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中村倫也と賀来賢人が信じるもの「外付けの心の拠り所はつくらない」

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インタビュー

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左から)中村倫也、賀来賢人 (撮影:奥田耕平)

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『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』が12月22日(金) より公開される。

今回、ゲスト声優として参戦するのが中村倫也と賀来賢人。アーニャの前に立ちはだかる映画オリジナルキャラクター・ドミトリとルカを演じる。

2012年、ミュージカル『RENT』で初共演。以降、定期的に共演を重ねながら親交を深めてきたふたり。気心の知れた間柄ならではの軽快なトークをぜひ楽しんでほしい。

僕たちはくすぶり同盟でした

――旧知の仲のおふたりですが、出会った頃と今でお互いどんなところが変わったor変わらないですか。

賀来 倫也は変わらないですよ。ずっとこんな感じ。飄々として、なんでもやれちゃう。ただ、『RENT』のときはお互い心の奥底に「絶対売れてやるぞ」という思いはあった。そういう意味ではちょっとギラギラしていたかもしれないです。

中村 賢人は気にしいで気遣い屋。そういう元々の性格は変わらないなと思いますけど、今言ったように昔は「売れてやるぞ」という沸々としたものがあって。それが10何年という時を経て、自分の中にある歯車と外にある歯車がかみ合って回りだしたっていう違いはあるかもしれないですね。

賀来 『RENT』をやってたのがもう10年以上前。そこから今もこうやって一緒にお仕事できているというのは感慨深い思いがありますよね。

中村 リソースを割く対象が自分の内側だけじゃなくなった分、きっと人間的には昔より人に優しくできる部分も増えただろうし。そういう変化はお互いにあるんだろうなと思います。

賀来 しかも面白いことに、同じ時期にくすぶってて、同じ時期ぐらいに売れたんです。だから結構気持ちがわかるというか。あんまりそういう人いないじゃないですか。

――お互いがブレイクしていくさまをどうご覧になっていたんですか。

賀来 倫也の方が先だったんですよ。ちょうどその真っ最中に『今日俺』(『今日から俺は!!』)にゲストで出てくれて。俺と(仲野)太賀で「お前売れたな〜。本当よかったな〜」って言ったのを覚えてる。

中村 それ言われたね。

賀来 普通にうれしくて。太賀と言った思い出がある。

中村 太賀もちょうど同じような感じでね。

賀来 そうそう。で、太賀がまた俺たちよりブレイクのタイミングが1段階遅かったんですよね。

中村 だから、太賀と火曜10時の恋愛ドラマ(『この恋あたためますか』)やってるときはなんか変な感じしたもん。

賀来 やってたね。取り合ってたの? 2人で。

中村 そう。森七菜を取り合ってた(笑)。

賀来 太賀と?(笑)

中村 アイツが恋愛ドラマに慣れてなかったから、2話ぐらいまで力んじゃって力んじゃって。それをよく「大丈夫だよ」って声かけてたな。

賀来 それおもろいね。

中村 年齢は違うけど、それぞれ売れるタイミングが似てて、ちょっと同志みたいなところがあるというか。

賀来 くすぶり同盟でした(笑)。

中村 ただ個人的には、賢人は『スーパーサラリーマン左江内氏』とかでも一緒で、その頃から福田組の新たなエース候補という感じで見てたから、『今日俺』でドーンと来たというふうには僕は思ってなかったですけどね。『今日俺』とかをやりつつ、コメディアンだけじゃなく、いろんなジャンルができる俳優としての実績をよそでしっかり積んでいってるんだなという感じで見ていました。

賢人がいきなりニャンちゅうみたいな声になってた

――そんなおふたりが今回はアフレコという形で共演を果たしました。

賀来 序盤は結構探り探りな感じでしたね。

中村 お互い手探りで始まって。途中で賢人が勝手に反省しだして落ち込んでみたいな。

賀来 いや、するでしょ?

中村 久しぶりにナイーブな賢人を見たなと思いながら。でも1回休憩を挟んだら一気にギアが入って、いきなりニャンちゅうみたいな声になってた。あ、見つけたんだと思って。

賀来 ちょうどいい声の出しところをね。

中村 それが面白かったです。すごい声帯に負荷をかける発声をしてて。

賀来 してたしてた(笑)。

中村 あ、魂を削る覚悟で今日来たんだなって(笑)。

賀来 声を飛ばすつもりでやってました(笑)。最後らへんはもう楽しんだもん勝ちでしょみたいな勢いのある方に行けたので、僕は悔いはないです。

中村 アフレコ自体は結構すぐ終わったんですよ。僕としては手応えはなかったんで、これで合ってんのかなみたいな感じだったんですけど。終わった後、スタッフさんから「爆笑でしたよ。遠藤(達哉)先生もすごく喜んでくれていました」と言われて。

賀来 遠藤先生が喜んでくれているなら、それはもうありがたいですよね。

中村 そうだよ。だから、気持ちよく帰れました(笑)。

賀来 まあ、今回の僕たちの役目は箸休めなんで。

中村 僕らの得意なやつです(笑)。

賀来 メインストーリーに絡んでそうで絡んでない(笑)。メインはあくまでフォージャー家のみなさん。

中村 だから、お邪魔はしてますけど、悪い汚し方はしてないですね。

賀来 いい賑やかしをしたよね。

中村 滅私の精神でお仕事に携わらせていただいているので(笑)。だから、取材でも僕たちの話は聞かなくていいんです。

賀来 そう。本来取材を受けるのは僕たちじゃないんです。

中村 ただ、アニメをそんなにご覧にならない方が僕たちをきっかけに劇場まで来てくれるかもしれないので。そうすると、次回作の予算も増えるので、そこを楽しみにしていただければ。それが今回の僕たちのキャスティング理由です(笑)。

(C)2023「劇場版 SPY×FAMILY」製作委員会 (C)遠藤達哉/集英社

僕は「自分教」なんです

――では、ここからは作品にちなんで、おふたりの素顔を聞かせてください。中村さん演じるドミトリは占いに頼りがちなキャラですが、おふたりは占いって信じますか。

中村 信じないと思ってるでしょ。

――思ってます(笑)。

中村 信じないです(笑)。何も気にしたことない。星座占いとかも見ないです。

賀来 僕はいいことだけ信じます。だから、しいたけ占いは一時期見てました。

中村 しいたけ占いってなんだっけ? 誰かから教えてもらったな。

賀来 しいたけ占いはいいことしか言わないの。だから好き。

中村 俺、しいたけ嫌いだもん(笑)。

賀来 あのね、ぶっちゃけしいたけは関係ないの(笑)。いいことを言う人に悪い人はいないなと思って。特に占いの結果を信じているわけではないですけど、楽しく見ていました。

――おふたりは舞台にもお出になりますが、本番前のゲン担ぎとかも…?

中村 何もしないです。

賀来 しないっすね。

中村 なんなら開演1分前に劇場入りしたいぐらい。

賀来 なんかできそうだもんね。

中村 家から来て、劇場着いて、着替えて、そのままぬる〜っと舞台に出てもいい。実際そういうわけにはいかないからしないですけど。

――占いとかゲン担ぎに頼るのって、信じる何かがほしいからだと思うんですね。そういうものに頼らないおふたりは何を信じているんでしょうか。

中村 僕は極論を言うと自分しか信じていないです。そういう外部メモリーというか、外付けの心の拠り所をつくると、それがなくなったときに力が発揮できなくなるじゃないですか。僕は何にも頼らず、何にも担がれず、いろんな負荷とか興奮とかプレッシャーを得ない状態で発揮できたパフォーマンスが自分の真っ当な実力だと思っているので。だから、そういうものに頼らない。

賀来 一緒だわ。僕も「自分教」なんです。言霊という言葉があるくらい、自分の思いや信念、あとは流れみたいなものをずっと信じていて。むしろ僕は自分のこうなりたいという強い意志がないと動けないタイプ。だから、あんまり占いとかに左右されないのかな。それよりもちゃんと自分を持って、自分の決断や行動を信じて前に進むことを大事にしたいですね。

中村 極論、占いとか、おみくじとか、そういうのは僕にとってコミュニケーションツールのひとつくらいな感じ。現場でよく晴れ男とか雨男とかで盛り上がったりするけど、そういうのもまったく気にしない。ただ、「おみくじ引いたら大凶だったんです」って言ったら3行分ぐらいは喋れるでしょうし、「あの人がいるといつも雨降るよね」って言ったら、2行分ぐらいは喋れる。そういうツールとしてはいいのかもしれないけど。

賀来 あくまでエンタメだよね。

中村 そう。エンタメですね。

僕が人狼ゲームをやったらすぐ負けます

――では次の質問です。フォージャー家の面々で家族にするなら誰がいいですか。

賀来 僕はボンドがいいですね。まず家にワンちゃんがいないのでワンちゃんがほしいのと、未来予知に興味あるので、ボンドに未来を先読みしてほしい。それがいい方向に転がっても悪い方向に転がっても、1日くらいなら体験してみても面白そうだなと。

中村 僕はヨルさんかな。ヨルさんは可愛いので、お姉さんになってほしいです。殺し屋ですけど、家族は知らないんで困らないし。料理は自分がつくるんで大丈夫です。

――では最後にもうひとつ。フォージャー家はみんな隠しごとを持っていますが、おふたりは隠しごとをするのは得意ですか。

中村 僕は人狼ゲームとかやったらすぐ負けるタイプなんで。たぶん嘘つけないです。

賀来 そうなんだ。意外。

中村 よく何考えてるのかわからないとか、すごい考えてそうとか、本心じゃないことをやってそうとか言われるんですけど、まったくそんなことはなくて。ただ何も考えずに行動していることがかえって怪しく思われるだけで、何も裏表がない。

賀来 そう言われるとそうだね。

中村 逆に人狼ゲームとかやると、すぐバレる。日常的に隠したり嘘ついたりというのがないんですよ。だから、隠しごとはできないタイプです。

賀来 僕はどうなんだろう。自分じゃわからないからなあ。

中村 今日1日ずっと一緒に取材を受けていますけど、さっきインタビューで困ってるのはすぐわかりましたよ。

賀来 顔には出やすいです。

中村 あ、この質問答えづらそうだなっていうのはひと目でわかります。

賀来 わかりやすいんだと思います(笑)。だから、僕も隠しごとはできないですね。

取材・文:横川良明 撮影:奥田耕平

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<作品情報>
『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』

12月22日(金) 公開

『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』ポスタービジュアル

公式サイト:
https://spy-family.net/codewhite/

(C)2023「劇場版 SPY×FAMILY」製作委員会 (C)遠藤達哉/集英社

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