行うという。もの、空間、イメージが絡まり合うことで生まれる、複雑な意味や物語を内包する「迷宮」。白井が生み出すその「迷宮」を旅すれば、その先に開ける「空き地」で新たな発見がある——そんな予感をもたらしてくれる展覧会だ。

会期中は、アーティストトークや映像作品の上映会、対談なども予定されている。また、同館が継続して実施しているアーティストによる公開制作プログラムの第88回目として、今回は『髙田安規子・政子「くり返すカタチ」』が同時開催される。

<開催概要>
『白井美穂 森の空き地』

会期:2023年12月16日(土)〜2024年2月25日(日)
会場:府中市美術館
時間:10:00~17:00(入場は16:30まで)
休館日:月曜 (1月8日、2月12日は開館)、12月29日(金)~1月3日(水)、9日(火)、2月13日(火)
料金:一般700円、大高350円、中小150円(市内在住の中小無料)
公式サイト:
https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/

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