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映画館の経営状況と今後についてのアンケート結果公開、厳しい状況が浮き彫りに

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アンケート結果(「現在の経営状況について」)

コミュニティシネマセンターと「日本版CNC設立を求める会」(action4cinema / a4c)が調査主体となり、ミニシアター・エイド基金の協力を得て全国97団体77館の映画館に経営状況についてのアンケートを8月30日から9月10日まで実施。その結果が「日本版CNC設立を求める会」のニュースレターサイトで公開された。

「日本版CNC設立を求める会」はこのたびの結果公開にあたり、「今年に入りミニシアターの閉館が相次いでいる。より正確には『また今年も減ってしまった』といえる。映画館の危機はパンデミックを機に始まったのではなく、コロナ前から連綿と続く映画館支援の構造的な脆弱さが露わになったに過ぎない」と述懐。「ミニシアター・エイド基金の取り組みにおいて、3万人以上の映画ファンの皆様より3億3000万円ものミニシアターへの支援が集まった。このとき支援に動いてくださったお一人お一人には、映画作りに携わる人間として感謝してもし足りないが、しかし、このことを決して美談にすべきではない」と述べ、「なぜ、映画ファンにこれほど篤く支えられる前に、映画業界自身で映画館を支えることができなかったのか、そしていまだにそれが行えていないのか。今すべきことは私たちが看過してきてしまった現実を直視することではないだろうか」と続けている。

ミニシアターの置かれた厳しい状況が浮き彫りとなったこのたびのアンケート。「現在の経営状況について」の設問では、「とても悪い」が5.1%、「悪い」が26.9%、「やや悪い」が35.9%となり、ネガティブな回答が約7割に上った。さらに「とても良い」「良い」「やや良い」「普通」「やや悪い」「悪い」「とても悪い」の7択の中で、「とても良い」「良い」の回答は0となっている。

また「2019年同時期と比較して経営利益の増減について」というアンケートでは、10%超の減少が47.4%とほぼ半数の結果になった。1%から10%の減少も含めると、回答した映画館の67.1%の経常利益が減少していることに。全体に厳しい状況だが、一方で23.7%の映画館が増大しているという結果にもなった。

そして「今後の観客数の見通しについて」という設問では、「より減少する」と回答した映画館が45.3%に。「今後1年以内に閉館を検討する可能性はありますか?」という問いには、約8割の映画館が「ない」と答えたが、9館はあると回答している。さらに「今年度(2023年度)のミニシアターなどの映画館の閉館動向は、どのように予想しますか?」という質問には、「(閉館する映画館が今より)増える」と回答した映画館が52.6%で半数を超えた。結果の詳細については「日本版CNC設立を求める会」のニュースレターサイトで確認してほしい。

なお、同サイトではフランスのブローニュ市にあるアートハウス「シネマ・ランドブスキ(Cinéma Landowski)」の館主マニュエル・シャペリュのインタビューも公開に。映画監督・深田晃司が聞き手を務め、日本に比べて文化や映画への支援が手厚いといわれるフランスで、具体的にどのような支援を受けているのかを聞いている。