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尾上松緑、追善で玉三郎・仁左衛門らと共演「僕がやるよと父が出てきそう」

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尾上松緑

「二月大歌舞伎」が、2月2日から26日まで東京・歌舞伎座で上演される。これに先駆け、尾上松緑が昨日1月9日に東京都内で取材に応じた。

40歳の若さで早世した初世尾上辰之助の三十三回忌追善狂言として、昼の部には「義経千本桜 すし屋」「暗闇の丑松」、夜の部には「名月八幡祭」が披露される今年2019年の「二月大歌舞伎」。このほかの演目には「団子売」「熊谷陣屋」「當年祝春駒」が並んでいる。「暗闇の丑松」には、辰之助・十二世市川團十郎と共に「三之助」と呼ばれ人気を博した盟友・尾上菊五郎が出演。松緑が縮屋新助役で出演する「名月八幡祭」では、美代吉役の坂東玉三郎と船頭三次役の片岡仁左衛門が、辰之助が新助を演じた際と同じ配役で登場する。この顔ぶれに松緑は、「父が『僕がやるよ』と出てきそう。とてもありがたいですね」と謝辞を述べた。

「父の蘭平を観て、歌舞伎役者って格好いいなと思いました。子供がスーパーヒーローを見るような感覚です」と語る松緑は、中学生のときに父・辰之助を亡くした。「生前、父と最後に会ったのは自分の誕生日。『誕生日おめでとう。一緒に行ってやれないけど、これで好きなものでも買いな』と小遣いをくれました。その後、体調が急変しましたが、父も意地っ張りなものですから、『チューブに繋がれたような姿は絶対見せたくない。自分は退院するから、あらし(松緑)は来させるな』と言って病室に入れてもらえなかった。自宅に菊五郎の兄さんが駆けつけてくださいましたが、兄さんが泣いている姿を見たのは、あとにも先にもその日だけです」と当時を振り返る。

そんな松緑も今では父となり、息子・尾上左近が夜の部「當年祝春駒」に出演する。「息子は中学2年生で、背も伸びて声変わりの時期。2月は出られないかもと思っていましたが、(中村)梅玉の兄さんが直々に『春駒をやるから、左近どうだい』と言ってくださいました。『ご迷惑になりませんか』と伺いましたが『追善なんだから、出してやらなきゃ駄目だよ』と逆にたしなめられたくらいで。ありがたいことです」と微笑み、「息子がたまに『お父さん格好よかったね』と言ってくれることもあるのですが、そう言われれば言われるほどに『お前のおじいさんは、もっと格好よかったよ。お前のひいおじいさんは、もっともっと格好よかったよ(笑)。お父さんではなく、おじいさんやひいおじいさんを目標にしなさい』と言うようにしてます」と続けた。「二月大歌舞伎」のチケットは、1月12日に一般販売される。

「二月大歌舞伎」

2019年2月2日(土)~26日(火)
東京都 歌舞伎座

昼の部

「義経千本桜 すし屋」「暗闇の丑松」「団子売」

夜の部

「熊谷陣屋」「當年祝春駒」「名月八幡祭」