Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > 底抜けに楽しい!クラシック界の“切り札”が来日

底抜けに楽しい!クラシック界の“切り札”が来日

クラシック

インタビュー

ぴあ

撮影:千葉秀河

続きを読む

フォトギャラリー(6件)

すべて見る

12月、「フィルハーモニクス」が帰ってくる。

世界最高峰のオーケストラ、ウィーン・フィルとベルリン・フィルのトップ・プレーヤーたちによる最高峰のアンサンブル。といっても、こむずかしい“クラシック”とはぜんぜん違う。とにかくめちゃくちゃ楽しい。しかもハイクォリティ。クラシック界の“切り札”と言ってもいいだろう。抱腹絶倒と感動が同居するステージは、「クラシックを聴きたいけれど何から聴けばいい?」というよくある質問への、間違いなく最適解。

ノア・ベンディックス=バルグリー(ヴァイオリン=ベルリン・フィル)、ティロ・フェヒナー(ヴィオラ=ウィーン・フィル)、シュテファン・コンツ(チェロ=ベルリン・フィル)の三人に聞いた。

今回の来日公演の“目玉”が、「フィルハーモニクス」オリジナルの《カーニバル(謝肉祭)》だ。サン=サーンスの《動物の謝肉祭》をベースに、他のさまざまな動物たちも登場する「新版」。そして、ティロ・フェヒナー夫人でもある俳優・中谷美紀が朗読を務めるというのも大きな話題となっている。

ティロ「私たちのレパートリーの中には動物の曲がたくさんあるんです。それを使って私たち自身の《カーニバル》を作ったらどうなるだろうというアイディアから生まれました。クラシックはもちろん、さまざまなジャンルの音楽が登場します。ちょうどトレーラーができたところなのでお見せしましょう!」

といって見せてくれたPCの自作デモ映像には、おなじみのウィーンのこうもりや、聴けば必ず知っている60年代映画のアフリカの子象、あの有名な地球外生命体、宇宙酒場でスウィングするエイリアン・バンド等々、奇想天外、さまざまな“動物”たちがメドレー形式で登場する。

ノア「モダンなバージョンの《動物の謝肉祭》です」

シュテファン「日本公演が世界初演ですよ!」

ティロ「これからクラシック音楽を聴いてくれる子供たちが聴くのにもいいと思いますね。私が書いたストーリーを、ミキ(中谷美紀)が日本語のきれいな言葉でつないでくれます。日本以外の国でも興味を持ってくれているので、さまざまな言葉のバージョンを計画中です」

撮影:千葉秀河

とにかく楽しいフィルハーモニクス。自分たちも楽しくて仕方がないという雰囲気が、話ぶりからも伝わってくる。

シュテファン「ウィーン・フィルもベルリン・フィルも、いつも伝統的なシンフォニーをやっていますが、人生でそれだけをやるのはとても残念なことなのです。それ以外にもいい音楽はいっぱいあるから。それをやりたいと、このアンサンブルができたんです。ただ、シンフォニーと同じぐらいのクォリティでやらなければダメ。だからスピリッツとしては、オケで弾くのも、フィルハーモニクスで弾くのも同じです」

ウィーンとベルリン、名門オケのメンバーが一緒に演奏することで起こる化学反応もあるだろう。

シュテファン「反応どころか化学的爆発だよ! ものすごいエネルギーが湧いてくる」

この日のメンバーでちょっと面白いのは、ウィーン・フィルのティロはベルリン生まれ、ベルリン・フィルのシュテファンはウィーン生まれという逆転状態であること。ベルリン・フィル・コンサートマスターのノアはアメリカ出身なので、いわば中立。

ティロ「ウィーンはやっぱりヨーロッパの文化の中心だと思います。今日何のオペラをやっているか、みんなが知っている」

シュテファン「ウィーンの人たちは、政治より、国立歌劇場の次の総裁が誰になるかが大事。ベルリンではそれはあまり気にしてないよね」

ティロ「オーストリア人の関心は、あとはニューイヤー・コンサート。そしてスキーの話かな(笑)」

ノア「どちらの街もアメリカとは全然違って、歴史的な音楽会場から新しいものが生まれている。それが大事なところです。私たちが愛する音楽の、新しい道を、これからも一緒に探っていきたいですね」

その“新しい道”のひとつが今回の《カーニバル》。面白いだけではないのだ。でもやっぱり楽しい! 必聴。

フィルハーモニクス ウィーン=ベルリン with 中谷美紀

■チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2344376

12月12日(火) 19:00 開演
川商ホール 第1ホール

12月13日(水) 13:30開演/19:00開演
東京オペラシティ コンサートホール

12月15日(金) 19:00 開演
堺市民芸術文化ホール(フェニーチェ堺)大ホール

取材・文:宮本明
撮影:千葉秀河

フォトギャラリー(6件)

すべて見る