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空間を晴れやかに演出する調度品“金屏風”約30件が立ち並ぶ『金屏風の祭典』12月17日より開催

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2013年10月に箱根・小涌谷に開館した岡田美術館は、約5,000m²という箱根随一の広大な展示面積を誇る館内に、日本と東洋の陶磁器や絵画などの美術品を常時約450点展示している大型美術館だ。その広々とした空間を贅沢に使って、金屏風を絢爛豪華に展示する特別展が、12月17日(日)から2024年6月2日(日)まで開催される。

同展は、2019年に好評を博した『金屏風展―狩野派・長谷川派・琳派など―』から趣向を変えて、出品作、展示構成ともに装いを新たに「黄金の世界」を紹介する展覧会だ。今回は、金屏風における金の多種多様な表現に着目し、「金雲」「金銀」「金地」という3つのテーマから、バラエティ豊かな金屏風の収蔵品約30件を展観する。

同展の見どころのひとつは、最初の「金雲の間」で、「金雲」の様々な演出効果に注目した深掘りの紹介があることだ。画面上にたなびく金の雲「金雲」は、現実には存在しないもので、何を意味するかも明確にはわかっていないという。だが、この日本独自の特異な「金雲」を、日本の画家たちは様々な用途をあてて使いこなしてきた。例えば、画面の荘厳、空間の奥行きの表現、場面転換、不要なものの隠蔽など、その効果は実に多彩だ。狩野派が得意とした力強い金雲や、大和絵の絵師が好んだ雅やかな金雲といった様々な表現とともに、金箔や金の切箔(きりはく)、さらに金泥といった異なる手法による効果の違いも味わうことができる。

続く「金銀の間」では、銀箔や銀砂子が組み合わされた金屏風が落ち着いた雰囲気をつくり出し、一転、「金地の間」では金箔におおわれた総金地の屏風が光沢を放つ。「金地の間」で特に注目される琳派の光琳は、金雲のない、金箔地が広がる屏風を好んで描いていたという。同展では、その光琳に倣った後世の作品や新感覚の表現を生み出した近代の金屏風の紹介もある。そして、その琳派を継承する現代の日本画家・福井江太郎(1969-)が、2023年5月に同館でのライブペインティングで制作した金地の新作がお披露目となるのも見逃せない。

黄金で埋め尽くされた各展示室の豪華さに圧倒されると同時に、桃山時代から現代まで、その多様な金の表現に魅了される濃密な展覧会だが、同館ではまた特別展以外にも充実した展示を楽しむことができる。ぜひ、時間をたっぷりとって訪れたい。

<開催概要>
『金屏風の祭典 ―黄金の世界へようこそ―』

会期:2023年12月17日(日)~2024年6月2日(日)
会場:岡田美術館
時間:9:00~17:00(入場は16:30まで)
休館日:12月31日(日)、1月1日(月・祝)
料金:一般・大学2,800円、高中小1,800円
公式サイト:
https://www.okada-museum.com/

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