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棚田康司展『入って飛ぶ』ミヅマアートギャラリーで 2点の新作や90年代の作品で思索の変遷を辿る

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《宙を取り込むように》(部分)2023 撮影:宮島径 ©︎ TANADA Koji Courtesy of Mizuma Art Gallery

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彫刻家・棚田康司の個展『入って飛ぶ』が1月17日(水)〜2月17日(土)、ミヅマアートギャラリー で開かれる。

主に伝統的な楠の一木造で、はかなげな少年少女などをモチーフとして現代を映し出すような人物像を制作してきた棚田。第30回平櫛田中賞を受賞し、その記念として2023年10〜11月には、井原市平櫛田美術館で個展「線上に幅を 空間に愛を」が開催された。今回の個展では、このとき発表した2点の新作《地上を取り込むように》《宙を取り込むように》を中心に、新たに制作した作品や90年代の作品などで構成し、棚田の思索の変遷を辿る。

《地上を取り込むように》は少し上方を見据えた人物が、手にした長い縄でぐるりと空間を取り囲んでいる。それは自身の領域に人々を招き入れているような寛容さをイメージさせる。一方、《宙を取り込むように》は、縄を回しながら踏み込むような人物が、重力に抗い、力強く飛び跳ねんとしている。その姿は自身を受け入れ、肯定しているようにも見える。

フォルムのユニークな彫刻から、彫刻が響き合う空間へ。棚田は、境界線上に彫刻を存在させ、その線の幅を広げ、空間に余地を持たせることで、異なる思想や文化において他者を受け入れていくことを示唆する。また、既存の価値観や制約から解き放たれて自分を越えていくことを想起させてもいる。30年にわたる創作活動を通して、人間の本質とは何かを問い続けてきた棚田のさらなる境地ともいえる作品だ。

世界中にさまざまな分断が起こり、争いが止まない時代。人々がさまざまな緊張や不安、諦め、憤りなどを抱えているいま、何か考え方や心の持ちようが変わる体験をもたらしてくれるかもしれない。

<開催概要>
棚田康司展『入って飛ぶ』

会期:2024年1月17日(水)~2月17日(土)
会場:ミヅマアートギャラリー
時間:12:00 - 19:00
休廊日:日月祝
公式サイト:
https://mizuma-art.co.jp/

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