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「PERFECT DAYS」柄本時生が役所広司にほれぼれ、中野有紗はヴェンダースの温かい人柄語る

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「PERFECT DAYS」公開記念舞台挨拶に参加した柄本時生(左)、役所広司(中央)、中野有紗(右)。

映画「PERFECT DAYS」の公開記念舞台挨拶が本日12月23日に東京・TOHOシネマズ シャンテで開催され、キャストの役所広司、柄本時生、中野有紗が登壇した。

ヴィム・ヴェンダースが監督した本作では、東京・渋谷でトイレ清掃員として働く男・平山の日々が描かれる。平山を役所、同僚・タカシを柄本、平山を訪ねて来る姪・ニコを中野が演じた。本作が第96回アカデミー賞国際長編映画賞のショートリストに選出されたことについて、役所は「日本の代表作に選ばれたということで、あともう一歩前に進んで行けるといいなと思っています」と意気込み、「ヴェンダース監督のもとに集まったスタッフ・キャストが一生懸命作ったこの映画には、いろんなところへ連れて行ってもらいました。映画の生まれ故郷である日本で上映が始まり、これからまだ一緒に旅へ行けますね」と述べた。

ヴェンダースのお気に入りだという、レコードショップでの一コマを回想した柄本は「監督が来て『タカシはこう動くんだ』『ここはもっと具体的に』とすごく指示を出してもらいました。楽しくてうれしかったです」と語る。また、役所と共演した感想を聞かれると「かっこいいですよね……。うちの父(柄本明)が『役所はうまいぞ』と言っていて。すみません」と恐縮しつつ「その意味が少しでもわかったらいいなと思っていました。僕の中ではすごく濃密な時間を過ごさせていただきました」とコメント。対する役所は「お父さんからよく育てていただきましたね。先輩を立てるところも立派だと思います」と笑い、「子供の頃から知っていますから。一緒に仕事をしてみて、いい俳優さんになったとつくづく思いました」と温かいまなざしを送った。

今回が映画初出演となった中野は「自分の人生でこんなことが起こるとは思わなかったので、出演が決まったときは驚きとともに責任の重さも感じました」と振り返り、「役所さんはとてもお優しい方で、常にシーンを引っ張っていただきました。現場は初めてでしたが、役に落ち着いて集中できたのは役所さんのおかげです」と深く感謝した。一方の役所は中野を「非常に新鮮で、脅威というか。自分の俳優としての“垢”がバレちゃうんじゃないかとドキドキするくらい、純粋でいい女優さんだと思いました」とたたえた。

現場の雰囲気に言及した役所は「演じるときはカメラを意識しないようにしないといけません。ただ今回は自由に動いて、ほとんどドキュメンタリーのように撮ったので意識する余裕もないくらいでした。こういう撮影の仕方もあるんだなといい経験をしました。待っているときと本番の境目がないくらい、自然に撮影が始まる感じが心地よかったです」と述懐。柄本も「現場に着いてから話をして、『アクション』と言われるまでのスピード感に驚きました。また、監督がこう撮りたいんだと確信を持って主張するときがあって、そこも面白かったです」と言い、中野は「監督はありのままの私を受け入れてくださった気がして。まだ何者でもない私を信頼して託してくださる、温かい方だと思いました」と続けた。

イベント終盤には、ヴェンダースから届いたメッセージ動画を上映。役所は「監督はチャーミングで、淀川長治さんがドイツ人になったような方(笑)」とジョークを飛ばして笑いを誘いつつ「監督は自分がドイツ人だということで、アカデミー賞の選考に何か障害があるのでは?とすごく気にしていたんです。なので日本代表に選ばれたときはものすごく喜んでほっとしていて。心優しい監督です」とほほえんだ。そして「この作品が長くいろんな人に愛していただけるよう、『PERFECT DAYS』は面白かったよ、と街や電車でささやいていただけたら」と観客に願ってイベントの幕を引いた。

「PERFECT DAYS」は全国で公開中。

ヴィム・ヴェンダース コメント

こんにちは
舞台挨拶に来てくださった、日本のみなさま
私はヴィム・ヴェンダース、この映画の監督です

地球上で最も偉大な俳優のひとり、役所広司さんと映画を一緒につくるということは、
素晴らしく美しい贈り物のような出来事でした
いっしょにこの物語を書いた高崎卓馬、
この夢を叶えてくれたプロデューサーの柳井康治に心から感謝しています

皆さんもぜひ
世界中の人々と同じように 平山さんとの時間を楽しんでください
彼の日々の一部になれたことを とてもうれしく思っています
そして、
この映画はアカデミー賞の日本代表に選んでもらえたんです
幸運を祈っててください!

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