Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > 盟友TETORAを迎えたツアーファイナルでカネヨリマサルが見せた決意「みんなの太陽みたいなバンドになります!」【ライブレポート】

盟友TETORAを迎えたツアーファイナルでカネヨリマサルが見せた決意「みんなの太陽みたいなバンドになります!」【ライブレポート】

音楽

ニュース

ぴあ

カネヨリマサル『太陽に近づくツアー』Zepp Shinjuku

続きを読む

フォトギャラリー(8件)

すべて見る

“シブヤは炎上するか?”と煽ったのは、1999年10月に渋谷クラブクアトロでのライブを録音したナンバーガールのライブ盤に刻まれたキャッチコピーだった。カネヨリマサルの『太陽に近づくツアー』ファイナルの地となったのはZepp Shinjuku。歌舞伎町の地下に盟友と言えるTETORAを迎えた。“Shinjukuは夢を見るか?”――キャッチコピーをつけるなら、これしかないと思った。

3ピースのガールズバンド、大阪出身という相似性以上に、カネヨリマサルとTETORAはお互いのことを深くリスペクトし合いながら高め合ってきた。1曲目「ずるい人」のあとに、上野羽有音(Vo&Gt)が言った。

「カネヨリマサルありがとう。カネヨリマサルが選んでくれた、カネヨリマサルが混ぜてくれた、カネヨリマサルが作った日は、もうこの瞬間から始まっているのでよろしくお願いします」

フロアから大きな拍手が起こる。それを遮るように続けた。

「ごめん、もうちょっといい? いつも思うこと。これだけは言いたかった。こんな気持ちになるのは私にとってカネヨリマサルだけ。カネヨリマサルの曲を聴いたら、私の中の鼓動が恋してるときと同じ速さになります。カネヨリマサルの曲が大好きです」

そう言って演奏したのは未音源化の新曲「11月」。ペイヴメントあたりのローファイな空気感をたっぷり含みつつ、歌詞に激情を織り交ぜた曲が彼女たちのセンスの良さと自らの音楽への信念の強さを感じさせた。

「大阪の先輩カネヨリマサルと新宿のこんな大きなライブハウスで2マンをやれるなんて夢にも思ってませんでした」

中盤から後半にかけては速い曲で一気にフロアの温度を上昇させる。曲間に、「カネヨリマサル! どんなツアーを回ってきたか教えてほしい!」と何度も叫ぶ姿が印象的だった。本当のところはわからない。けれど、これはカネヨリマサルへの愛であり、TETORAの誇りであるのだなと感じた。自分たち以上にカネヨリマサルとの2マンにふさわしいバンドはいないだろう? そういうふうに聞こえたのだ。そして実際、そのとおりに違いないと思わせるだけの気迫に満ちた演奏でTETORAは駆け抜けた。

フロアの期待感の高まりが目に見えるようだった。いつものSE(くるり「THANK YOU MY GIRL」)が鳴り、ちとせみな(Vo&Gt)、いしはらめい(Ba)、もりもとさな(Ds)の3人がステージに登場すると、ドラムセットを中心に3人が集まってそれぞれのポジションにつく。今年の2月4日に代官山UNITでのライブを見たときも、あるいはどこのライブハウスでも同じ光景が繰り返されているに違いない。しかし、何もかもが違って見えた。それがバンドの成長なのかもしれない。そして、最高のライブを繰り広げたTETORAへの想いなのかもしれない。

「はしる、夜」からこの日のライブが始まった。

「カネヨリマサルが今、Zeppのステージに立っています!」(ちとせ) 「TETORAのライブを見たらいつも名前のつけられへん感情になるんですけど、今日もなりました」(いしはら)

ドラムのつなぎから3曲目「GIRL AND」へ。オーディエンスが身体をぶつけ合って拳を突き上げサビに突入するカタルシスはスタンディングのライブでしか感じられないものだ。「関係のない人」からドラムとベースのインプロに続いて「ひらりとパーキー」という流れがシームレスに曲の世界へと導く。

「Zepp Shinjukuのステージに初めて立った。こんなにめっちゃたくさんの人が見にきてくれてうれしいです。セトリどうしようって話もいっぱいして、ツアーならではの曲をいっぱいやりたいと思います」(もりもと)

その言葉どおり、6曲目に披露した「NO NAME」は久しぶりにライブで演奏する曲だった。さらに「南十字星」と続く。TETORAと大阪のライブハウスでしのぎを削っていた“あの頃”に思いを馳せるような選曲がこの日の特別感を物語っているような気がした。

10月18日にリリースした配信シングル「君にさよなら」を演奏する前にちとせが言った言葉のリアリティに驚かされた。

「何曲失恋ソング歌うねん、カッコわるって思う。でも、そう思われても何回でも歌う。一生一緒におれると思ってた、疑いなく。一生私のことを好きでいてくれると自惚れてたかった。そういう人の歌です」

TETORAが「11月」を演奏する前に言った上野の言葉とシンクロした。

「この曲は、ライブでやるのは今日が最後になると思います。この人となら不幸になってもいいって思っちゃったからこの曲を作りました。まだ音源にもなっていない新曲です」

カネヨリマサルがTETORAと初めて対バンをしたのは、4年前。大阪・心斎橋にあるBRONZEというライブハウスだった。ちとせが言う。「全然人を呼べなくて、ガラガラのライブハウスで悔しいライブばっかりやってた。でも、時間が経って環境が変わって、観てくれる人がいっぱい増えて、今日、こんな夢みたいなステージに立っています」。だからこそ思い出すのだ。“あの頃”を。「あの頃よく聴いていた曲をちょっとだけ歌います」と言って、ちとせが歌い出したのはTETORAの「ずるい人」だった。ギターの弾き語りに、まるで示し合わせたかのようにベースとドラムが同時に入る。

「私のずるい人を歌にしました」と言って披露したのは「もしも」。おそらく“あの頃”もよく演奏していた初期の楽曲だ。この日の新宿のステージから見えた景色が、また“あの頃”になる日、彼女たちはどんな景色を見ているのだろう――そんな未来に思いを馳せた。

「(上野)羽有音ちゃんが昔LINEをくれた。いつかTETORAとカネヨリマサルでZeppツアーやりたいですって。あのときの私たちの未来は今日だ!」

そう言って、「ラクダ」を歌い出した。このツアーは『太陽に近づくツアー』というタイトルが付けられている。当初は出演してくれる対バン相手へのリスペクトと憧れを込めたものだった。しかしツアーを回るうちに、こんなふうに思うようになったのだと言う。

「私たちはみんなの太陽みたいなバンドになります!」

来年2月7日(水)には4thミニアルバム『波打つ心を持ちながら』がリリースされることがこの日のステージで発表された。1月28日(日)にメジャーデビュー1周年記念ライブを恵比寿LIQUIDROOMで行ったあと、2月25日(日)名古屋DIAMOND HALLから始まる初のワンマンツアー『彗星みたいになりたいツアー』が始まる。

カネヨリマサルが描く夢の軌跡はまだまだ続いていく。

Text:谷岡正浩

<リリース情報>
カネヨリマサル 4thミニアルバム『波打つ心を持ちながら』

2024年2月7日(水) リリース

●初回限定盤A(CD+Blu-ray):税込4,840円
●初回限定盤B(CD+DVD):税込4,400円
●通常盤(CD):税込2,310円

●VICTOR ONLINE STORE限定セット
初回限定盤A(CD+Blu-ray)+フェイスタオル【波打つ心タオル】+アクリルスタンド【カネヨリスタンド】:税込7,540円
初回限定盤B(CD+DVD)+フェイスタオル【波打つ心タオル】+アクリルスタンド【カネヨリスタンド】:税込7,100円

【CD収録内容】
1. バンドマン
2. GIRL AND
3. わたし達のジャーニー
4. ラブソングがいらない君へ
5. 君にさよなら
6. 番外編
7. 見えないくらいの高速で

【DVD / Blu-ray収録内容】
「1st Full Album リリースツアー 2023 “いまを生きるツアー”」(2023.6.25 at 心斎橋BIGCAT / 全15曲・約80分 収録予定)

予約リンク:
https://kaneyorimasaru.lnk.to/namiutsukokoro_cd

<ライブ情報>
カネヨリマサル『太陽に近づくツアー』大阪・福岡振替公演

2024年1月18日(木) 梅田CLUB QUATTRO
OPEN 17:30 / START 18:30
w/ KALMA

2024年2月7日(水) 福岡Drum Be-1
OPEN 18:00 / START 18:30
w/ キュウソネコカミ

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/kaneyorimasaru2023/

カネヨリマサル メジャーデビュー1周年記念ライブ『今日を凛々』

2024年1月28日(日) 東京・LIQUIDROOM
開場17:00 / 開演18:00

チケット料金:前売4,000円(税込)
※スタンディング(整理番号付き)。ドリンク代別途必要

カネヨリマサル ONEMAN TOUR 2024『彗星みたいになりたいツアー』

2024年2月25日(日) 名古屋 DIAMOND HALL
開場17:00 / 開演18:00

2024年3月21日(木) 札幌 PENNY LANE24
開場17:30 / 開演18:30

2024年3月23日(土) 仙台 darwin
開場17:00 / 開演18:00

2024年3月29日(金) 福岡 BEAT STATION
開場18:00 / 開演18:30

2024年3月31日(日) 広島 LIVE VANQUISH
開場17:00 / 開演18:00

2024年4月11日(木) 東京 EX THEATER ROPPONGI
開場17:30 / 開演18:30

2024年4月21日(日) 大阪 なんばHatch
開場17:00 / 開演18:00

チケット料金:
スタンディング(整理番号付き):前売4,000円(税込) / 東京公演のみ4,500円(税込)
※ドリンク代別途必要

チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/artist/artists.do?artistsCd=EB170016

関連リンク

オフィシャルサイト:
https://kaneyorimasaru.com/

X:
https://twitter.com/kaneyorimasaru

Instagram:
https://www.instagram.com/kaneyorimasaru/

フォトギャラリー(8件)

すべて見る